半導体ってなんですか2【エネルギーバンド】
コンチは。
そもそも僕は、半導体のことを一つの独立したジャンルのようなイメージを持っていました。それゆえに、半導体は、難しい物理の計算と金属の深い知識が必要なのだと勝手に敬遠していたのです。
今回半導体を改めて勉強するにあたり、調べていると、「いや、半導体やん。」という感想を持ちました。
どういうことかと言うと、「半」「導体」と、名前がまんま説明になっているんですよね。
先に結論から申しますと、半導体とは、導体と絶縁体の中間の性質を持つ金属です。ゆえに半導体です。
そこで、何が「半」なのか、考えていくことにしましょう。
まず絶縁体です。
絶縁体は電気を通しません。ガラスとか紙とかテフロンとかです。あとルフィもです。あいつは絶縁体です。不導体ともいいます。
次に導体です。電気をよく通します。熱もよく伝えます。金属です。銅とかアルミニウムとかです。
半導体は、その間です。
つまり、少しだけ電気を通します。
この電気の通し方が、少し直感と離れていて、かつ目に見えないものなので、わかりづらいです。その辺は、電気ってそういうもんなんだな、と飲み込むしかありません。
物理学は、ニュートンの運動方程式やマクスウェルの電磁気学などの、いわゆる「古典物理学」から始まりました。しかし、例えば半導体と絶縁体の低効率の違いなどの、実験的結果を前にして古典物理学の法則を基にした電子論では説明できなくなることが明らかになってきました。そこで登場したのが量子綱物理学だとか、統計物理学です。電子における粒子と波の二重性は有名ですよね。
半導体の電子モデル
金属は、結晶の集まりで、結晶は規則正しく周期的に配列しています。金属に電流が流れると、電子が結晶の中を移動します。結晶が持つ原子の周期性と、その中で運動する電子の波との相互作用をモデル化したのが、「エネルギー・バンド構造」です。
エネルギー・バンド構造
原子には、それぞれ一つ一つ独立したエネルギー状態が存在します。イメージ的には、地面、10m、50mの高さにハシゴのかかっていない足場が浮いていて、人間(電子)が高いところ(エネルギーが高いところ)に行くためには、ジャンプして行くしかありません。空気中に止まることはもちろん不可能です。よって絶縁状態です。
電子は無数にあるので、電子があるところとないところで濃度が変わってきます。これが帯のようになっていることが、この構造の由来です。
半導体は、この足場が低いです。よって、ある確率、あるいは条件をみたすことによって足場に飛び移ることができます。
条件とは、温度とか、光を当てることなどです。
金属は結晶の集まりで、結晶は原子の集まり、そして、原子には電子のエネルギーが存在できる帯(ギャップ)があり、半導体は禁制帯の大きさが小さいので条件しだいで電子が移動できる(電流が流れる)ということがわかりました!
それでは今回はこの辺で終わりにします。
参考:菊池誠著 半導体の話
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