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鍛えよう、いつまでも

        

農業を始めたころは体力的にとっても大変でした。仕事が終わって畑から帰ってくると軽トラックの直角の座席に座ったまま動くこともできなかったし、夕食で茶碗を持ったまま寝てしまうくらい疲れていました。

休みの日をとることもできないし、テレビも2年くらいは見る時間がありませんでした。寝ていて筋肉がけいれんして目が覚めたり、夏は体の中のほてりがとれなくて水風呂に入ったりしたものでした。

掛川西高校のバックネット裏


「鍛えよう、若き日を!」というメッセージが地元の掛川西高校のグランドの外側に掲げられています。
自分が農業を始めたのは47歳の時ですが、このメッセージを見るたびに「若くもないのに、いつまで鍛えないといけないのかなぁ」と思ったものでした。

あれから7年、仕事のコツがわかってきたり、何よりスタッフに支えられて、体力的にヘトヘトになることはなくなりました。戻りたいとは思いませんが、あの頃のことは懐かしい思い出になっています。

でも、楽になったかというと決してそうではありません。仕事量も責任も不安も増えています。
変わっていないのは、自分自身に「がんばれ、がんばれ」とか「できる、できる」と声をかけている毎日です。

きっとこの先も大変な毎日が続くのだろうけど、大切なのは結果ではなく、目的を達成するために自分自身を鍛えているプロセスなのかと思います。
目的であるゴールはいつでも次へのステップであり、それは若い時も、今も、これからもずっと変わらないのかなと思います。
だから、「鍛えよう、いつまでも!!」です。


【記事の出典元について】

しあわせ野菜畑の代表の大角は、静岡県高等学校の農業教員でしたが、47歳の時に退職し2008年に農業を始めました。 教員生活は大変楽しく充実していましたが、農業経営者として自分自身が農業の可能性に賭けてみようと考えました。
起業して7年目の2014年4月から1年間、地元の静岡新聞に農業経営者の声「こだま」を毎月2回書かせていただく機会がありました。
「こだま」は農業者が交代で書くことになっており2015年3月で終了しましたが、その後、毎月1回農業欄のコラムとして「野菜が好きになる話」を書かせていただくこととなり、現在も続いています。
野菜宅配セットをお送りしているお客様にお届けしているニュースレター「しあわせ野菜新聞」、それからNoteの文章は、静岡新聞の農業欄「野菜が好きになる話」が元原稿になっています。

今回の記事は2014年に書いた「こだま」の原稿です。
当時とは、現状が変わっている部分も多いのですが、自分自身の原点としてそのまま記載しました。

今後、第2版として、「その後」の文章や写真を加えたりしたいと思いますが、まずは「農業で起業したころの想い」としてお読みください。

「鍛えよう若き日を」
第1版 2024年8月13日発信
 
(出典元)静岡新聞2014年8月第2日曜日、農業欄「こだま」より

#鍛えよう若き日を
#しあわせ野菜畑


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