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ガリガリ君値上げ?値上げはどのくらいの効果を及ぼすのか考えてみた

ちょっと前の記事だが、ガリガリ君が値上げになるみたいだね。何年か前(10年位前?)に60円から70円に値上げしたときは社員全員が頭を下げた動画が上がって話題になった記憶があるが、今回は何かするのかな?

ガリガリ君はかなりの人気商品だ。私も大好きな商品。
特に夏は良く買ってきて食べていた。安くて美味しくてカロリーも低くてありがたい。

そんな人気のガリガリ君。今どのくらい売れているのだろうと興味を持って調べてみたら…
年間4億本越え
ということらしい!
全国民が年間3本以上食べている計算…スゴイな。


これだけ人気のガリガリ君。おそらく10円値上げになったとしても多くの人が同じように購入して食べるだろう。数年前に60円から70円に値上げした時も販売本数は減らず、むしろ増えたぐらいだったそうだ。

今回の値上げは70円から80円への値上げなので、約14%の値上げとなる。14%?それほど大きくない?(ちなみに郵便は3割くらい値上げになるらしい)と感じるかもしれない。

では、どのくらいの影響力があるのだろうか?概算で考えてみよう。ちなみにガリガリ君を売っている会社、赤城乳業さんは他の商品も販売されているが、ガリガリ君に絞って考えてみる。

まずガリガリ君の売上高はどのくらいだろう?4億本として計算すると、
70円×4億本=280億円
と計算される。

利益を概算する時に次に大事なのは「原価」だ。それも固定費を除いた原価、いわゆる直接原価計算での原価で、変動費とも呼ばれる。販売数量に比例して増減する経費だ。ガリガリ君1本なら1本分。10本なら10本分、1億本なら1億本分の原価がかかる。

この変動費の率を仮に25%として計算してみよう(飲食店とかだと30~40%くらいが多いが、ガリガリ君は材料的にもっと低くなると仮定して計算)

すると原価率、まあほぼ材料だろうから、材料費の金額は
280億円(売上高)×25%(変動費率)=70億円

売上高から変動費を引いたものを粗利益という。会計用語では限界利益ともいう。この金額は以下の通り。
280億円-70億円=210億円

この粗利益から固定費(販売本数に比例しない経費)を引いてようやく利益が出る。今回は固定費を200億円と仮定しよう。
210億円-200億円=10億円

これで現在の利益が概算できた(ほぼ仮定計算なので正確ではないのはご了承を。頭の体操なので)。次は値上げによる影響を見てみよう。

値上をすると売上高はどうなるだろうか?販売本数は変化なしとして。

売上高:80円×4億本=320億円
280億円から320億円へ増加。14%ほどの伸びだ。

次に粗利益は?今回は1本あたりの材料費に変化がないとする。そうすると値上げ前の材料費と同じになるので

粗利益:320億円-70億円=250億円
となる。210億円から250億円に約19%の増加だ。

では利益はどうなるか?固定費も変わらないとすると…

経常利益:250億円-200億円=50億円
10億円から50億円に
実に5倍!
14%の値上げだが、この計算では利益は5倍になる。すごいよね。

増えた利益は40億円。ちょうど値上げの10円×販売本数4億本と一緒だ。つまり、値上げした分そのまま利益になるのだ。

値上げ、値上げは厳しいが、こう見ると値上げすればどれだか企業が助かるか分かるだろう(もちろん販売数量減らない前提で)。

粗利益が増えれば固定費である給与を増やす余地も出てくる。この値上げの波、次は是非賃上げにつながって欲しいね。

ガリガリ君だけの話ではない。皆さんの会社でもちゃんと計算して考えていきましょう!ちなみにこれを知るにはMG研修が一番だよ!

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2060


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎
まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!
ご質問等ある方はコチラまで!


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