Empty Dressy v2.1、ほぼ100%の自動化が完了しました
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Empty Dressy v2.1、ほぼ100%の自動化が完了しました

v2.0では95%くらいの業務が自動化されていましたが、v2.1を段階的にリリースし、2021/5/5に完了したことをもって、ほぼ100%の業務が自動化され、コロナ前の売上の3倍くらいを狙える基盤も整えたので、やったことを紹介します。

※ この記事は別サイトで2021/5/12に投稿されたものを、2021/10/17にnoteに移行したものになります。

Empty Dressy v2.1(2021/5/5)

私が運営する渋谷にある無人のレンタルドレス店舗Empty Dressyは、主にLINEを活用し、2021年2月に基本的なオペレーションを自動化したEmpty Dressy v2.0にリニューアルしました。

主な経緯は記事にもしています。

通常のレンタルドレス店舗が行っているオペレーションと比較すると、v1.3の頃から、決済や店内の顧客対応(鍵の発行)など、ざっくりと50%くらいが自動化されていたと思います。

それをv2.0になり、95%くらいに引き上げたというイメージです。

これにより、1日1時間、月に30時間ほどかけていた時間が、月に3時間くらいになりました。

しかし、50%と95%にも大きな違いはありますが、95%と100%にはより大きな隔たりがあります。

95%のままだと普段の生活のどこかにEmpty Dressyがあり、それは多少のストレスになりますが、100%に限りなく近付くと、基本的に意識することがなくなり、2021/5/5に最終リリースを行ったv2.1を経て、ようやくそのような状態になりました。

心地よい売上と利益と持分比率

緊急事態宣言も延長され、業界的には厳しい状況が続いており、特に利用者の多くを占める結婚式のゲストドレス需要については、もう今までのように戻ることはないと思っています。

ただ、Empty Dressyの規模感だと市場環境はあまり関係なく、しかるべき改善を行えばシェアの上昇により、今年の年末には、コロナ前の売上である130万円/月程度に戻るかなと考えています。

そして、来年末には、260〜400万円/月ほどの売上を見込んでおり、400万円は今の物件でぎりぎり回せる金額感でもあります。

現時点でのEmpty Dressyのエコノミクスはおおよそ、88%の限界利益率に、役員報酬を除く固定費が23万/月ほどなので、130万円/月まで戻れば、とりあえず働かなくても年収1,000万円くらいの暮らしができるという感じです。

この数字感を伝えると、多くの投資家や経営者は、株式発行により資金を調達し、人も採用し拡大すべきと話されます。

主に株式発行による調達のニュースは華やかではありますが、当然その株式の価値を上げるために尽力し続けるという責任やそれを伝えるためのコミュニケーションが発生し、基本的に後戻りすることはできません。

それは自動化の割合が95%と100%で大きく違うように、株式の持分比率も、100%と95%では大きく異なります。

現時点では、私が代表を務めるエンプティ株式会社は、スタートアップではなくスモールビジネスであり、コストを最小限にしつつ、無理のない売上と利益の拡大、100%という持分比率の維持が心地よいと考えています。

以上を前提条件として、実際に行ったことについて、順を追って記載していきます。

予約・ID登録・返却のリマインドを自動化

店舗には店員がおらず、事務所にも職員はいないため、他店のように、時間通りに来店されなかったり返却をされなかったりするお客様に、電話などで催促をすることはできません。

肌感として、90%のお客様は想定通りに一連の流れを対応してくださり、対応しない10%の内の99%のお客様は弊社からの連絡で対応してくださり、残る0.1%のお客様は、何を言っても対応してくれないと感じています。

この対応する意志のある99.9%のお客様に対して、人手を全くかけずに対応してもらうためには、それぞれのタイミングで適切にLINEを送ることが良さそうと考えました。

そこで、予約開始日の前日や翌日、返却期限日の前日や翌日以降に、それぞれ該当の注文状況のお客様に定期的にLINEを送るようにすることで、予約日時関連のクレームやイレギュラーな問い合わせがなくなりました。

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キャンセル・返金を自動化

リニューアル後の1ヶ月は、コロナの再拡大もあり、キャンセル・返金の手続きに時間がかかっていました。

キャンセル・返金については、当初のリニューアルでは自動化のスコープから外していました。

レンタルドレスというビジネスや仕様の特性上、Shopifyの1オーダーとAirtableのOrdersテーブルの1レコードが対応していないことや、キャンセル条件、返金の控除額、クーポンの扱い等、考慮すべきポイントが多いことに加え、間違いが許されないことによります。

ただ、この1ヶ月の運用を経て、キャンセル・返金が自動化されれば、いよいよほぼ全ての通常業務の自動化が達成できるという確信がもてたので、開発を進めることにしました。

