みぞれ混じりの銀座でスタイリング。
「天気予報は曇りだったのに、雪降ってるぞ。。。」
暖冬で油断しきった身体に、昨日の寒さはかなり刺激的でした。
そんな中、僕はお客さんのスタイリングでした。
みぞれが降る休日、わざわざ銀座で買い物をしようなんていう人は少数派です。いつもにぎやかな休日の銀座も、昨日は随分とガラーンとしていました。つまり「超買い物日和」だったんですよね。
どうせ服を買うなら、人がたくさん溢れるよりも、ゆったりとした中で選びたいじゃないですか。それだったら「天気の悪い日」は最高です。雨降ったから買い物に行こう。人と違うことを考えるって最高ですね。とてもスムーズに買い周りができました。
昨日のお客さまは「タイムバンク」というサービス経由で僕に依頼をしてくださいました。これは初めてのことです。僕にはタイムバンクについて説明する技量がないのですが、ここ数年で生まれた新しいサービスです。
▼タイムバンク
https://info.timebank.jp/
今まではホームページや人からの紹介で僕のことを知ってもらうことが多かったのですが、最近はタイムバンクだったり、Youtube動画だったり、今までとは異なる経路で僕のところまで着てくださる方が増えました。
時代の変化を感じますね。こういう変化に戸惑うよりは、なんかオモシロイものだな〜と、僕はワクワクしながら日々を生きています。
なぜスタイリストに依頼するのだろう?
昨日のお客さまは私服のコーディネートを僕に依頼してくださいました。30代から着る服のテイストが全然変わらないまま40代を迎えて、ファッションに違和感を覚え始めたのがきっかけだったようです。
たしかに、数年に一度「なんか、ファッションがしっくり来ないな」と思うタイミングを迎える人は多いです。これは自分自身が歳を重ねて変化したこと、時代のトレンドも変わり続けていること。この2つが大きな原因です。
だから10年に1回は自分の着こなしを見直して、ガラリと変えるというのはとても効果的だと思っています。ただ、なかなか勇気がいることですし、手間も掛かるので、多くの人はそれを放置して「おっさん化」していくことになります・・・
僕はお客さんと一緒に買物に行く前に、カフェで1時間ほどお話をします。その中で、こんなことを伺っています。
・なぜファッションを変えたいと思ったのか
・どんなファッションに変わりたいのか
・普段どんな服をよく着るのか
・普段はどれくらいの価格の服を着るのか
・どんな服が好きで、どんな服が苦手なのか
・ファッションを変えることで、誰にどんな印象を与えたいのか
この辺りを美味しいコーヒーを飲みながらお話しています。ちなみに僕が気に入って使っているのが「バーニーズカフェ」です。繁忙期になると、週に4〜5回はここにいます 笑
おしゃれですし、席もゆったりしているので大のお気に入りです。カフェで僕を見かけたらぜひ声を掛けてくださいね。
話は脱線しましたが、お客さんと会話をする中で、ヒントをたくさん見つけていきます。スタイリストとしての僕の役割というのは「大山 旬が考えるおしゃれなファッションを提供する」ってことじゃないんですね。
お客さんの雰囲気、キャラクターによく馴染みつつ、これまでにはない新鮮さを感じ取ってもらえるようなファッションを僕は提供したいと考えています。
だからお客さんの様々な情報がとても大切になります。どんな仕事をしているのかも知りたいし、どういう雰囲気なのか、キャラクターなのかも知りたいです。そういう情報をファッションに生かさないと「服だけが浮いている状態」になるからです。
僕の服の提案の方法
そしてお客さんのことをある程度理解した状態で、今度は実際にお店を回ります。ここでもお客さんにはたくさんの服を試着してもらうんですね。
今回は「ベーシックできれいめな休日着」がテーマでした。買うべきアイテムもある程度決まっていました。たとえば、ネイビーのチェスターコートを買うことが決まっていたんですね。僕はこういう時に「これがいいですよ!」と決め打ちしてお薦めすることはありません。
ネイビーのチェスターコートだけで3〜4着くらい着てもらうんですね。その中でどれがしっくり来るのか、僕とお客さんの感覚で絞り込んでいきます。
同じような物をたくさん着ると、どれがどれだか分からなくなりそうなもんですよね。それがですね、分かるんですよ。何度も着ていると「どこがどう違うのか」「どれがしっくり来るのか」それがお互いに分かるんですね。
4着から2着に絞って、最終的に1着に絞る。ここはあえてお客さんに託しています。僕は決めないんですよね。それはお客さんに「自分で選んだという感覚」を持ってもらいたいからです。
僕は世の中の多くのチェスターコートの中から、「この中からだったら、どれを選んでもらってもOK!」そう思えるコートを4着選んでいます。ここからはお客さんの領域。どれがしっくり来るのか、その中から選んでもらう。僕はこのスタイルを大切にしています。
服って「自分の感覚に合うもの」がよく似合います。【なんとなく】っていう感覚はとても大切で、それは本人しか分からないものなんですよね。僕はそのなんとなくを尊重しながら、お客さんの新しいスタイルを創り上げる、お手伝いをしている感覚です。
昨日もお客さまに喜んでもらうことができました。スタイリング後に「奥さんも似合っていると言ってくれました」とメールを頂いたのですが、これはめちゃくちゃ嬉しいことですね。
やっぱり一番身近な奥様に褒めて頂けたらそれが一番です。そしてご自身にとっても気分が上がるようなファッションであれば更に良いですね。
ただおしゃれにすればいいってもんじゃないです。あくまでその人のライフスタイルや雰囲気に馴染んでいるかが大切なんですね。だから身近な人が気に入ってもらえるかどうかは良い判断基準になります。
現場からしか学べないこと
インターネットを通じて様々なファッションノウハウを配信している僕ですが、このような生のスタイリングを通して様々なことを学んでいます。現場を見ないとリアルなことは語れないので、これからもスタイリングの場面と向き合い続けたいなと改めて感じています。
「おしゃれ」っていう敷居が高く感じるものを、いかに多くの方に分かりやすく伝えるか。リアリティを感じてもらえるように伝えていくのか。僕はその方法を常に考えています。
ぜひみなさんも僕のコンテンツを楽しみながら、ファッションへの理解を深めて貰えたら嬉しいです。
一昨日も動画をアップしたので良かったらこちらも見てくださいね!
それではみなさん、今日も素敵な休日をお過ごしください!
スタイリストの大山 旬でした。
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