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ドローンが初めての方こそ見るべき~ロスト対策~

こんにちは。

ハンドルネーム「shyachi」、読み方はシャチです。

本名、菊池といいます。

主に大阪を拠点にTinywhoopというドローンを飛ばしています。また、その知識を普及するべく、フライトベース大阪でスタッフとしてボランティア活動をしています。

自己紹介は早々に、今回書きたいことは

「ドローンのロスト対策」

です。

ドローンと言っても幅広くありますよね。DJI製を始めとした、高性能な市販のドローン。おもちゃとして売ってるドローン。産業用などの大型ドローン。そしてレース用のドローン。

これら全てに共通してるのは

最初に飛ばすときにロストすることが多い

です。

ロストとは一般に「ドローンを見失って機体を失ってしまうこと」です。つまり無くしちゃうということですね。

これは私の経験上、非常に多くの方が「一番最初に飛ばすときに」通る道です。実にショッキングな事実ですが、一番最初に外で飛ばすときになくすことが多いです。

買ったばかりのドローンを無くしたら、もちろんショックですよね

今回はそのための原因と対策をお伝えします。

※ここではGPSを搭載していてリターントゥホーム機能があるドローン(主にDJIやParrotなどメーカー製ドローン)と、それがないドローン(おもちゃやレース用)の2点に絞って書いていきます。

まずそもそもなんでいきなり無くしてしまうのでしょうか?

原因は至ってシンプルです。

途中で制御不能になってしまうからです。

ここでの制御不能は「操作は受け付けるが、操縦が難しくなってしまうこと」を指します。

いくつかパターンがありますが

・機体の向きがわからなくなり、操作ができなくなる。

・機体のカメラを見ながら操作していたら、どこに行ったかわからなくなる

最後に

・機体の電波が届かなくなり「ノーコントロール」で何もできなくなる。

です。

最後のノーコントロールは操作すら受け付けない状態です。

最悪の状況と呼べるでしょう。

しかし、このどれもが、初心者は陥りがちです。

順に説明します。

機体の向きがわからなくなる

まず、はじめてドローンを操作するときというのは、自転車に初めて乗るときとにています。プロポというコントローラを持ち、操作するわけですが、初めて握るのでどう動かせばどう動くのかわかりません。または、頭でわかっていても、指が動かないものです。

さらに、機体も種類によりますが前後が分かりづらいものです。わかりやすくライトで区別できるものもありますが「緑のライトは前?後ろ?」となるとすでに上記の状態と呼べるでしょう。

この、操作に慣れない上に、見慣れないドローンを操作するというのは想像以上に緊張しますし、なによりパニックになりやすいです。

すると、次のようなことがよく起こります

0,機体を前向きに置いた状態からホバリングする

1,機体をホバリングから回転させてしまう

2,この時点でよくわからなくなっているが、とりあえず操作してみる

3,機体が自分の思った向きと異なる方向に向かう

4,慌てて操作する(パニックになっている)が、機体が離れると余計に向きがわからなくなる

5,目視できない距離に到達するか、障害物に当たって墜落、ロストする

このようなストーリーになります。

幸いなことにこれには特効薬があります。それは

余計な操作はしない

ことです!

これはオートホバリングがある安定したドローンを想定しています。このオートホバリングを使えば、何もしなければ目の前から動きません。そして、まずやることは

落ち着いて向きを確認する

ことです。

余計な操作もせず、オートホバリングで浮いている機体でしたら十分に落ち着いて向きを確認できます。もし、見た目だけで向きがわからなければ、Mode2のコントローラなら右スティックを前に、Mode1なら左スティックを前に倒すことで「機体の頭に対して前進」します。つまり、前に進めば機体は正面を向いていますし、右に進めば右に向いています。

そして最後に

正面に向きを戻しましょう

MODE2もMODE1も左スティックの左右で機体は回転します。そして、正面に向きを戻せば、スティックの動きと機体の動きは一致します。ここまでくれば、まず上のようなストーリーにはなりません。

そしてそれでも遠くに行ってしまって、機体の向きがわからない場合、リターントゥホーム機能(RTH機能)を使いましょう。GPSやオートホバリングがある機体の多くに装備されています。しかし、これは「奥の手」です!

