山下しゅんや

絵を描いて暮らしています。画集「山下しゅんやのプラスチック・エンジェル2」発売中。

山下しゅんや

絵を描いて暮らしています。画集「山下しゅんやのプラスチック・エンジェル2」発売中。

最近の記事

ガルパンイラストレーション2裏話

画集「ガルパンイラストレーション」の続編が出て1ヶ月経ちました。 自分は前作の反省とか前例を踏まえてしまい、 整ってるけどつまらないものを作りがち人間なので、なるべく綺麗にまとめないように気をつけて取り掛かりました。 散らかった部屋のおもしろさとでも言えばいいのだろうか。 たとえば前作なら捨てていたであろうラフを多く残して掲載しています。 混沌とか拡散とか未熟とか、そんな魅力が出ればいいなと思いましたが、そこは買ってくれた人の判断になりますが、作業中ずっと自分に言い聞かせてい

    • 絵のスタイルについて

      プラスチックエンジェルの連載をきっかけに自分の絵を変えました。 簡単に言うと、なるべくシンプルに、明快な色使いと明るいキャラクターを心がけて描いています。以前の自分の絵と比べれば「さらっとした軽い絵」と言ってもいいかもしれません。 それまで描いたことのないモチーフに挑戦したり、実験したり、失敗も多いけど、そろそろ、これが今の自分のスタイルです、と言ってもいいかな、という気分になっています。 このスタイルの絵をSNSでアップしていることもあって、今ではこちらが「山下しゅんや

      • 初めてくじけた記憶

        知り合いから「初めて絵を褒められた日を憶えてる?」と質問されました。 しかし、ちゃんと答えられませんでした。 幼い頃は、自分の絵を日常的に褒めてくれる大人が周りにいたから、初めて褒められたのがいつだったか思い出せないのです。 しかし、初めて気持ちがくじけた記憶なら鮮明に残っています。 小学校4年生の図画の授業で「自分の大切なものを描きなさい」という課題が出たときです。 どんな画材を使っても、何を描いても良い、というめずらしい授業でした。 ちょっと変わった授業だなと思ったけれ

        • 自由に描いてよい仕事

          「月刊アーマーモデリング」という戦車模型の専門誌に、毎月一枚「プラスチック・エンジェル」というタイトルでイラストを描いています。 コスプレ好きの女子高生、アンジェさんとランナちゃん、ピンクのパグのモグくんが、仲良くわいわいしてるイラストです。 この「プラスチック・エンジェル」は、自分の絵柄の中では比較的軽い仕上げですが、描き上げるのはとても時間がかかります。 もちろん月によって費やす時間はまちまちで、だいたい一週間から十日くらいかかることもあります(ツイッターにアップしている

        ガルパンイラストレーション2裏話

          山下しゅんやが絵描きになるまで3

          前回の続きです。 スクウェアは、わずか半年で辞めてしまいました。 FF10はまだ開発中だったので、途中退場のようになり会社に迷惑をかけてしまいました(と思っていたけど、それは自分の思い込みかも。自分一人が辞めたところでほとんど影響はない)。 このときばかりは、自分の行き当たりばったりの行動を情けなく感じました。でも、その半年で得たものは独学で得た経験の何倍も重かった。 そこで得た経験が自信になったので、そんなに恐怖心を抱かずにフリーに戻ることができました。 当時、友人は、絵

          山下しゅんやが絵描きになるまで3

          山下しゅんやが絵描きになるまで2

          前回のつづきです。 丁度独立した頃、バンダイの雑誌Bクラブ誌上でイラストコンテストがあり、思い切ってプライベートで描いた絵を出品してみました。 運良く佳作をもらい、編集の方から「絵の仕事しませんか?」と声をかけてもらいました。 その仕事は、戦闘機や戦艦などの実在するメカのイラストでした。 当時は架空戦記がブームで、メカの描き手が不足していたようです。 コンテストに応募した絵はファンタジーの人物画でしたが同じリアル系なので描けるだろうという判断だったようです。 自分が進みたか

          山下しゅんやが絵描きになるまで2

          山下しゅんやが絵描きになるまで1

          子供の頃から絵を描くのが好きでしたが、 小学生から高校生まではノートにラクガキする程度で真剣に絵を描いていませんでした。 自分は目的がないと描けないタイプのようです。 本格的に描き始めたのは二十歳を過ぎて絵の専門学校に入学してからです。 それまで勤めていた会社(絵とは無関係)を辞め、貯金をすべて入学金にあてました。 特に絵の仕事がしたいという強い意志があったわけではなく そういえば絵が好きだったよなぁくらいの軽い気持ちでした。 自分は、環境に大きく左右される人間なので、 入

          山下しゅんやが絵描きになるまで1