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五輪の書から学ぶ継続の極意


大工が心がけることは、よく切れる道具を持ち、
それを暇さえあれば研ぐことである。
     ―――――宮本武蔵『五輪書』


▼▼▼メルマガの書き方▼▼▼


シーズン4からメルマガの書き方を変えた。
それは最初に書いたように、
「思考の轍」から脱するためが大きい。
同じ形式で書き続けると、
同じ思考様式しかしなくなってくる。

シーズン1~3では、
レギュラーコーナーに、
「読んだ本」「見た映画」というのがあった。

これは僕が読んだ本や見た映画を、
ひたすら紹介していくというコーナーなのだが、
読書メモに僕がコメントを加え、
パラフレーズ(言い換え)をし、
そして所感を添える、
というようなものだった。

今、YouTube、Podcastでやり続けている、
「ひとりビブリオバトル」は、
実はこのコーナーを口頭でやっているだけだ。

「読んだ本」「見た映画」の強みは、
「自動化できること」だ。

僕はわりと継続することが得意だ。

僕の少年時代を知る、
僕の姉や弟や母は、
「嘘つけ!!」と言うだろう。

嘘も休み休み言え、と。

その気持ちも分かる。
だって、僕は三日坊主が服を着て歩いてるような人間だったから。
勉強は反吐がでるぐらい嫌いなくせに、
姉や弟が「進研ゼミ」みたいなのをやると、
「ずるい!」となり、
それをやりたいと母にせがむ。
最初の一号をやって飽きる。

次号からまっさらな進研ゼミ(もしくはZ会)が、
山積していく。
母親は解約しているが、
僕は解約されたことにすら気づかない。
飽きて久しいから笑。

万事がこんな感じだったから、
僕が継続が得意だなんて、
冗談もほどほどにしとけよ、
と怒気を込めて僕の家族は言うだろう。

しかし、である。

大人になって僕は変わったのだ。
変わったというより、
だいたい20年ぐらいかけて、
僕は「飽きやすく、
根気もない人間が継続するためのメソッド」を、
自分なりに開発・構築・発展させたのだ。

僕には根気はないが、
創造力があるのだ。

アリとキリギリスでいえば、
頭使って仕事を自動化して、
ついにアリの労働生産性を上回るキリギリスなのだ。

日本社会は、
「汗をかいていること自体」が評価されたりするから、
僕みたいな人間は「ずるい」に分類され、
あまり人から褒められることはないのだが、
僕みたいな人間が増えることが、
一人あたり労働生産性が、
先進国最低になった今の日本の現状を、
変更できる希望だと自分で思ってる。

誰も褒めてくれないから、
自分で自分を褒めるしかない笑。

▼▼▼自動化すること▼▼▼


さて。

では、どうすれば、
怠け者で根気がない人間が、
継続の達人になれるか。

これはもう、
情報商材として売れば、
1本5万円でも買う人がいるだろうが、
僕は気前の良いキリギリスなので、
なんと無料記事で公開しようじゃないか。
(有料記事、買って下さいマジで)

からくりは簡単だ。
「自動化」することだ。
これは脳科学や行動心理学の知見から、
もう完全に「正しい」正攻法なのだけど、
それは今僕がいろいろ学んだから分かるんであって、
20年かけて、試行錯誤のすえ、
この「正解」にたどり着いたことを、
どうか惜しみなく褒めて欲しいのだ。
そして称賛の証として、
有料記事を買って欲しいのだ笑。

自動化の話をする前に、
継続することについて、
「メタ」な話をしよう。
かの宮本武蔵は『五輪書』で、
「勝てない戦いをしないこと」を、
最も大切なこととして挙げている。
彼の兵法のなかには、
「役に立たないことをしないこと」
が入っている。

