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Unity 1週間ゲームジャムで評価を高める(かもしれない)tips集

早いものでUnity1週間ゲームジャム(以下u1w)に参加するようになって6回目です。これまでのイベントで色々なゲームを遊びながら自分なりに評価を高める方法を模索し、少しずつ結果を出せるようになってきました。今回の記事では評価を高めるために自分がどのような点に気をつけているかということを書いていきたいと思います。

大きな前提として、u1wはカジュアルにゲーム作りを楽しむことを第一目標としたイベントです。あまり順位や評価にこだわりすぎず、あくまでイベントをより楽しむためのモチベーションのひとつとしてこの記事を参照いただければと思います。また内容は主にu1wに参加したばかりでどうしたら評価を高められるか方針がわからないという方向けに書いています。上級者にとっては当たり前すぎたり逆に的外れだったり、またu1wに寄りすぎている内容かもしれません。適宜取捨選択いただければと思います。

大きく分けて「ゲームのクオリティを少し上げるお手軽テクニック」と「u1wの特性を踏まえたゲームデザイン」の2つの話になります。


テクニック編

この項目ではu1wに向いたお手軽クオリティアップのテクニックを紹介します。u1wでは限られた時間でゲームを作らないといけないため、すみずみまでリソースを割くわけにはいきません。きちんと作り切るよりは短い時間でそれっぽく見せたほうがいい場面もあります。そんなときに役立つかもしれないテクニック集です。

■カラーパレットを意識する
ゲーム画面の配色ってどう決めているでしょうか。カラーホイールから適当に良さげな色を拾って、カラフルな感じに……など、なんとなくで決めてしまっていませんか?配色にも一定のルールやセオリーがあり、意図を持った設定をすることでぐっと画面にまとまりを持たせることができます。

たとえば下のような画面。配色の意識が薄いとこういった目立つ色を多用してまとまりがなくなってしまいがちです。

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これをこんな風に改良。

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どうでしょうか。大人っぽく、落ち着いた雰囲気になったと思います。(もとのレイアウトがひどいのはさておき)

あるいはこちらのように、また違う印象にも。

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配色のルールはかなり理論立てられており、「なんとなく」や「センス」で作られるものではありません。もちろん理論から勉強することも大事ですが、お手軽にツールを使うという手もあります。

カラーパレットといって、あらかじめ相性の良い色のセットを提示してくれるサービスがWeb上に数多くあります。自分がよく使うのはcoolorsというサイト。

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適当にスペースキーを押しているとよさげなカラーパレットが提示され、一部の色を固定して相性のいい色を探したりもできます。

完成したカラーパレットをもとに配色することで、絵作りの統一感を簡単に出すことができます。
特にゲームジャムでの小規模なゲームは1画面・1シーンで完結することも多く、色数も限られがちです。そんな中で配色に意識を向けてみると簡単かつ効果的に絵作りできて驚くはずです。

フォントにこだわる
Unityの初期状態で使えるフォントの「Arial」。ゲームジャムでもよくこのフォントを目にします。

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全Unityユーザーがおなじみのフォントとして見慣れており、なんとなくかっこ悪く感じてしまいます。ここはフォントを変えて印象を良くしてみましょう。

個人的なおすすめはM+ FONTSシリーズ。クセがなくどんなゲームにも使いやすいフォントです。

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他にも自分がよく作るドット絵調のゲームではフォントも合わせてビットマップ風にしてみたり。(こちらのフォントはJFドットM+10)

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Web上にはフリーのフォントも数多くあり、自分のゲームの方向性に合わせたフォントを探すのもとても楽しいと思います。

ひとつ注意点としては、フォントデータには多くの場合二次利用・商用/非商用の利用時の制限が存在します。ゲームジャムにおいても使用を制限されるケースがありますので、各フォントデータ配信元の規約などはしっかり読むようにしましょう。

