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半世紀前の物語「モモ」から見えてきた!・・・今のコロナの世界

新型コロナウイルスの感染拡大が続き
テレワークによる在宅勤務が始まった。

先日の「ビジネス茶道」の終わりに、
先生から1冊の本を頂き読んでみた。

ミヒャエル・エンデ作「モモ」
(岩波少年文庫)を児童向けの物語
かと思ったが、今の世界を読み解く
事ができる奥深い、大人向けの内容
であった。

時間泥棒と、盗まれた時間
を人間に取り返した女の子の物語です。

人間本来の生き方を忘れて
しまっている現代の人々に
〈時間〉の真の意味を問う。

私も「時間がない」「暇がない」と
毎日過ごしてきました。時間とは
何かを考えさせられました。

【あらすじ】

主人公のモモは、年齢不詳の浮浪児ですが
現代の文明社会で管理された人間ではなく
自然のままの不思議な能力をもった人間です。

モモを取り巻く環境である現代人は、
良い暮らしのために必死に時間を節約し
追い立てられるように生活してます。

子供達も遊びを忘れ、「将来にためになる」
勉強を強要されてます。

モモの上記のような取り巻く環境は、
「灰色の男たち」という病菌に侵され始め
ます。

この病菌・「灰色の男たち」は、人々から
時間を奪い、人間として「生きること」
を奪い、心の中は貧しく荒廃していきます。

モモは異次元の世界の時間を司るマイスター・ホラに
時間の意味を教えられ、一人一人の
人間に与えられる時間の豊かさ、美しさを
知ります。

そして、モモは、時間泥棒の「灰色の男たち」
から時間を取り戻し、人々は豊かな時間を取り戻し
心豊かな生活が戻ってきます。

現実の社会では、「働き方改革」とい
う名目で労働時間は短縮されたが、
本当に人間として生き生きとした
時間を取り戻したのでしょうか・・・

自分の時間とは!

私が、最近、時間とは何か?
を考えるとき、
・他人(地域活性化)のために使う時間、
・自分のために使う時間、

があります。その判断基準は、
「自分にとってワクワクする」こと
自分の心が安らかになり、人間本来の
生きる喜びを感じる時間だからです。

時間とは、生きててよかったと思え
ると。
私ごとですが、自分のために使う
ワクワクする時間の一つは、
月一の「ビジネス茶道」です。


茶の湯の奥深さを求めて、日常の仕事
を忘れ、自分との対話する静寂の時間
や空間が、五感と教養を深め、「人間力」と「直観力」を鍛えられる
と感じてます。
                                    
【「モモ」が教えてくれる本当のこと】

冒頭にも書きましたが、新型コロナウ
イルスの感染拡大が世界中に拡散し、
終息の兆しが見えません。

「モモ」に登場する「灰色の男たち」という病菌
を「コロナウイルス」と置き換えると
世の中が見えてきます。

「灰色の男たち」は、日常生活をして
いる人々から時間を奪い、

人間として「生きること」
を奪い、心の中は貧しく荒廃させて
きました。

現在の世の中や、私たちの生活は、
こころ豊かになったんでしょうか・・・

このコロナウイルス(「灰色の男たち」)の出現は、
今までの、私たちが住む世界の仕組
みや人間としての生き方を変えろ
と警告し、

自然と共生することを求めている
ように思えます。

「もも」の作者は、あとがきで、
この物語は、過去の話でもあり、
未来の話でもよかったと語ってます。

(ミヒャエル・エンデ 本人の挿絵

この物語は半世紀前(1973年)に
書かれましたが、彼の言う「未来」、

すなわち、

「今でも」我々に「人の生き方」や
現在の世の中の仕組みを見直せ!

と、強烈なメッセージを与えてくれます。

では、どうすれば良いのでしょうか?

直近の新聞で解剖学者である養老孟司
氏はの「生き方を見直せ」と
インタビューに答えてます。

”敵だから潰せという話になると、外出できず、人とも会えず、経済は止まる。しかも、いくら人工的に安全な環境をつくっても、自然は多様で絶えず変化するから、頭で考えたシステムでなんとかなると思わないほうがいい。”

又、「サピエンス全史」のハラリ氏は
グローバルに結束が重要だと警告を
新聞記事に投稿してます。

我々は目の前には、自国を優先し各国との協力を拒む道を歩むのか、グローバルに結束していくのかという2つの選択肢がある。前者を選べば危機は長期化し、将来さらに恐ろしい悲劇が待つことになるだろう。後者を選べば新型コロナに勝利するだけでなく、21世紀に人類を襲うであろう様々な病気の大流行や危機にも勝利することができる。
何れも含蓄のある内容です。
世界中の現システムや人の生き方を
変えることを訴えてるようです。以上、半世紀前の物語「モモ」から
学んだことでした。良い本です。
新型コロナウィルスの感染拡大が
1日も早く収束することを願いつつ
ペンを置きます。

ここまで読んでいただき有難うございます。