米国は 2020 年も、世界第 1 位のワイン消費国として地位を維持した。COVID-19 の世界的な感染拡大にもかかわらず、3300 万 hl という消費量は 2019 年とほぼ変わらない。この要因の可能性として、米国のとった人流抑制の措置がそれほど厳しくなかったこと、同国市場でのネット販売が発達している」ことが考えられる。
中国に関しては、2020 年のワイン消費量は 1240 万 hl と推定され、2019 年比で 17.3%の減少。昨年第 1 四半期に中国がとった厳格な封鎖措置が間違いなくこの原因と考えられる。しかしながら、中国のワイン消費量が大幅に減少するのは3年連続してのことであり、今世紀初めから記録されてきた中国での急激なワイン消費の伸びは終わりを迎えたとみるべきである。日本はアジアにおける第 2 位のワイン消費大国で、6 年連続で 350 万 hl の安定した消費レベルを維持している。
南アメリカでは、2020 年の全般的なワインの消費量は 2019 年と比較して増加し、アルゼンチンは 940 万 hl(+5.6%),ブラジルは 430 万 hl(+18.4%)、チリは 180 万 hl(+4.1%)。
南アフリカの消費量の減少が顕著で(-19.4%)、310 万 hl の減少は、過去 20 年間で最大である。この大幅な減少は、COVID-19 危機によるものであり、南アフリカでは外出制限措置がとられていた 14 週間の間、オンラインを含めてアルコールの販売が禁止されていた。
最後に、オーストラリアの消費量は 570 万 hl と推定され、2019 年と比較して 3.4%減少した。