Bordeaux 

ボルドーの土地やなんとなくの特徴が知りたい・・・
フィラディスワインクラブがわかりやすいのでそのまんま切り抜かせていただきます。

ボルドー(Bordeaux)という言葉は「水のほとり」を意味する古語に由来するそうです。 その名の通りゆったりと大河が流れ大西洋に注ぎ込むフランス南西部の港町です。

ボルドーは世界で最も高名で偉大なワイン産地の一つ。 ボルドーという言葉から、すぐに色の濃い赤ワインや立派なシャトーの建造物を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。 古くからワインの産地ですが、海に面していたこと、山脈に取り囲まれフランス国内へのアクセスが良くなかったことから、 主にワインをイギリスに輸出することで栄えました。

ボルドーという言葉に、格式張って近寄りがたいイメージを持っている方も、居るかもしれません。 格付けとか、5大シャトーという言葉を聞いたことのある方も多いかと思います。 一本数万円~数十万円もするボルドー格付けシャトーのワインは常に注目を集め、その価格は年々上がり続けています。 もはや庶民には手の届かない存在になりつつありますが、そんなスター・ワインの存在がボルドーへの憧れを産み、 ボルドー・ワインについて語り合う事を、より楽しくさせているのも事実しょう。

一方バリュー・ボルドーと呼ばれる普段の食卓で十分楽しめるワインも、実は沢山造られています。安いものでは1本千円を下回るものも。

ただ、やはりしっかりと飲みごたえがあり、「流石ボルドー」と思わせてくれるワインとなると、大体予算的には1,000円~2,000円台くらいからではないでしょうか。

品種について
ボルドーは赤、白、ロゼ、スパークリングと幅広くワインが生産されていますが、 やはり代表的なのは赤ワインですが、辛口の白ワインも沢山造られています。 そして実は、甘口の「貴腐ワイン」も世界的に有名なので押さえておきましょう。 どのタイプのワインも、複数の品種をブレンド(アッサンブラージュ)して味わいのバランスを取るのがボルドー・ワインの造り方です。

ブレンドについて
アッサンブラージュボルドー・ワインは基本的に複数の品種をブレンドして作ります。 それぞれの品種の良いところをうまく引き出し、理想の味わいに組み立てていくこの工程を、アッサンブラージュと呼びます。
カベルネ・ソーヴィニヨンの骨格の力強さにメルローのふくよかさを足し、アクセントとしてカベルネ・フランやプティ・ヴェルドといった補助品種を加える・・・というイメージです。 その時の各品種の収穫量や品質によって、毎年ブレンド比率は調整されます。例えばカベルネ・ソーヴィニヨンがあまり収穫できなかった年は、 メルローの割合が増えるなど、各品種はそれぞれに収穫のタイミングが違いますので、ブレンド方式をとることで天候リスクを低減する意味合いもあるのですね。

各地区とその特徴
ワインと言う飲み物は、その香りや味わいに産地の個性を反映しやすいのが特徴です。 つまり産地ごとの特徴をある程度知っておけば、好みの味わいのワインに辿り着く可能性が上がります。 ワインを知るという事は、産地の個性を知ることでもあるのです。 まずはボルドーをザックリとした区分けして、それぞれの特徴を見ていきましょう。


ボルドーのワイン産地を大別すると、一般的に左岸(さがん)と右岸(うがん)に分かれます。 川の流れる方向に向かい、左側と右側ですね。(川は地図上、右から左に流れています)

まず超ザックリと、このように覚えましょう。
・左岸の赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨン主体のがっしりタイプ。
・右岸の赤ワインはメルロー主体のまろやかタイプ。

まず左岸には有名な「シャトー・ラフィット」「シャトー・マルゴー」など、格付けシャトーがひしめき合うように存在する、メドック地区があります。 ボルドー赤ワインの「本場」ともいえる高級ワインの産地です。カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が比較的高めで、酸味とタンニンのしっかりとした力強い赤ワインのを産出します。

