自己の修養

先日、私の父が剣道六段の段位をとる事ができました。

父は、72歳です。三年半かかり、七回 チャレンジし
やっと合格する事ができました。


私が まだ実家に住んでいた頃、父が毎朝、庭で素振りの練習をしていた事を覚えています。

普通のサラリーマンの職につきながらも、毎週末、1人で 稽古の為に 道場へ通ってました。
趣味の延長かと思っていましたが、定年後はさらに集中して、稽古に励んでいたようです。



剣道は、スポーツ競技というより、
“精神の修養” 自己の心身の練磨だと思います。

相手のあるスポーツ競技を観ていると、
いかに自分の力を見せるか、いかに先手先手で抑え込むか、いかに相手を負かすか、
というような、勢いや闘争心を感じますが、

剣道はそういう物腰では、けして相手には勝てず、段位などとれる事もないそうです。

相手を尊重し 、 よくみて 呼吸を合わせる。
相手の心の動いたところ、その瞬間の “隙” を 打つ。

そのような事も、わからず若さや、体力や、勢いで 、一撃 面など 決めようともそれは全く意味がなく、無駄打ちというそうです。

相手の呼吸を読む相手への 気持ちを重んじる…難しい事ですが、
そのような “勝ち方” が、できるその姿勢・精神こそが、剣道の道なのかもしれません。

右手の茶色の胴が父。

『打って反省、打たれて感謝。』

という言葉が剣道にあります。

相手に、感謝の気持ちをもち、打った時には今の自分は、
正しい心で 無駄なく打てただろうかと、我を返りみて反省し、

打たれた時には、己の隙を教えて頂いたことに、感謝する。
常に相手から学ぶ姿勢でいる。
この謙虚さは、日常生活全てにも通じる精神だと思います。

私の倍以上の年齢の時に、習得、向上を
感じられる事があるというのは素晴らしい事だと思います。

歳をとっていくごとに
自分の子供の成長が、楽しみになったり
孫が楽しみになったりと、他者からの、楽しみや喜びが
メインになってしまいがちですが、

自己から発信できる喜びを、常に持っていると云うのは、
とても大事だとおもいました。

また、いくつになっても合格などの成功体験、が
いちばん 脳や、やる気を活性化するんじゃないかとも思います。
70歳を 超えてもなお自己の精神の鍛錬に勤しむ姿は尊敬します。
いつまでも、元気に、その精神を孫へ伝授してください。

今回は、今までと何が違ったのか?と問いたところ、

『今日は、お弁当持って行くのを、 忘れてしまったんだ。
会場にも売店が無くて、空腹で やったんだよなぁ。』

空腹が、無心の境地をつくったようです。。。

☆写真は去年の昇段試験の時のもの。

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