小田垣論文に基づく今後の対策について

 小田垣孝九州大学名誉教授がコロナ対策について、
➀触率を下げる方法(ロックダウンなど)と、
②離率を上げる方法(検査の拡充など)
を比較する数理モデル分析をした論文を今年の五月にお書きになって発表された。
 それはこちら。
「新型コロナウイルスの蔓延に関する一考察 」
http://www001.upp.so-net.ne.jp/rise/images/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E4%B8%80%E8%80%83%E5%AF%9F.pdf

 これによれば、接触自粛率を上げるより、隔離率を上げたほうが、感染減少率が高いという結論に至った。私の理解では、
検査数を増やして感染者をより多く発見し、隔離数を上げたほうが、外出自粛して人との接触を減らすより効果が高い、
という分析である。こちらはその趣旨を示した論文末尾に載せられている図である。

画像1


 その後、九月になって小田垣教授は、同モデル分析を使って、九月以降の予想を出された。
「新型コロナウイルスの第3波に備える」
 http://www001.upp.so-net.ne.jp/rise/images/Corona3rdwave.pdf

ここでは、
(1)9月当時の接触制限を保った場合と、
(3)接触制限は緩和するけれど隔離を充実した場合は、
  感染者数をよく減らすのに対し、
(2)制限緩和だけを行った場合には、
  大幅に感染者数が急上昇する
という予測が示されている。
 下図は、その予測を示した図。

画像2

 私の見るところ、小田垣先生の予測は、(2)で、現実の変化によく近似していると思える。

 さて、これらの論文をもとに、ツイッター上で さと う @mebaruhirame
さんという方が、具体的な数字を代入して、
『小田垣先生他に怒られるかもしれませんが、
算数でも理解できる、感染抑制メカニズムと検査隔離!!
先生の数式から、
9月の定量実績値ベースでみてみました。』
というツイートをされていました。
https://twitter.com/mebaruhirame/status/1332138055885459456?s=20

中身はこちらのツイート以下のスレッドで。
https://twitter.com/mebaruhirame/status/1332113715714375680?s=20

スレッドですと個人的にはやや読みにくいので、以下、そのスレッドのコピペをしてみました。
勝手ながら自分が読みやすいように改行も入れました。
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最終まとめ 小田垣先生

感染者数増減率決定量λは、SIR モデルで、
感染係数-検査隔離率-治癒率
で決められる。
λ=β − q − γ
①第一派二派の感染者グラフからフィッティングし、精緻化
②例えば9月以下の値でマイナスなので、減少
λ=0.03-0.03-0.04=△0.04

画像8

9月はマイナスなので感染者減少
△0.04で9月程度の減少スピード(下図)

β感染係数βは、最大の変化因子
人流、接触により変化

q検査隔離率は、検査に比例
9月はほぼ19000件で推移。
つまり、19000件の時、0.03。
           検査倍増なら、0.06

γは感染者治癒率でほぼ一定=0.04

以上基礎情報

画像4

画像5

感染者数増減率決定量λは、
感染係数-検査隔離率-治癒率
λ=β − q − γ

もし今のように
接触頻度が 3 培ならHeavy plus sign化して感染増加
λ=0.03✖3-0.03-0.04=+0.02

そこで、
検査3.3 倍にすればHeavy minus sign化で減少
λ=0.09-0.03✖3-0.04=△0.05

この値は、9月の△0.04に近く、9月のスピードで減少。

9月並みに下げるためには、
検査数が9月の3.3倍必要ということは、
627000件の検査必要。

11月下旬で35000件/日なので、8割増加必要!!

因みに、増加停止検査必要数は、
0.03✖3-0.03x-0.04=0
X=1.7となり、9月の1.7倍の検査。323000件!

つまり、ほぼ出来てる??

ところが、9月に比べ、3倍の接触増加率βとしたが、 冬の寒さなので、
5倍或いはそれ以上見積もる必要があるのではないか??
9月のβ0.035  8月のmax0.14
倍率4倍も!!

t120と140のβ比較すると4倍も

画像6

9月の4倍の感染者数増減率決定量βなら、
λ=β − q − γから、

減少するためには
λ=0.03✕4-0.03x-0.04=△0.04
から、x=4
9月19000件検査なので、
76000件の検査必要。今の35000の倍!!

λ=0.03✕4−0.03x−0.04=0
x=2.7 倍
51000件の検査
まだ増やす必要あり!!

小田垣先生の結論は、
大幅な制限緩和と同時に、PCR 検査体制を充実して隔離率を 3.3 倍にし
た場合:(β~0.09, 𝑞𝑞~0.1)。
明らかに (3) の場合の対策により、感染を収束に向へ!

画像7

以上、
『感染係数の増加』に対し、検査の増加で対応可能。

感染係数βの予測が、二次派の『夏と同じで良い』が論点か?
(9月の4倍程度?)

『冬因子、現在の増加曲線』を考慮した感染係数の予測が必要かもしれない。

そして、感染係数βの低下
旅行、飲み会
検査隔離率qの増加

画像8


さて、一枚の画面に載せたら読みやすくなりました。
誰も読まないでしょうが、自分が読みやすくなったので、良しとします。
ちなみに、検査数が増えれば陽性率は下がるので、検査数と隔離率とは単純に比例しませんけど、まあ、それは細かいことなのでいいでしょう。


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