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自由に描いてよい仕事

「月刊アーマーモデリング」という戦車模型の専門誌に、毎月一枚「プラスチック・エンジェル」というタイトルでイラストを描いています。
コスプレ好きの女子高生、アンジェさんとランナちゃん、ピンクのパグのモグくんが、仲良くわいわいしてるイラストです。
この「プラスチック・エンジェル」は、自分の絵柄の中では比較的軽い仕上げですが、描き上げるのはとても時間がかかります。
もちろん月によって費やす時間はまちまちで、だいたい一週間から十日くらいかかることもあります(ツイッターにアップしているラクガキは3時間ほど)。
なぜこんなに時間がかかるのかというと、描き始めるとあれこれ欲が出てしまい、アイデアが次々と浮かび、一つに選べなくなるから、というのが大きいです(画集には不採用にしたラフ画も収録されています)。
自由に描いてよい仕事では、この「せっかく出たアイデアから一つ選ばなくてはならない」というのが結構名残惜しいものです。

あRはえRHらえ

この仕事を請けた理由は二つあります。
一つは自分の生活を支えているのは過去に描いたオリジナルのイラストの存在が大きかった、というのがあります(描いた当時はまったくお金にならなかったけど)。
過去にフィギュア化したセラちゃんやのんのん、ポッコなどもオリジナルのイラストでした。オリジナルのイラストが新しい仕事をつないでくれたことも多く、オリジナルを毎月仕事として描けるのは本当にありがたいお話でした。
もう一つは、雑誌の連載という仕事に憧れを持っていた、というのがあります。
自分が好きな絵描きは雑誌に連載を持っている人が多かったし、新作が定期的に届けられる、という仕事ぶりが凄くまぶしく見えました。
自分もそういう絵描きになりたいと強く思いましたね。

この「プラスチック・エンジェル」は、模型製作に役立つ情報は一切載っていないし、そもそも模型とは無関係なイラストばかりです。
模型専門誌においては、オマケというかおミソというか余剰というか、模型のノウハウだけ欲しい読者には無駄なページと言えるかもしれません。
でも、無駄があるということは余裕があるということで、趣味の世界から余裕がなくなったら息苦しくてとても続けられませんよね。
そもそも、模型趣味自体、生活に必要なものではないのです(これを言ったら身もフタもないけれど)。
そうやって自分を励ましながら毎月描いています。


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