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カレーメシ10周年!から考える、人間合理的ではないということ

日清のカレーメシが10周年らしい。もうそんな前になるのか!何度か食べたことあるが、美味しいよね。

そのカレーメシ、売れない時代を抱えつつ、作り方を変えるなどして販売個数を増やしてきた経緯がある。この話が面白いので取り上げてみよう。

今売れているのであまり実感として分からないが、当初は売れなかったらしい。「ごはんは家で炊けるけど、ラーメンは家では作れない」という理由で売れなかったとか。なるほど。そういうこともありそうだ。

ほかにもお客様から「これは最初から混ざっているからカレーライスじゃない」ということを言われたので「カレーメシ」という名前にしてカレーライスとは一線を画す別の食べ物として認知を広げたという話も面白い。

それに、タイトルになっている、『水を入れてレンチン!』から『お湯を注ぐ』という形にしたことで売上UP!とか面白い話が多い記事だ。

今回この記事を読んでいて思い出したことがある。それは行動経済学の「現状維持バイアス」というものだ。

人間現状からの変更を好まずに現状を維持する意思決定をしようとする傾向があるというものだ。

「カレーライスじゃない」という意見も、カレーライスはライスにカレーがかかっているもので混ざっているのはそうではない、という現状のイメージを維持しようとしている。

「ごはんは家で炊けるけどラーメンは作れない」というのも豚骨で出汁をとるとかならともかく、他の味なら作ることができる。これも「お米は毎日炊いている」という現状の肯定だろう。

面白いのが「お湯を入れて作る」という作り方が好まれるという点。「水を入れてレンチン!」の方がお湯を沸かす手間を考えたら、手軽だ。

だけど、お湯を沸かして入れる方が「簡便性や利便性を感じてもらえる」と考えそうしたら、予想通り販売数が増えたとか。

「簡単な調理」や「利便性」のイメージが「レンチン!」よりもカップ麺のこれまでの作り方のイメージの「湯かけ調理」だったというので面白い。

これも「簡単な調理」というイメージの現状維持と言えるだろう。

このように人間は合理的な生き物ではない。合理的な判断ばかりを行うことはない。

新商品開発や売り方を考える時もそのことを忘れずにしよう。
お客様は大きな変更を望んでいないかもしれないからね!

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2062


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎
まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
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この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!
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