「何をするか」よりも、
「何をしないか」のほうが大切なのだ。
足し算よりも、引き算が大切だ。
足し算は戦術だが、
引き算は戦略だから。

経営でも意志決定でも教会の牧会でも、
この違いが分からない人は本当に多い。

さて、
継続において宮本武蔵に学ぶことは何か。
それは、「何を継続するか」の選択だ。

継続するというのは、
大きな認知的リソースを使う行為だ。
だとすると、人が何かを継続しようとするとき、
その「スロット」は思ったより少ない。
リボルバーに弾丸を込めるイメージだが、
僕の相場観でいうと、
そのリボルバーに入る弾丸は普通の人で3つ、
少ない人で2つ、多い人で4つ、という感じだ。

ちょうど、お手玉と同じぐらいな感じだ。

「継続のジャグリング」を、
僕たちは5こも6こもできるようには造られていない。
だとすると、この3つに、何を入れるかが問題になる。
勝てない勝負をしないことがとても大切なのだ。

今の僕ならば、
1.筋トレ
2.書くこと
3.読むこと

ぐらいになるだろうか。
デボーションとか歯磨きとか、
もっといろいろあるだろうと思うかもしれないが、
20年以上継続しているこれらのルーティーンは、
もはや認知的リソースを消費しないので、
継続のジャグリングには入っていない。
読書もそれに近いが、
1日3~4時間、
目的をもって意識的に読もうとすると、
わりと技術が必要だ。

▼▼▼ハードルを下げる戦い▼▼▼


さて、やっと本題なのだが、
じゃあ何かを継続するときに、
何がコツになってくるか。

さっき言いかけたが、
それはひとことで「自動化」だ。

「いかに閾値を下げるか」
という表現になるのだが、
つまり、
「その行動に入るためのハードルを、
 どれだけ下げられるか」
これが継続において最も大切なことなのだ。

だから熟練のトレーナーは、
筋トレを続けたい人に、
「ジムから家が近いこと」を、
けっこう優先度の高い重要条件として挙げるのだ。
ホームトレーニーとなった今の僕の
ジムから家までの距離は、
というより「ベッドからバーベルまでの距離」は、
2.5メートルだ。
参入障壁、開始の閾値がほぼゼロだ。
だから鬱の時でも継続できた。

今は書くことの話をしているので、
メルマガの話に戻ろう。

「読んだ本」「見た映画」というフォーマットが、
継続という点でなぜ優れていたかというと、
それが「自動化」できるからだ。
僕は「自動化」できるもの以外、
継続しようと考えすらしない。
宮本武蔵の教えに忠実なのだ。

読んだ本のコーナーは、
僕のEvernoteの読書メモを、
テキスト編集アプリにコピペして、
それに解説を加えていけば自動的に完成した。
この「自動的に完成する」というのが、
書き続ける上でもう、
めちゃくちゃ重要なのだ。

YouTube、Podcastの音源は、
もう800本を超えているのだが、
僕は無限にコンテンツを生み出し続けられる。
これも自動化できているからで、
その自動化の方法は、
メルマガの「読んだ本コーナー」をスライドさせただけだ。

さて。

今回、書き方を変えた。

「読んだ本」のコーナーをやめて、
毎日の「絶望日記」と、
小説を軸として書いている。

これが、まったく自動化できていない。

認知的リソースを使いまくっている。

、、、

、、、

、、、

自爆、である。

何かを理解することと、
それを実践することの間には、
大きな深淵が横たわっている。
これも脳科学の知見が実証している。

というわけで、
なんとか絶望日記を自動化できないかと、
僕は日々脳みそを絞っている。

怠け者で根気がないということの利点は、
脳みそが引きちぎれるほど、
「楽をする方法」を考えることだろう。
僕はそうやって生きてきたし、
これからも生きていく。

何度も言うけどこの生き方は、
日本社会では褒められることが少ない。

有料記事を買(以下省略)。


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参考文献および資料
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『「五輪書」に学ぶ 宮本武蔵 八十の教え』大久保進
『書くことについて』スティーブン・キング

NGOの活動と私塾「陣内義塾」の二足のわらじで生計を立てています。サポートは創作や情報発信の力になります。少額でも感謝です。よろしければサポートくださいましたら感謝です。