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倒され、のこぎりで切られた木

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【詩】
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2023年10月の記事一覧

【詩】知っていることを書きつづけよう、知らないあなたのために

ぼくが知っているのは 風化の流砂にさそわれた一対の喉仏 ぼくが知っているのは なにも開けられない鍵の冷ややかな稜線 ぼくが知っているのは 明日ここを立ち去っていく あなたという肉体の重量 あなたのそのか黒き先端は 今はもう あなたではなくなった或る男 過去にしか存在しない所作が  生きたいあなたを末端から蝕む壊疽となる すでに不要となったその男を あなたは 襤褸となった肌着できつく縛り  切り落とせと  ぼくに命じる ぼくが怯えるのは 肉体上の痛苦と醜悪 腐肉 血みどろ