標準UIを工夫してみる
Unity標準で用意されているUI、便利ですよね。とくにButtonやSliderはu1wくらいの小さい規模のゲームでは使い勝手がよく、自分もよく利用します。

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ただ、やっぱりデフォルト状態だと少し見栄えがイマイチ……。ちょっとだけ手を加えてそれっぽく見せてみましょう。
やることは画像ファイルの差し替え。といっても新たに作ったりするわけではなく、UIのデフォルト画像を「None」に変更するだけ。

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こうすると単色の矩形として表示され、フラットで無難なUIとして使うことができます。フォントを変更し色を調整して「Shadow」コンポーネントなんかを追加してやればあっという間にそれっぽいUIが完成です。

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もちろんきちんと画像ファイルを用意したり独自にUIを実装できるならそれに越したことはありませんが、時間がなければいかに手を抜くかも大事なポイントになってきます。

■Tweenの活用
Tweenとは数値を連続的に変化させる制御のことで、オブジェクトの移動をはじめとする変数の滑らかな変化によく使用されます。
敵キャラが消えるときにフェードアウトしていく・UIをクリックするとポヨンと跳ねるなど、「なくてもいいけどあるとちょっと楽しい」要素を作るときに大活躍。Unity標準でワンタッチで使える仕組みはないので自分で実装するかアセットを使うことになりますが、導入して損はないと言えるだけの効果はあります。

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よく使われるTweenのアセットにはDOTweenがあります。無料かつお手軽、日本語の記事も豊富とあってとてもおすすめです。

画面遷移にひと手間かける
意外と工夫の余地があるのが画面遷移の演出。簡単なゲームではそもそも画面遷移自体なかったり、あるいは瞬間的にシーンを切り替えるなどで事足りたりするかもしれません。しかしあえてちょっとした演出を挟むことでユーザーに「ゲームの開始/終了」や「場面の転換」を意識させ、ちゃんとしたゲームっぽさを出せるように思います。

例えばゲーム開始時、こちらは瞬間的にシーンを切り替えています。唐突にゲームが始まる印象ですね。

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一方こちらは単純なフェードを入れることで明確に場面の転換がわかるようになったと思います。

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他にローディング風の画像を差し込んだりも効果的。あまり無意味に多用するとテンポが悪くなってしまいますが、なんとなく丁寧さを表現できて個人的にはこだわりたいポイントです。

音量調節機能
多くのゲームにはサウンドがありますが、あると嬉しいのが音量調節機能。作っている間は意外と気づきにくいのですがゲームの音声はユーザーごとに違う環境で再生されるため、必ずしも意図通りの音量で届いているとは限りません。しかもu1wにおいては複数のゲームを続けてプレイすることが多く、違うゲームを遊ぶたびにユーザーが調整する場合も。もちろんPCの音量を操作してもらえばいいわけですが、少しでもユーザーにやさしいのはゲームそのものに音量調節機能を付けることですね。

また、最近はu1wのゲームを実況配信される方も増えてきました。実況音声との兼ね合いからシステム音量の変更が難しい場合もあり、そんな時にゲーム側で調整できることを喜ばれるというケースも見たことがあります。

おすすめなのがunityroom管理人 ないちさんが作成したサウンド再生アセット。音量調節機能も付いており、ゲームジャムでサウンドを扱うのにぴったりの手軽なアセットです。

マウス/キーボード両操作への対応
やや手がかかる作業ですが、マウスクリックとキーボード操作のどちらでもゲームを進められるようにしておくととても親切です。もちろんアクションゲームなどの複雑なキーボード操作が必須なものではマウス操作はできないでしょうが、パズルゲームなど特定の少ない箇所をクリックするだけであればキーボードとマウスどちらでも操作できるようにデザインを考えてみてもよいと思います。
逆にあまりよくないのはキーボードとマウスを行ったり来たりしないといけないような操作性。できるだけ操作デバイスは最初から最後まで同じにできるよう心がけましょう。

