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グラフアプリ

 水面波の干渉の図はMathematicaを使って描いています。最近ではMathematica Online とかも出てきて、タブレットやスマホでも利用できるようになりました。とはいえ、受講生には自分で描画するにはもうちょっとお手軽なのがあると便利かも?

 という事で、手軽に使えるスマホアプリを3つほど紹介してみたいと思います。まずは第1弾です。

Quick Graph

 スマホでも手軽に使えるアプリで2D、3D両方ともかなり直感的に操作できます。無料版と600円くらいのバージョンがあると思います。リンクを貼っておきます。私はiOS版ですが、Android版もあるのかもしれません。

 電位分布を描いてみましょう。描画するためには文字式のままでは扱えないので、変数以外を数値で表す工夫が必要です。x軸上の2点A(-1,0)とB(1,0)に同じ電気量の正電荷が固定されているとしましょう。クーロンの比例定数kと電気量qの積kqを仮に1としてみます。

 入力画面には便利な関数電卓が用意されているのでルートなども簡単に入力できます。aの2乗を表現するときはa^2のように書きます。以上から、点P(x,y)における電位をzとすると、無限遠を基準として、次のように入力できます。

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これを描画してみると次のようになりました。

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少し不恰好でガタツキも多いので観察しにくいですね。概形を観察するならもう少し滑らかにしたいところです。数値を少し調整してみます。

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これを出力すると次のようになり、見やすくなりました。少し工夫は必要ですが、状況を知るためのツールとしては十分ですね。

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画像をタップすることで、点描やメッシュにできます。メッシュは背後や裏側の形も観察できるので便利です。

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z=0,z=3,z=6,z=9の平面を重ねてみます。すると等電位線イメージが簡単に得られます。

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x=0を重ねて描画することでyz平面で切断した断面を見ることができます。y軸に沿った電位分布などを確認するのにも使えますね。

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他には、鞍型ポテンシャルz=a(x^2-y^2)の観察などにもとても有効です。

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等電位線をxy平面上に描くと、次のようになります。よく問題で見かける図ですね。この図だけ別なアプリで描きました。それはまた次回にでも紹介しようと思います。

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 これら全てiPhone7Plusで描きました。PCがなくてもこういう観察ができるのでいい時代ですね。

 ちなみに面倒ではありますが、手書きしてみると得るものも多いです。描くときに面倒とかなかなかうまくいかないのは、それだけ気を使ったり気づかないといけない部分が多いということです。描き切った場合、それらを全クリアしたことになるので描画から吸収する情報量は実は非常に多いです。休日などチャレンジしてみるのもいいですね。描き方のヒントは過去の記事「作図力を身につけようPart1 & 2」で詳し目に触れているのでよかったら参考にしてみてください。

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