スポーツ現場実習の学生トレーナーの教科書〜スポーツ現場でのトリアージ〜
学生トレーナーとして、スポーツ現場に立つ時に求められるのは、スポーツ現場における救急処置になります。
アスレティックトレーナーの大切な役割の1つは、安全管理体制の構築であり、学生トレーナーとしてスポーツ現場に立つにあたり、CPR/AEDとスポーツ現場での各会場の緊急対応計画(EAP: Emergency Action Plan)の把握は必要最低限の知識・スキルと言っていいのではないでしょうか。
今回は、CPR/AEDとEAPを利用するような緊急時に限った救急処置だけではなく、スポーツ現場で選手が受傷した際にどのように対応を判断しているかの全体像を説明していきたいと思います。
目次
・第1次評価と第2次評価
・オンフィールドとオフフィールド評価
・災害時のトリアージ
・災害時のトリアージをスポーツ現場に応用
まずは、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーのカリキュラムで利用されている教科書を参考に第1次評価・第2次評価とオンフィールド・オフフィールド評価の説明をして、災害時に短時間で最善の救命効果を得るために、傷病者の傷病程度を判定と選別により優先度を判断するトリアージを紹介し、最後に、災害時のトリアージをどのように私がスポーツ現場に応用しているかを紹介させていただきます。
アメリカでは、ボストンマラソンでの爆発事件が起きてから、アスレティックトレーナーにも災害時のトリアージの教育はより力を入れ始め、ボストンマラソンのような大きな大会・イベントにおけるテロなどへの安全管理体制の構築(セーフティースポーツ)や学校などで銃乱射事件が起こった場合も想定してEAPのシミュレーション訓練をしています。
災害時のトリアージを学べば学ぶほど、アスレティックトレーニングのカリキュラムで学んできた第1次評価・第2次評価やオンフィールド・オフフィールド評価は、授業や本で学ぶ形式としてはとても分りやすい評価方法・分類ではあるものの、実際のスポーツ現場での実際の動きとは隔たりがあるという感覚が強くなってきました。
実際のスポーツ現場での実際の動きを災害時のトリアージを利用して、”スポーツ現場でのトリアージ”として説明することで、授業で学ぶような評価方法・分類より隔たりが少なく、スポーツ現場で選手が受傷した際にどのように対応を判断しているかの全体像を理解してもらいたいと思います。
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