アニメ「平家物語」第二話の感想

これから、山田尚子監督の新作アニメである「平家物語」の感想を、ぼくはこの記事で語ろうとしている。だがぼくはアニメの感想を語るのが、大の苦手である。そんなぼくがアニメの感想を語るのであるから、きわめて個人的な感想になってしまうと思う。その点は、この記事の読者に申し訳なく思う。(この記事を最後まで読み通す、我慢強い読者がいるとすればだが。)

アニメ「平家物語」の第二話まで観た感想であるが、率直に言って、本作は傑作である。地上波での放送はまだ先なので、まだ「平家物語」の二話を観ていない読者も多いだろう。FODに加入してない方は、楽しみに期待して地上波放送を待つのも良いだろう。ぼくはFODの犬になり下がったので、もちろん第二話を何度も観ている。

さて、アニメ「平家物語」はどのように傑作アニメなのか?

気になるのは、この点である。

端的に言えば、本作の「平家物語」が傑作であるゆえんは、「平家物語」という日本の古典にフェミニズムの視点を導入して、アニメとして再構築した点である。

まず主人公のびわは、女性なのだが、過酷な社会を生き抜くために、父親から男装をさせられて育てられたという設定である。男装せずには生き残れなかったというわけである。また、祇王と仏御前という白拍子が登場してくるのだが、白拍子もまた、男装して舞を踊る人々である。白拍子もまた男性優位な社会の中では、男装せずには生き残れなかったということになる。

祇王は仏御前という白拍子の存在のために、清盛からは冷遇されてしまうのだが、仏御前の話し相手として再び清盛に呼び戻される。清盛をうらめしく思った祇王は出家し、仏御前も出家するのだが、ここからが本作の真骨頂である。

仏門に下った祇王と仏御前のふたりの連帯がきちんと描かれるのである!!ここでの祇王と仏御前の関係性は、恨みを超越した女同士の友情である。これは、極めて現代的な女性たちの描かれ方であるし、2021年の実写映画である「あのこは貴族」と通じるものがある。こんなことをツラツラ思うにつけて、本作が傑作すぎて感動してしまうのだ。

清盛の娘である徳子という女性も登場するのだが、強制的に政略結婚をさせられ、清盛のコマとしてしか扱われない。(後白河法皇も清盛もすごろくを嗜む描写が出てくる。)

ぼくは、清盛の息子である重盛がどのように描かれるかが、今後のポイントになってくると思う。(当たり前の話だ!)

「家」の論理の犠牲となり、後白河法皇と平清盛との板挟みになってしまう重盛の苦渋が描かれるはずだと予想している。

ここまで読んで下さったあなたは偉い!!

元気でいこう。絶望するな。では、失敬。

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