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倒され、のこぎりで切られた木

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【詩】
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2024年5月の記事一覧

【詩】たとえば、北国の蝶

さみどり色のしずくに濡れる五月は暮れなずみ 樹々は今日を終える人々のその後ろ 誰からも気に留められることはないけれど その木蔭は少しはずかしい 呼ばれても他の少年みたいにほがらかに 振り向けなかったぼくがいる 銀色の鍵を取りだして今日のぼくを仕舞う前 小さな夜空遠くの星の名を諳んじる どこかの星でも雨が上がって星を仰いでいる あの光はよく澄んで痛いほど もう何処にいるとも知れないきみが 持ち去った開かない小箱 きみよ、きみ きみは本当にいたのかな ぼくの中の花吹雪だとか