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【和え物♡】

日本の食卓に良く出てくる「和え物」。

季節折々の旬な食材を上手に組み合わせて、見た目も美しく、旬な味を頂く家庭料理だ。主役と言うよりは、小鉢に上品に盛られて、副菜として食卓を彩る。

私たちは、複数の食材を「混ぜる」のではなく、「和える」と言う。何となく、子どもの頃から使っている馴染みのある言葉だが、なぜ、「和える」と言うのか、あまり深く考えたことはなかった。

そう、深く考えたことはないが…「混ぜ物」と言うと、全く違ったお料理になってしまうような感覚はある。

「混ぜる」と「和える」の意味の違いを改めて聞いてみると、和食の奥深さや、私たちの味覚の繊細さが窺える。

「混ぜる」とは、例えば、青と黄色を緑になるまで混ぜるように、別々のものを合わせて全く別のものを生み出すこと。

「和える」とは、それぞれの個性を活かし調和が取れる極限の状態まで神魂す(かもす)ことで、新しいものを生み出すこと。

と言うことは、「和え物」は、私たち日本人が大切にしている価値観や世界観そのものを表したお料理とも言える。

昨日のブログに書いた、日本人の世界観である、同心円の「全体から個別へ」の発想は、個に制限を加えて全体に合わせるのではなく、

個々を活かして全体の調和を図るという意味であることが、この「和える」という言葉からも想像できる。

そうだ、今日あった職場の厄介な人間関係も「和える」ことで、新しいものが生み出せるかもしれないなぁと帰りの電車の中で考えてみた。はてさて、どんな味付けになるのかお楽しみ。(笑)

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