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「政策起業家」と「政策事業家」の違い

英治出版さんから出されている以下の本に関連して、先日政策起業家に関する記事が出ました。

記事の中では以下のように書かれています。

「日本の社会実装に足りなかったのは、テクノロジーのイノベーションではなく、社会の変え方のイノベーションだった」と結論しています。そして、今後重要になってくる起業家の資質の1つを「政策起業力」という言葉を使って説明しています。これは、もともと政治学者のジョン・キングダンが「政策起業家」と呼んだものだそうで、社会課題解決のために必要な特定政策の実現を目指して動く個人のことです。情熱・時間・資金・人脈、そして革新的なアイデアと専門性など自身が持てるリソースを注ぎ込んで対話の場をつくりながら利害調整する。そうした政策起業力が、起業家やビジネスパーソンに問われるようになっている、というのが「未来を実装する」という著作に流れる通奏低音です。


政策起業家は、社会の変え方のイノベーションを起こす存在、
特に公共領域、公共政策へのイノベーションを起こしていく存在であるということです。

日本の中でも以下のような団体が取り組んでいるように思われますが、
果たして「政策”起業”」なのか?それとも「政策”事業”」なのか?
はたまた「政策”提言”」なのかは詳細に研究を進めていく必要があります。

そもそも「政策起業」と「政策事業」の違いは何でしょうか?

昨年行われたPEP2020「なぜ今政策起業が必要なのか?」において、
青山社中株式会社筆頭代表の朝比奈一郎氏は、以下のようなことを述べています。

政策事業とは、日本版なんとか見たいな海外にあるものを持ってくる。これは通りがいい(政策が実現しやすい)。そういう形で政策を作って、政策事業をすることはできる。
でも本当に今の日本の社会とか日本の現状にあった政策起業ができているかっていうと非常に難しいところがある。これはやっぱり迫力を持った若手がどんどん出てきて、「俺に政策作らせろ」というダイナミズムが必要。

つまり、「起業」という意味で、新しい概念やアイディアに基づいた政策が必要であり、日本の課題を解決できるような、ソーシャルイノベーションにつながるような、政策が必要であるということだと理解しました。

ただし、朝比奈氏の発言においては官僚の文脈でしたが、実際に政策を立案し、実行し、社会実装する、その結果として社会課題を解決していくところまで行うのが政策起業家だとすれば、官僚の肩書きだけでは難しいのかもしれないと思いました。

また民間(非営利)サイドから行おうとすると、行政職員の方にとっては、行政の文脈とは違うものを理解していただき、それを行政の文脈に直し、政策形成を行って必要があり、とてもハードルの高いところなのだろうと思います。
(どうしても、行政職員の方は、「前例」や「他地域での類似政策があるか?」ということを気にされます。)

だからこそ、「問題のフレーミング」「模範を示してリードする」「アドボカシー連合との協働」などの戦略が必要なのだと思います。

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