【声の記憶♡】
子どもの頃、テレビの番組で日曜日の夜6時半といえば、「サザエさん」が定番だった。丁度お夕飯の時間で、テレビ好きの父のおかげで、食事の時間はダメとも言われず、お夕食を食べながら、家族みんなで観ていた。飽きずに毎週よく観ていたなぁ。で、『サザエさん症候群』と言われるように、日曜の夜、サザエさんが始まると、「日曜日が終わっちゃう。明日からまた学校が始まるなぁ。」と少し暗い氣持ちになっていたことをよく覚えている。
さて、サザエさんをいつ頃から観なくなったのか…
社会人になって勤めるようになっても、たまにタイミングの合うときには観ることもあった。
自分が大人になっても、サザエさん一家の皆さんは、昔と同じ年齢設定。タラちゃんは永遠の3歳で、そこだけ時が止まったように、子どもの頃に観ていたのと同様、平和で穏やかな日本の家族の日常生活が繰り広げられる。
そして、今日、十数年以上振り(多分)に「サザエさん」を観る機会があった。家の近くの日帰り温泉浴場のサウナの中のテレビで、たまたま「サザエさん」をやっていた。相変わらず、サザエさん一家は年齢を重ねることなく、昔のままの面々だった。わぁ、懐かしい!と思った次の瞬間、何とも言えず違和感を覚える。そう、声が違うだのだ!!サザエさん以外、みんな声が違う。波平さんも、フネさんも、カツオも、ワカメちゃんも、タラちゃんも。サザエさん一家は歳を取らなくても、声優さんたちは歳を取るから、代がわりするのは仕方ないことだ。が、子どもの頃の記憶とは違う、声変わりしたサザエさん一家は、残念ながら別モノに感じられた。
少し氣になって、声優さんのことを調べてみたら、最近では、タラちゃんの声を放送開始から54年間やっていらした声優さんが、今年の2月に亡くなっていた。享年87歳。87歳の女性が、永遠の3歳タラちゃんをずっと演じてきたと思うと、プロのお仕事は素晴らしいと思う。
最後のセリフは「パパはいつも遊んでくれるですよ。」だったそうだ。
声って、人の記憶の中で生き続けるものだなぁと、声変わりしたサザエさん一家を目撃して、改めて思った次第だ。
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