定番のキー配置
キーボードを使うゲームを作り初めたときに意外と悩んだのがキー配置。たとえばプレイヤーの移動は何キーが標準なのか?アクションキーは?自分はPCゲームにあまり詳しくなく、スタンダードなキー配置がどのようなものか知りませんでした。
今でも詳しくわかっているわけではないのですが、おおむね以下のようなパターンがゲームジャムにおける標準だと思います。

①wasd+space

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左手で移動を行い、右手でアクションを行うスタイル。一般的な家庭用ゲーム機でもこれが標準です。ゲームデザインによっては左手のみで全操作もできますので便利かつ無難な配置と思います。

②矢印キー+space

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右手で移動、左手でアクションを行うスタイル。PCの操作としては直感的ではないでしょうか。

なんなら①②の両方ともで操作可能にしてしまうのも手ですね。いずれの場合もリトライキーは[r]が一般的と思います。そのほかのキーは[z][x][c][v]あたりがよく使われています。
もちろんこれ以外のキー配置も十分考えられますが、一般的なキー配置を使うことで初見のプレイヤーにもスムーズに操作を覚えてもらえる可能性が上がります。

プレイ時間や難易度の調整
u1wでの遊ばれ方の特性として、あまりガッツリ遊びこまずに次々に違う作品を見ていくというプレイスタイルが一般的だと思われます。というのも相互評価の期間に限りがあり、しかも作品数が期間内に遊びきれるかというぐらい多いためです。できるだけ多くのゲームを遊ぼうと思うと1つのゲームにかけられる時間は3分~15分程度でしょうか。もちろん作る側からすれば自分のゲームはたくさん遊んでほしいものですが、ユーザーから見たとっつきやすさという点では短い時間で十分に満足できるゲームを目指すのも一つの手です。
また、難易度調整についても同様です。歯ごたえや達成感を求めて際限なく難しくしてしまいがち、というのは制作者あるあるだと思います。これは自分も反省することが多いのですが、必ずしもゲームジャムの参加者は遊ぶことに対してプロ級の腕前を持っているわけではないというのは意識すべきポイントです。
プレイ時間にしろ難易度にしろ、途中脱落せずに最後まで遊べるというのは評価点を左右する重要なポイントとなります。それにできれば自分のゲームは最後まで遊んでもらった上で評価してほしいですよね。

ただし、u1wにはハードコアで挑戦的な難易度に魅力を覚えるゲーム開発者が存在するのも事実。一部に突き刺さる尖った難易度のゲームを作り続けるのも一興かもしれません……。

■Post Processingを使った絵作り
少し上級者向けですが、Unityには標準で画面に特殊な効果を加える機能があります。それがPost Processing。いくつかの効果を重ねて手軽にリッチな絵を作ることができます。

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導入方法などは割愛しますが、ちょっぴり手がかかるので「Unity Post Processing」などの検索ワードから記事を参照するとよいです。

個人的によく使うのは「Bloom」と「Vignette」。

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Bloomは光がにじむような効果を画面に加えます。幻想的・不思議な雰囲気のゲームなどによくマッチするのではないでしょうか。効果を強めすぎるとお風呂場のような見づらい画面になってしまうのでほどほどに。

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Vignetteは実際のカメラのように画面周囲を暗くするエフェクトです。少し加えるだけで画面に立体感を出し、雰囲気作りに貢献してくれます。

標準機能とは思えないほどPost Processingの絵作り機能は便利です。いろいろな効果やパラメータをいじるだけでも楽しいので、試しに触ってみると発見があると思います。

小ネタ
項目を作るほどでもないちょっとした小技を紹介。

・サムネイルはgif画像がおすすめ
unityroomにゲームを投稿する際、サムネイル画像を選択する必要があります。タイトルだけの静止画なんかでもいいのですが、せっかくならゲーム中の一番面白いところをgif画像にしてみては。リストに並ぶ多くのゲームの中で少しでも目立つための工夫です。

gif画像を作るためのツールはいろいろありますが、自分はScreenToGifというソフトを使っています。

・タイトルは短めがいいかも
unityroomの仕様上、ゲーム一覧画面で一定以上の長さのタイトル名は省略され、最後のほうは「...」と表記されてしまいます。タイトルで引き込むつもりなら文字数にも気を配ってみましょう。

