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フリー編集者・元塚B

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塚Bの中央公論新社時代、そしてフリー編集者の元塚Bの記事です。
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#編集

消えた退職金問題

こんにちは。フリー編集の元塚Bです。 16年勤めた出版社を退職してフリーランスとなり、あっという間に1年が経過しました。 今回は、そんな私が抱える金銭問題を赤裸々に書きたく思います。 何とかなるさ 会社を辞める時、次の仕事は決まっていませんでした。 フリーになっても、編集の仕事はなんとか続けられるだろう。 そうして食いつなぎながら、元々やりたかった絵の道に再チャレンジしよう。 そんな、漠然とした志(?)だけがありました。 収入が不安定になることは、もちろん覚悟のうえ。 し

多額の借金苦から夜逃げした父子が、小説家として成り上がる!

こんにちは、フリー編集者の元塚Bです。 以前このnoteでもご紹介した作家の矢月秀作氏。 その半生は、父親の事業失敗にともなう多額の借金、夜逃げ、ヤクザに追われる日々……と実に波乱万丈でした。 今回はそんな矢月氏に、作家を志すようになるまでの、若き日々を語ってもらいました。 元公安の父 作家・矢月秀作は1964年、兵庫に生まれます。 当時、矢月一家は警察の官舎で暮らしていました。 父は公安のデカとして危険な任務に就いており、幼い矢月氏は父が家にいた記憶はほとんどなかったと

紙媒体を愛する気持ちは変わらない。若き編集者による、これからのシュッパン。

こんにちは、元塚Bです。 気づけば私も40代。 しかし、まるで日本の超高齢社会を象徴するかのように、周囲は、編集者も読者も、私より年上ばかり。 「若い人の意見が聞きたい!」 そんな渇望感から、フリーの編集者として活躍している、あかしゆかさんにお話を伺いました。 出版社に憧れて あかしさんは1992年生まれ、現在29歳の(もはや業界内では奇特な)若き編集者です。 出版業界との最初の接点は、大学時代。 たまたま通った本屋の貼り紙を見て、アルバイトを始めたことが入口となります。

ふんどし編集者

女性誌の編集部と言うと、華やかな世界をイメージするかもしれない。 しかし、決してそんなことはない。 時には、ふんどし一丁で峻厳な峡谷を行かねばならない、過酷な世界である。 今回は、私が『婦人公論』編集部に在籍していた時のエピソードをご紹介します。 『婦人公論』での体当たりルポ『婦人公論』は大正5(1916)年に創刊した、なんと100年以上もの歴史を持つ女性誌である。 そんな『婦人公論』2017年9月12日号の特集は「あなたの悩みグセ、直せます」。 その特集内で、悩みを一

難民少年(のおしっこ)をすくう

こんにちは。塚Bです。 前回に引き続き、『婦人公論』時代の忘れらない取材について書きたいと思います。 (ちなみに、前回の記事はこちら) アフリカから来た難民一家それは『婦人公論』2017年8月22日号に掲載した「ルポ日本の難民」という企画で、アフリカ某国から日本へ逃れてきた女性への取材でした。 紹介して下さった認定NPO法人「難民支援協会(JAR)」さんから聞いた事前情報によると、小さなお子さんが2人いるので取材時に連れてくるとのこと。 ちょうど私の娘と同世代の子たちのよう