アーティスティックスイミング日本選手権

いつのまにかスポーツからはとっても遠くなってしまっていました。

友達がアーティスティックスイミングの全日本選手権へ出るからと、東京まで応援へ。(自分の中でやんわりオフって意味も込めて2泊3日)
3日間トップレベルの大会を一部始終見ました。

アーティスティックスイミングはいわゆる昔のシンクロと呼ばれる競技で、一糸乱れぬ群泳と身体の曲線美や技の美しさなどなどが評価されるスポーツです。
こんなにまじまじと見たのは初めてで、まだまだ知らないスポーツがたくさんあるなぁと。

自分も、これまでずっとスポーツに慣れ親しんできて。
今は変わったけれど、トレーナーになるという夢があった私のことだから、スポーツがもっと近いものだという認識があったんだと思います。

日々のトレーニング、チームビルディング、極めたい気持ち、だるい気持ち。
緊張、焦り。
食事、睡眠。。。

どれも自分が経験してきたからこそ、自分も「この感覚わかります」みたいな自負がありました。それがある種自分のアイデンティティを確立している部分もあって、やっぱり脳みそは体育会系です。
スポーツをしていた私、部活をしていた私、しっかり頑張った私、がんばれなかった私。スポーツでの経験が今の自分という人間を形成しています。

でも3年スポーツから離れてみて。
トップの人の演技を見て。
しかもそれが普段からの友達で。

もう完全に違う畑なんだと自覚しました。

上に行くにつれて、極めるスポーツはどんどん入り口が狭くなっていき、一握りのアスリートがたどり着けるものになっていきます。
3日間会場でみていて、「この場所が、神聖なものだ」というある種の感覚を覚えたほど、スポーツがまったく自分から遠い存在であることを自覚しました。

1つのものにこだわり続けて、プロフェッショナルである様。
めちゃくちゃかっこいい。
できれば自分もそんな領域でスポーツをやってみたいと10年も前は思っていたからこそ。あの時大人たちが言っていた「懐かしいな」がわかる自分になりました。なってしまった。

でもものすごくポジティブなんです。
自分がやっていた時よりも、スポーツは人を元気にするチカラがあるとほんとに感じます。
お客さんの応援とアスリートのパフォーマンス、双方のエネルギーが交換されて増幅されて場が創られていく素晴らしさをほんとに感じます。

小学校3年生のときの東日本大震災の後しばらく「スポーツでニッポンを元気に」という類の訴えかけを多く見ました。
「スポーツをするだけでニッポンが元気になるかよ。」なんて思っていました。でも今の感覚でスポーツをみるとほんとに「スポーツが素晴らしい」って思います。

当事者意識から外れることによって、より客観的に物事を見ることができたんですね。
今度は逆に、「このスポーツを広めるためにはどうすればいいだろう」なんてことも浮かんできました。
スポーツをする、のではなく、支える。
こんな視点からスポーツを見ようとしている自分がいることがとっても嬉しい。

イベントの仕事をするようになって、こういった大会にも多くのスポンサーや運営、リソースが割かれている実情も知りました。おそらく企画概要書があって、進行台本があって、ゲストのキャスティングもあるのでしょう。1つのイベントごとにはたくさんの人がそれぞれの思いで関わっています。そんな思いを一身に受けて、パフォーマンスにこだわるアスリート。

終わった後のインタビューで多くのアスリートが口にする、「みなさんのおかげで」。
今日もこれを聞いたとき、とってもあたたかい気持ちになりました。

やっぱりスポーツが好きだ。
競技者としてのスポーツは確実に遠くなったけれど、また自分なりのアプローチでスポーツに近い位置で生きていけたら、幸せだなと思います。

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