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【RX 松尾】 2019.11.03 山中湖サイクリングクラシック

ツール・ド・おきなわの1週間前のレース。コンディションを仕上げるうえで参加しない手はない。

10月に入り、例年のごとくロング練習を行おうと予定をしていた。しかし、前半は脚の怪我でほとんど乗れず、中盤は台風と雨の影響で荒川が水没し、予定していた質のトレーニングを完遂できず。おまけに、後半は熱を伴う風が酷く、寝込む日々が続いてしまう。今現在も時折、喘息のような咳がとまらずなかなかに苦しい。

だが、8月からおきなわへ向けた調整を続けていたため、出力はある。まえばしクリテリウムE1でも終始先頭でレースを展開し、6位とまずまずのリザルトを残すことができた。今季は参戦数が少なかったものの、レース勘も鈍ってはないだろう。

山中湖サイクリングクラシックにおける目標は完走すること。いささか低い目標であるが、愛三工業レーシングや那須ブラーゼン、他強豪選手ら参戦するうえ、レース展開のキーとなる上りが自分にとって厳しいものであることが理由だ。95kmと距離が長いことから、レースに残れさえすれば質と強度の高いトレーニングが可能となる。無駄なアタックで脚を使い、レース序盤から足切りされるのが最悪のパターンだ。チームメートは高岡さんやまこっちさん、永瀬さん、佐藤さんも参加するので、スマートにレースを展開したい。

レースは6.5kmの周回を、ニュートラル1周含む15周で行われた。試走ができなかったものの、1周目のニュートラルラップでコースを確かめる。鬼門の上りに差し掛かると「お、そんなにきつくないじゃん」と思ったのもつかの間、頂上にかけて勾配がきつくなり冷や汗をかく。位置取り争いをしながら下りを終えると、あっという間にスタートラインへと戻りレースの火ぶたが切られた。

スタートが切られる瞬間には集団最前列の位置取りに成功。後ろには高岡さんがいることを確認できている。上りに差し掛かると、勢いよく数人の選手がアタックをかける。「95kmあるし見送ってくれないかな」と一瞬期待したが、メイングループも一斉にスピードアップ。縦に集団が伸び始めるなか、高岡さんが一瞬踏み遅れて間が空いてしまったので、前に入って少しの間だけフォローする。この時点で脚がいっぱいいっぱいに。勾配が上がるまでの区間はついていけたものの、重力に逆らえずにずるずる後退していく。1周目から千切れるとは何とも情けない...。

メンタルにパンチが効いたダメージを受けるも、今回の目標を思い出す。とにかくできる限り長い間レースに残ることが重要だ。一人、また一人と遅れた選手同士が合流し、グルペット集団を形成。上りは上げすぎず、下りと平地をしっかりと踏む基本を大切に、周回を重ね続けた。

途中、まこっちさんと合流。グルペットであれ、チームメートが同じ集団内にいると心強い。今回、改めて気づいたこととして、「Venge」は速い。緩斜面の下りとコーナーでは圧倒的にほかの選手よりも脚を使わず、1段階速いスピードで駆け抜けることができる。全く無理をしていないのに安定感も抜群である。同一集団にもう一人Vengeに乗っている選手がいたが、彼も下りと平地が速かった。おきなわでもアドバンテージになることは間違いなさそうだ。

レースが後半に入り、残り3周を残すのみなったところ、トップ集団に追いつかれ抜かれる。この辺りからグルペット内で集中力が低下し、ペースがバラつきが生まれてくる。特にもう順位を争っているわけではないが、ペースの上げ下げは必要以上に疲れるし、いい気分ではない。ペース乱れの原因となる選手は切りつつ、フィニッシュラインを目指す。最終周回の上り、まこっちさんがカテゴリー上位を狙ってペースを上げたのでそれについていく。脚が悲鳴を上げたが、同時に満足感も味わった。この疲労度のなか、強度をかけた質の高い走りはレース以外で得られることはない。

最終的には5人程でゴールへとやってきて、タイミングも合わないし、パワーも出ないしょぼしょぼスプリントを披露して28位でフィニッシュとなった。トップからマイナス1周となったが、足切りされない目標は達成した。間違いなくコンディションは上がるはずなので、おきなわでの走りを期待しながら残す日数を調整に充てていきたい。

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