基本は自分の操作で着地地点まで持ってきましょう

RTH機能は便利ですが、いくつか弊害があります。

・ボタンを押せば戻ってくるという安心感があるが、実際に戻ってこない場合もある

・適当な操作でも戻ってくるため、操作の熟練度が上がらない

・機種によるが、障害物があると避けられず衝突する可能性がある

このようなリスクを理解して使うのが原則です。

RTH機能を使わないと戻せない状況は実質的にロストしています

自分がどこを飛んでいて、機体の向きはどちらを向いているか、きちんと把握できる範囲で飛ぶことが重要です。ロストは機体をなくすだけでなく、周辺の人に多大な迷惑を掛ける可能性があります。最悪は機体の落下で死亡事故につながってもおかしくありません。

だからこそ、熟練度の低い最初のフライトは、無理をせず、機体の向きと位置を理解できる範囲で飛ばしましょう。

次に

機体のカメラを見て操作していたらどこにいるかわからなくなった

これはFPV操作とも目視外操作とも呼ばれるものです。

詳細は割愛しますが、これは航空法の上で許可申請が必要な場合がありますので注意してください。

実際にやってみるとわかるのですが、機体のカメラを見ながら上空を飛ぶと気持ちがいいものです。上空に行くほど、どんど人が小さく見えてきます。そう、自分すら見えなくなっていくのです。

これはつまり、

自分の姿のある場所に戻ってくるのが難しい

ことになります。

特に慣れるまで難しいのが、今自分の目線から見える風景と、上空からの風景を理解することです。この2つは一致しないので、同じ場所だけど違う風景になります。

なので、まず最初は

自分の近くの上空を回ってみて、どのように見えるか確認しておく

事が重要です。

そうすれば、方角と操作を理解しながら飛ばせば、戻ってくることができます。あと、目印を見つけておくことも重要です。車や建物で方向を確認することができます。

そして最後です。

上空で何も操作ができなくなった

これは通称「ノーコン」あるいは「ノーコントロール」と呼ばれる状態です。ドローンを飛ばす上で、最悪の状況の一つでしょう。

こうなると為す術がほとんどありません。

いくつかあげます。

・電波が切れているのなら、物理的にドローンに近づく

・プロポのアンテナの向きを変えてみる

・とにかく待機する

どれも得策とは言えませんが、強いて言えば、

ただ待つことが一番生存率が高いかもしれません

その理由は、オートホバリングやRTHがついているドローンであれば、電波が切れた段階で自動的に帰還するシステムが搭載されていることがあるためです。

ただし、この機能がついていない機体はその限りではありません。

最も厳しいのはレース用のドローンで、こうなると何もできません。無事に落下するのを祈るしかありません。

なので、これにはそうならないための対策が一番重要です

機体を遠くまで飛ばさない(目安は1km以上)

極力目視できる範囲で飛ばす(遮蔽物による電波ロスト対策)

小さなトラブルを見逃さないための日頃のメンテナンス

上の2つは特に効果的です。

ただ、この2つは機体が正常に働いていることが条件になります。

なので、地味なのですが、日頃のメンテナンスや小さなトラブルを見逃さないことが重要です。

例えば、

・意図せず落下した直後

・機体構成を変えた

・ファームウェアを焼き変えた

など、変化点があるときは長距離のFPVは避けるべきです。

まずは、きちんと近距離で検証してから運用しましょう。

最後になりましたが、GPSやRTHがなく、オートホバリングもないレース用のドローンのロスト対策です。

一丸には言えないのですが、

レース用のドローンは墜落前提で装備と操作をしましょう

正直な話、墜落せず上達するのは不可能に近いです。

なおかつ、ロストも避けるのは難しいのが現実ですが、いくつかコツがあります。

目視で前方ホバリングができるレベルまではFPVは避けましょう

FPVするときは、広く安全で、遮蔽物が少ない場所を選びましょう

ロストブザーやLEDを取り付けるなど視認性を向上しましょう

夕方など暗い状態で飛ばすのは避けましょう

これらは基本なので、この状態で十分に上達してから色々チャレンジすると良いでしょう。

そして何よりも重要なのは、

墜落していい範囲で飛ばすこと

です!

レース用のドローンは自己責任のものですから、特に周りの目は厳しいです。安全に熟練していきながら、チャレンジしていきましょう!


最後に、

楽しく飛ばすのは大事ですが、

安全に飛ばしましょう

以上です!

皆さんの良いフライトを願います。

Twitter : @blue_shyachi

Facebook : 菊池聡一

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