地図、中央下に黄色く区切った場所が甘口白ワインの名産地、ソーテルヌです。 朝霧が立ち込める地理的な特徴を生かして、素晴らしい貴腐ワインを作っています。 ブドウに貴腐菌が付着することで成分が凝縮された、限られた気候条件の元でしか作ることが出来ない、貴重な甘口ワインです。

観光地としても名高いサンテミリオン



右岸には美しい街並みで世界遺産にもなっているサンテミリオンがあります。ブドウ畑に取り囲まれるように存在する美しいですが、メルローが多く栽培されています。

サンテミリオンの北東にあるエリアはポムロール。ご覧の通り小さなエリアで収穫量も多くないですが、 大変質の良いメルローが育つ土地で、ボルドーでも最高レベルの高級ワインが算出される土地です。 「ペトリュス」や「ルパン」は一生に一度でも飲んでみたい、ワイン好きの憧れですね。

2つの川に挟まれるように位置している水色で示したアントゥル・ドゥ・メーヌ地区。 ソーヴィニヨン・ブランを主体とした、コストパフォーマンスに優れた辛口白ワインが多く生産されています。

地図に3か所ほどグレーで示した場所はコート地区と呼ばれており、名産地の周辺に位置するエリア。 主にバリュー・ボルドーの産地となっています。 安めのボルドー赤ワインは大体この辺りのブドウになってくることが多いです。生産者の力量によって、美味しかったり、ちょっと水っぽかったり、様々です。

ラベルの読み方
さて、地域ごとの味わいの違いはざっくりと掴めたでしょうか。次は、ラベルの読み方です。

日本に入ってくるボルドー・ワインにはラベルに原産地表記があります。 Appellation(アペラシオン)で始まる一文がそれにあたります。


Appellation(アペラシオン)なんとか Controlee(コントローレ) AppellationとControleeに挟まれた「なんとか」の部分がそのワインの産地です。代表的なものを記すと・・・

①Appellation Bordeaux Controlee
→ボルドー全域が産地
②Appellation Haut-Medoc Controlee
→ボルドー>メドック地区が産地
③Appellation Pauillac Controlee
→ボルドー>メドック地区>ポイヤック村が産地
④Appellation Saint-Emillion Controlee
→ボルドー>サンテミリオン地区が産地
原産地表記は区分けが細かいほど格上になります。 (上記の表記では村名が入っている③が格上ですね)

メドックで優れたワインを算出する村は以下の6つ。是非覚えてみて下さい。

Saint-Estephe(サン・テステフ)
Pauillac(ポイヤック)
Saint-Julien (サン・ジュリアン)
Listrac(リストラック)
Moulis(ムーリ)
Margaux(マルゴー)
価格はやや高め。安いものでも酒屋さんで3,000円台くらいにはなるでしょうか。

ベルフォンテーヌ ボルドー サン・テステフ 2010年
ベルフォンテーヌ ボルドー サン・テステフ 2010年

ヴィンテージについて
ヴィンテージはブドウの収穫年を意味します。 先ほど掲載したラベル写真にも2014と記載されていました。 ラベルの分かりやすい場所に記載されています。

ブドウは農作物ですので、毎年の気候によっては、
「メルロは良いけど、カベルネはダメだった・・・」
「沢山取れたけど、収穫期に雨が降ってしまって」
「春先に霜にやられて収量が落ちたけれど、品質は良い」
など、様々な状態が起こりえます。

収穫期の雨
収穫期に雨が降りすぎるとワインは力強さを失う



温暖化の影響でボルドーの平均気温は上昇しており、近年は酷暑が続き、 ブドウは熟しやすくなったものの、ゲリラ豪雨のような雨が降ったり、雹が降ったりとやや不安定になっているようです。 とはいえ、醸造技術の高まりで以前ほど「この年は全然ダメ」ということは減って来ています。

どの年が良い年なのか、難しい年なのか、産地ごとにヴィンテージ・チャートというものが公開されていますので、 ワインを選ぶ時の基準の一つにもなります。

フィラディスワインクラブ

ひとまず土地感がなんとなくわかった。ありがとうございます。






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