関連するShopifyのAPIには多少の癖を感じましたが、しっかりと読み込めばすぐに対応できるくらいの作業量で、キャンセル・返金を自動化させることができました。

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Integromatのシナリオのエラー対応

各種リマインドやキャンセル・返金の自動化の他に対応が必要だと感じていたのが、Integromatのシナリオのエラーに伴う、シナリオの停止への対応でした。

Integromatでは、シナリオの内部にエラーが1つでもエラーが発生すると、下記のようなメールが届き、そのシナリオの全てが基本的には止まってしまいます。

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リニューアル当初はシナリオの考慮が足りずにエラーになることがありましたが、1ヶ月もするとこちら起因でのエラーはなくなり、残るはLINEの「Invalid reply token」のみになりました。

Webhookからの経過時間や、連続的なリクエストかどうかに関係しそうなものの、試した限りでは再現性がなく、LINEに問い合わせても要領の得ない返信しかもらえませんでした。

LINEの改善やまともな調査はされないと思われたため、そのエラーをIntegromatで吸収して、ユーザーや私に通知が起こるようなしくみをつくりました。

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結果、5月頭に対応し、まだ1週間ですが、エラーによる中断がゼロになりました。

リニューアル前のDBをAirtableに統合

v1.0はエクセル、v1.1からv1.3までは、WordPressで使用していたXServerのDBで情報を管理していました。

テーブルやカラムを継ぎ足し継ぎ足ししてきたDBは、テーブルもCouponsテーブルにItemsテーブル、Ordersテーブル、Paymentテーブル、Servicesテーブル、Usersテーブルと6つに渡っていましたが、実際に使われていたテーブルはOrdersテーブルとUserテーブルだけで、Airtableでは以下のとおり管理することにしました。

・Couponsテーブル → Shopifyで管理
・Itemsテーブル → 実質使われていなかったが、AirtableではDressesテーブルとして管理し、適宜Webflowと同期
・Ordersテーブル → Airtableではカラムを修正した上でOrdresテーブルとして管理
・Paymentsテーブル → 決済手段を表していたが、そもそもテーブルとして分けるほどの情報もなく、今は売上関連の全てをShopifyで管理
・Servicesテーブル → 以前はネイルやレンタルドレスの中でも複数プランあり、それを管理していたが、今はShopifyの商品として管理
・Usersテーブル→ Airtableではカラムを修正した上でUsersテーブルとして管理

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リニューアル当初は、DBの統合まではしなくてもいいかなと思っていました。

ただ、v1.3以前から引き続き利用されるお客様が多かったことや、ドレスの商品情報を管理する中で、今までのレンタル状況と突合したいという欲が出たことで、統合をしようという想いにいたりました。

Airtableでは各テーブルにリレーションがあるので、それらを適切に保つことが難しいと思っていたのですが、嬉しい誤算として、データをコピペをするだけで、Airtableが良い感じに関連付けてくれるということが判明します。

phpMyAdminをCSVでエクスポートし、Airtableの新しいOrdersテーブルやUsersテーブルに合わせて並び替え等を行い、それをそのままAirtableにコピペをするだけで統合は完了しました。

Airtableは各カラムの型を定義しないといけないのですが、何かしらの値を貼り付けた際に、Airtableがその型に合わせて良い感じに処理してくれるのが最高です。

ユーザー情報はメールアドレスをキーに統合し、以前登録されているメールアドレスがShopify上で顧客登録された際に、ユーザー情報を上書きするような処理をIntegromatに書き足し、総作業時間も3時間ほどで終わりました。

Airtableは、触れば触るほど味の出る、本当に素晴らしいプラットフォームであると再認識させられました。

他のお客様の予約状況を公開

無人のレンタルドレス店舗というビジネスモデルでは、最もコストインパクトのある項目は、家賃です。

人件費は店舗管理系のみで微々たるもので、ドレスの償却費も家賃と比べると、非常に安価です。

Empty DressyはWeb集客が100%なので、路面店やファッションビルにある必要がないものの、立地はある程度重要です。

そこで、渋谷駅徒歩10分の5階、エレベーターなしという攻めた店舗を構えることで、コストを抑制しています。

坪単価は9,461円と、周囲の相場の半額くらいに抑え、その与えられた面積で、顧客満足度を維持した上で、なるべく多くのお客様にご利用いただく必要があります。

例えば、来年末の見込み上限である400万円/月というのは、平均客単価が5,000円くらいなので、800人/月、27人/日のお客様にご利用いただくということになります。

Empty Dressyは24時間営業で試着室は3つあるのですが、多くのお客様が集中するコアタイムは10:00-22:00の12時間で、平均的な滞在時間は1時間ほどですので、コアタイムに2人/時間、その他の時間で計3人の予約が入ると27人/日をカバーできます。

ただ、団体の予約もあるため、平均して27人/日となると、頻繁に同時間帯に4人以上の予約が入ってしまうことが想定され、結果すぐに試着できないことにより顧客満足度が低下することに繋がる恐れがあります。

したがって、 利用時間を分散させることは、お客様・運営側双方にメリットをもたらします。

とはいえ、完全予約制にすると、その時間に来ないお客様の対応が難しくなり、また、システム的にも複雑になってしまうので、他のお客様の予約状況を公開することで、緩やかに分散させる方向で対処することにしました。