・クリア後の画面は音量を下げる
これを気にする人がいるか怪しいレベルですが……。u1wではゲームプレイ後、評価やコメントを書く時間があると思います。自分の場合はけっこう熟慮するのですが、BGMが鳴ったままの場合は集中するため一度タブを閉じてゆっくり考えたりします。クリア後に一区切りとなる無音の場面があるととても助かりますね。……書いてて自分が神経質なだけではと思い始めましたが(笑)

・ランキング機能の実装
スコアのあるゲームではぜひオンラインランキングを実装してみましょう。他プレイヤーとの競争をモチベーションに繰り返し遊んでくれ、よりユーザーが楽しんでくれます。難しそうに感じますが、これもないちさん提供のアセットを使用することで驚くほど簡単に実装できます。

・ツイート機能の実装
Twitterを使ったシェア機能もおすすめです。やはりないちさんが提供してくれているアセットに、ゲーム中からツイートする機能があります。ゲームを気に入ってくれたユーザーが手軽に「ハイスコアを取った」「このゲームが面白かった」といったことを広められ、より多くの人に遊んでもらう機会が増えるでしょう。

・とにかくたくさん他の人のゲームを遊ぶ
u1wでは他の人のゲームを遊んで評価するとその人に自分のゲームがピックアップされて遊んでもらいやすくなる仕組みがあります。直接ゲームの評価が高まるわけではありませんが、せっかくこだわって作ったゲームが遊ばれずに埋もれてしまうのはもったいないです。少しでも多くの人に遊んでもらうにはとても有効な仕組みですので、ゲームを楽しみつつ活用しましょう。


ゲームデザイン編

ここまではゲームを作る際のテクニックについて説明してきました。ここからはu1wというイベントの特性をふまえたゲームデザインの方針について書いていきます。

ご存じの通りu1wでは計6項目の評価基準があり、評価を高めるためにはこの6項目それぞれへの対策を意識することが重要となります。また評価を行うのは一般ユーザーであり、それも同じイベント参加者が中心となることもポイントです。あくまで評価基準は各ユーザーの裁量に任されており、一律な基準は存在しません。そのため対策と言っても確実なものではないですが、それでも評価を高める一定の法則はあるのではないかと思っています。

参考までに自分の評価の基準を記載します。

楽しさ
☆1 遊ぶのにストレスを感じる
☆2 複数回プレイしたいと思わない
☆3 不満を感じない
☆4 満足感を得られる
☆5 何度でも遊びたくなる
絵作り
☆1 ほぼUnityデフォルトの絵作り
☆2 適切な絵作りでないと感じる
☆3 不満を感じない
☆4 工夫や技術を感じる
☆5 美しさ・ゲームへのふさわしさを感じる
サウンド
☆1 BGM・SEが存在しない
☆2 BGM・SEのどちらかが存在する
☆3 BGM・SE両方が存在する
☆4 ゲームの雰囲気に合ったサウンドである
☆5 ゲームの面白さが引き立つサウンドである
操作性
☆1 操作性が原因でゲームを楽しめない
☆2 操作性にストレスを感じる
☆3 不満を感じない
☆4 操作が快適だと感じる
☆5 操作そのものに楽しさを感じる
雰囲気
☆1 悪印象を覚える
☆2 好感を覚えない
☆3 不満を感じない
☆4 好感を覚える
☆5 深く印象に残る
斬新さ
☆1 ゲーム性がほとんどない
☆2 ほぼ発展性のないゲーム性
☆3 一般的・基本的なゲーム性
☆4 基本的なゲーム性に工夫を加えたもの
☆5 驚くようなゲーム性

