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【芸術から学ぶ人生論②♡】

武田邦彦先生のオンラインサロン「幸せ砂時計」のライブ配信の日、本日のテーマは、トルストイの短編小説「人はなんで生きるか」を読んで、幸せな人生とは何かを深く読み解くと言うもの。2ヶ月前に課題図書として与えられ、それぞれがじっくり何回も読んで味わうように言われていた。一回読んで、あらすじを追って終わるのではなく、何回も読んで心で感じることが大切ですよと。

目標の10回は読めなかったが、3、4回は読んでみた。複数回読んでみると、「あっ。」と心に引っ掛かる所が増えていき、毎回新しい発見がある。トルストイによる、とても繊細な「仕込み」がある事が分かる。それは、登場人物の目の光や表情であったり、さりげない仕草であったり、やり取りされる会話の中の一言であったり…あれ、こんなことも書いてある。そうか、そう言うことだったのか、と細かい点と点が、点描画のように広がっていき、陰影が見事に描かれた、生き生きとした大きな絵画となっていく。その細かい点描の一つ一つが、読み手の心の襞の奥に入り込んで、わずかに揺らし、それが連なって大きな振動となり、読み進めて行くうちに、いろんな感情に揺さぶられる。

遠い国ロシアの作家が書いた物語ではあるが、日本人には馴染みのないイエス・キリストの教えの影響を受けた作品ではあるが、なぜか心の深いところが共鳴する。

①神が人間に与えたものは何か
②神が人間に与えなかったものは何か
③人はなんで生きるのか

この3つの課題が、貧しい靴屋の夫婦と天使との結びつきの中で差し示される。

詳細は、短編なのでぜひ本文を読んでみてほしい。

物語のタイトルになっている、3つ目の言葉
『人はなんで生きるか』は、

「なぜ生きるか」ではなく、

「何によって生かされるか」と言う意味となる。

「今こそわたしは、ひとが自分で自分のことを考える心づかいによって生きているように思うのは、それはただ人間がそう思うだけにすぎなくて、じっさいはただ、愛の力だけによって生きているのだということが、わかりました。愛によって生きるものは、神さまの中に生きているもので、つまり神さまは、そのひとの中にいらっしゃるのです。なぜなら、神さまは愛なのですから」

そう言って、最後に神さまの3つの言葉を知った天使は、再び翼がはえて、天へ昇っていく。

武田先生曰く、
私たち人間には、理性と感情があるから、「人生とは、愛とは、こういうものだ」というような哲学的な説明だけでは、本当にそういうものだと理解できない。人間には心があるので、心が動いて、感じ取ってはじめて深いところで理解することができる。だから、心を揺さぶるような純文学や音楽に触れることがとても大切で、芸術によって、私たちの心は耕され、人生とは何か、幸せとは何かを深く学ぶ土壌ができるというわけだ。

次の『芸術から学ぶ人生論』の課題は、音楽で、3曲のお琴の曲が与えられた。

さて、どんな学びになるのか…全く想像出来ないが、とても楽しみだ。

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