今は緊急事態宣言中ということもあり予約自体が少ないですが、10件以上/日の予約が入っても、ほぼ全ての時間帯で予約は2件以下というように、分散の効果が目に見えて現れています。

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Airtableは細かく権限設定ができるので、個人情報等は当然見えないようにした上で、リアルタイムの予約状況が分かるように、タグを出力し、Webflowに埋め込みました。

商品・ブランドページを作成

Empty Dressyは、プロモーションコストをかけずにレンタルドレス店舗の比較記事や結婚式のマナー記事を資産として作り続け、そこからの流入を図るという方針で一定の成果がありました。

例えば以下のような記事です。

ここから読者限定クーポンで3,480円が3,200円になり、予約をしていただくという流れと口コミが2大流入元だったのですが、課題としてトップページのSEOが弱いということがありました。

はじめはYOUTRUSTでSEO業務の経験者に業務委託か何かで任せようとしたのですが、Webサイトをいじったり何かしらの意思決定を行ったりするのは基本的に自分になるので、SEO自体もある程度自分で勉強した方が良いという結論にいたりました。

そこで、たまたま受けたSpeeeのSEOセミナー経由で営業担当からご提案をいただいたり、SaaS系のお試しをしたりする中でSEOの基本的な考え方を学習しました。

随時反映できるところは反映しつつ、大きな改善をするためには、商品・ブランドページの作成が望ましいと思うようになりました。

Empty DressyはECサイトではなく、店舗に来て試着をして初めて借りることができるというフローなので、商品マスタ自体が不要で、リニューアル前は一部のドレスの写真のみを公開していました。

ただ、SEOの観点以外にも、商品のステータス自体を厳密に管理するなど、商品・ブランドページの作成のメリットは多いと判断し、商品マスタをAirtableで管理し、変更があり次第IntegromatでWebflowに同期するという運用にしました。

finsweetのNobullを使うと直接同期がとれるようですが、複数画像などまだ対応していないところがあるので、Nobullやその他のサービスがそれらを解決してくれれば、いずれは直接同期をとれるようにしたいと考えていま。

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Airtableの良いところの1つは、1つのマスタを様々なビューで表示させることであり、商品登録や棚卸しなど、それぞれの用途に必要なものに限定して見せることが容易にできます。

Empty Dressyでは、商品マスタであるDressesテーブルやOrdersテーブル、Usersテーブル、Messagesテーブルのそれぞれでビューをフル活用しています。

内部リンクを整備

商品ページやブランドページを作成したことで、全体のページ数が増え、様々な内部リンクを整備しやすくなりました。

WordPressで関連商品やブランドの一覧を表示させる場合、WordPressやPHPに対する一定の理解が必要ですが、Webflowだとお手軽に、そしてサイトスピードを保った上で導入することができます。

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Googleからの指摘に対応

v2.0以降、Webサイト開発のプラットフォームをWordPressからWebflowに変え、Webflowはテンプレートを使わずにゼロから自分でデザインしました。

そのため、サムネイル画像とメイン画像の使い分けや画像のリサイズ、パンくずリストの整備、コアウェブバイタルへの対応など、今まであまり考慮していなかったことも全て自分で対応する必要が生じました。

ただ、その分コントロールできる範囲が格段に広がったため、良い決断だったと感じています。

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Google Search Consoleから何か指摘があった際も、今まではすぐに対応できないことが多かったのですが、今は全てを自分でつくっているので、大体のことはすぐに対応できるようになりました。

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無利子無保証金で1,000万円を借り入れ

コロナの影響はとても大きく、ざっくりと損益ベースで2,000万円くらいの被害があったと感じています。

コロナ直前には3倍くらいの家賃のところに引越すことを検討していたので、そこで引越していたり、無人運営でなかったりしていれば、間違いなく潰れていたと思います。

ただ、不平を言っても仕方ないので、各種給付金などの申請をしっかりと行い、他の仕事を行いつつもお店を維持し、ようやくv2.0、v2.1とリニューアルが完了し、手離れできる状態になりました。

とはいえ、今後どうなるかはまだ見えづらいところもあるので、手元資金に一定の余裕はあるものの、東京都に利子や保証金を負担いただき、金融機関から1,000万円の借り入れを行いました。

元本据置期間が3年間あるので、今のままならば使わずに、何か大きな投資をしたくなったときやコロナが今の何倍も驚異を持つ形に変異した場合に活用し、据置期間で返済することを想定しています。

今後

そして、遂に日常的にやることがなくなりました。

100%コントロールできるこの事業を時間はかけずに緩やかに伸ばしつつ、他の会社でフルタイムで働き、もっと大きな目標をチームで追いかけるという生活が一番合っているのかなというのが、今考えていることです。

そこで、緩やかに仕事探しや新規事業のネタ探しを行おうと思います。

あとは8年振りくらいにフットサルをして死にかけたので、ヨガに加え、フットサルとランニングを習慣化できるようにしようと思います。

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Empty Dressyという無人のレンタルドレス店舗を運営しています。 https://www.emptydressy.com