これも絶対の基準ではなく、たとえばBGMがなくてもそれがゲーム性にふさわしければサウンド☆5をつけたりすることもあります。あくまで目安として参照している感じですね。
人によって基準は様々だと思いますので、ご自身の場合や仮想ユーザーの想定などいろいろな視点で対策を考えてみてください。

さて、以下は各評価軸に対する自分なりの対策となります。

楽しさ
ゲームの楽しさという評価は少し漠然としており、なかなかこれ単体を伸ばす対策は難しいと思っています。むしろこれは総合評価として、他の評価を上げることで合わせて上がっていく印象があります。もちろんロジカルにゲームの楽しさを分析して組み立てることはできるのですが、ここで書くにはあまりに重い話……。
もう少し簡単に、「自身が楽しいと感じるゲームはどのようなものか」と考えてみるのもよいでしょう。例えば自分の場合だと「何度も遊びたくなる」が楽しさの基準の一つとしてあるので、その方向に沿ったゲームを考えたりします。

こういうところに気を付けると高得点かも
・ほかの評価を上げると合わせてついてきやすい
・一つの方針として「何度も遊びたくなる」ような楽しさを目指す(1回のプレイ時間は3分以内・1回のプレイで十分に満足させきらない・次にやればもっとうまくなるかも!のようなリプレイ性)

絵作り
グラフィックス・イラストレーション的な知識が要求されるため一朝一夕に身につくものではないのですが、先に挙げた絵作りテクニックなどで比較的簡単に評価を上げやすい項目だと思っています。u1wの一般的な傾向としてはドット絵や2Dの絵画的表現が高評価を集めやすいように感じます。これは素材の自作がしやすく、ゲームに統一感をもたらしやすいからでしょうか。逆に3Dで高品質の絵作りは期間がネックとなって難易度の高い印象です。
また自作素材は仮に技術が拙かったとしてもゲームとの雰囲気次第で高く評価されやすく思います。そもそもが限られた時間でゲームを作る以上、素材を自作できる時点で好印象ですし独自の作家性という評価もついてくるのかもしれません。
ほか、自作にこだわらずともアセット選定や使用方法の工夫で高い評価を得ているケースもあり、苦手意識のある方も取り組んでみる価値はあるはずです。

こういうところに気を付けると高得点かも
・Unity標準の絵作り機能を有効活用する
・サウンドなども含めたゲームとしての統一感を意識する
・素材の自作にチャレンジすると楽しい

サウンド
なかなか差別化が難しい項目です。というのも大体のゲームにサウンドはあって当然で、印象に残るようなサウンドの使い方をしないといけません。ゲームにマッチしたサウンドというだけでは不十分で、楽曲を演出に組み込んだりあるいは直接的に音ゲーにするなど、特別にサウンドを意識させる仕掛けがないと何となく☆3~☆4くらいの評価に落ち着いてしまいそうです。
基本的に素材サイトやアセットから用意することになると思いますが、自作素材を用意する人も。自作はそれ自体が技術をアピールでき、ゲームの方向性に合ったサウンドを用意できるので大きなアドバンテージとなります。他に、最近ではボイスを収録してゲームに組み込む例もあり、ゲームジャムのゲームとしてはとても目立てる試みかもしれません。

こういうところに気を付けると高得点かも
・特別な理由がなければBGM/SEともに実装する
・絵作りとも方向性を合わせる
・サウンドを演出の一部にする
・音楽ゲームでは特に高得点を取りやすい傾向あり
・素材の自作にチャレンジすると楽しい

操作性
これも操作に不満がないだけでは不十分で、操作そのものに意識を向けさせる仕掛けが必要です。例えば気持ちのいいレスポンスや操作に伴うサウンドなど、操作自体をゲーム性の中核に含んだものが高評価となっている印象です。ジャンルごとにも特性があり、パズル・シミュレーションなどは不満となりうる操作が少ないため安定して評価を得そうですが、逆にとりわけ操作性を意識することもないため高評価も狙いにくいかも。アクションゲームの操作は調整にかなりの難度を要求されるものの、うまくいったときの評価点の高さは特筆すべきものがあります。

