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フリー編集者・元塚B

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塚Bの中央公論新社時代、そしてフリー編集者の元塚Bの記事です。
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#もぐら

夜逃げ、パニック障害、仕事ゼロ……どん底の作家が売れっ子として復活するまで

こんにちは、フリー編集の元塚Bです。 現在、累計120万部突破のハード・バイオレンスシリーズの最新刊『もぐら新章 昴星(ぼうせい)』が発売中の矢月秀作(やづき・しゅうさく)氏。 今回は、そんな矢月氏が売れっ子作家となるまでの波乱の日々をご紹介します。 (前回はこちら) 編集者時代から作家デビューまで 父親の事業の失敗から、東京のボロアパートへと逃げ込んだ矢月一家。 何の保証もないどん底の暮らしのなか、家族4人のうち最も若く、まだ10代だった矢月氏の妹は書店でアルバイトを始

多額の借金苦から夜逃げした父子が、小説家として成り上がる!

こんにちは、フリー編集者の元塚Bです。 以前このnoteでもご紹介した作家の矢月秀作氏。 その半生は、父親の事業失敗にともなう多額の借金、夜逃げ、ヤクザに追われる日々……と実に波乱万丈でした。 今回はそんな矢月氏に、作家を志すようになるまでの、若き日々を語ってもらいました。 元公安の父 作家・矢月秀作は1964年、兵庫に生まれます。 当時、矢月一家は警察の官舎で暮らしていました。 父は公安のデカとして危険な任務に就いており、幼い矢月氏は父が家にいた記憶はほとんどなかったと

絶版本がミリオンセラーに⁉

今回は、「絶版」になったにもかかわらず、その後奇跡の復活を果たし、ミリオンセラーになった小説をご紹介したいと思います。 絶版になった「もぐら」シリーズ矢月秀作(やづき・しゅうさく)著『もぐら』。 初版は1998年。 今はなき中央公論社(現・中央公論「新」社)より新書サイズで発売されました。 主人公・影野竜司(かげの・りゅうじ)が活躍する、バイオレンス・アクションものです。 2001年までに全6巻が刊行されましたが、「全く注目されることなく絶版」(当時の担当者談)となって