こういうところに気を付けると高得点かも
・操作に対するレスポンス(サウンドやアクション)の明確化
・操作そのものがゲーム性になるようなデザイン
・画面に常に操作説明を表示する、操作に必要なキーを最小限にするなど不満となる要素を減らす

雰囲気
かなりロジックでの対策が難しい項目だと思っています。自分も評価の際は感性に頼って「なんとなく好きだから高評価」のようにしちゃったり……。アートやストーリーの技術などを切り口にする必要があり、プログラミングを重視したゲーム作りとは違う視点が必要になるでしょう。逆にプログラミングがあまり得意でない方やゲーム制作の経験が浅い方でも十分に高評価のチャンスがある項目かもしれません。
とはいえ専用の対策が必要になるような項目だと思っており、感性やなんとなくで作っても高評価は取れなさそう。専門的に勉強している方でもなければ、映画・小説・漫画・ゲームなど、普段の生活で「この雰囲気はどう作っているんだろう」という視点で少しづつコツを身に着けていくのがいいと考えます。

こういうところに気を付けると高得点かも
・ゲームのシステム的な工夫よりも世界観やアートの技術を身につける
・単体で対策するのではなく、サウンド/絵作りも含めて考える

斬新さ
狙って高評価を取るのは至難の業……。テクニックや技術の積み重ねで堅実に点数が上がっていく類ではなさそうです。一方できちんと得点できれば総合順位に大きく影響する重要な項目でもあります。傾向としてはメタなゲーム性(ゲームの外部を利用した遊び)やシステムに介入するようなゲーム性が評価を集めるように思います。評価者はゲーム制作者中心というのもあってゲームの常識には詳しいはずですが、その前提を逆手に取った仕掛けは特に派手に映るはず。
そもそもu1wのようにテーマに合わせたゲームを考える、というだけでも日常的に行っていることではないと思います。それに加えて斬新なゲームを考えるというのはぶっつけ本番で容易にできることではありません。自分の場合はイベントの場ですぐアイデアを取り出せるよう、普段から引き出しを広げておくような習慣作りを心掛けています。

こういうところに気を付けると高得点かも
・ユーザー層(ゲーム開発者がメイン)を踏まえたゲーム性がよさそう
・メタなゲーム性は一定の評価を得やすい
・普段からアイデアの引き出しを広げておく

総合順位
上記6項目すべての合計となります。一部の評価基準に特化するよりは、平均的に多少低くてもまんべんなく得点できるほうが総合得点には影響しやすいと思います。自分のゲームに不足している点を埋めていく、技術の底上げのようなことですね。そう言うと少し地味ですが、「弱点を減らす」「防御力の高いゲームを目指す」と言えばなんとなくかっこよく、重要性は伝わるのではないでしょうか。(とはいえu1w、尖った魅力に全振りして総合順位に食い込む猛者もたくさんいますが)

こういうところに気を付けると高得点かも
・全項目への対策を広く意識する
・特に自分が苦手な項目に目を向けてみる

まとめ

以上のようにu1wで高評価を得るための自分なりの工夫をまとめてきました。あくまで自分の場合はこうしている・こう分析したという視点であり、全員に当てはまるものではないと思います。皆様が考えるノウハウもまた違う形だと思いますので、より良いゲームを作る考え方などあればぜひお聞かせください。

また今回は評価点を重視したゲーム作りというテーマで記事を書きましたが、u1wの楽しみ方はそれだけではなく、評価を気にせず自分の好きなゲームを作る・実験的でぶっ飛んだゲームを作る・新しい技術を試してみるなどさまざまだと思います。この記事もあくまでu1wを楽しむための参考として、皆様なりに役立ててもらえると幸いです。

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