【超私的感想】 R-1グランプリ 2021
ゆりやんレトリィバァさんの優勝で幕を閉じた2021年の大会。
メディアの末席中の末席に在籍させてもらっている身分ながら…ちょっと私見をチラホラと。
オープニング
他のコンテストに比べデザインなどがダサい印象があった『R-1グランプリ』だが【グランプリ】が”ひらがな”から”カタカナ”になり、音楽も若者に人気のある「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」が担当するなど、「新生R-1」の名に相応しくスタイリッシュになっていた。
印象としてはまぁまぁの滑り出し。
ただ、野田クリスタルさんがいきなりモノボケを入れ込むなど、ちょっと嫌な予感はしていた。(もう食傷気味。。しかもここはR-1会場。。)
予選1人目:マツモトクラブ
まずは「敗者復活枠」からということで。
(この順番は事前に行われた番組で協議され決められたらしい)
コレって、わりといい”取り組み”だと思った。
コンテストの宿命でトップバッターというのは「基準」になるため、どうしても低い点数になりがち。
そこを敗者復活枠にあてれば、最初からの本戦出場者との【ハンデ】としてもいいんじゃないかと。
ネタは、同じナレーションの中で全く違うシチュエーションを生み出すという、マツモトクラブさんの芸の真骨頂。
伏線回収の仕方がキレイで、予選の中では個人的に一番好きなネタだった。
ただ、想像以上にトップバッターという足枷は重たかった。
予選2人目:ZAZY
お得意のフリップ芸。
4面のフリップを惜しみなく使いこなしZAZYワールドの”領域展開”!
面白いには面白かったが、古坂大魔王さんの99点は「2人目からそんな点数を?なんそれ!」と思ってちょっと引いた。
これからあと8人も審査があるのに、そんな高得点をつけちゃうなんて審査員として大丈夫なの? …と不安にもなる。
予選3人目:土屋
2.5次元の舞台『弱虫ペダル』を彷彿とさせられる。
田原俊彦口調…好きな人は好きなネタなんだろうなぁ。
予選4人目:森本サイダー
「そんな目のつけどころがあったか!」と気付かされて面白い。
わりと初めて見る伏線回収スタイル。
ただ…ここから時間が押してしまったせいか、点数の発表がまとめて出るようになってしまった。
視聴者投票でネットの遅延が発生するトラブルがあり、ただでさえキツキツのスケジュールが押してしまったようだ。
以降、誰が何点をつけるのか…という発表のドキドキ感がまるで無くなってしまって残念に思うのと同時に「これ…このままで放送時間内に終るのか?」との不安も出てきてネタに集中できなくなる。
大して得点に影響が出ない視聴者投票の点数のために、番組進行に深刻な影響が出まくるという…。
審査員がただの”マシーン”になった瞬間。
予選5人目:吉住
個人的に”カメラワーク”はいらない気がするんだけどなぁ…。
正面の特等席! 観客目線でジックリ見ていきたいよ。
「ここを見ろ!」みたいな演出家の意図が見え隠れするの、ちょっと嫌…。
カメリハでカメラワーク練習する暇あったら、もうちょっと時間配分のことを考えてあげて欲しかった(涙)。
あと、カメラワーク次第で視聴者投票が決まってしまう可能性もあるからやらない方がいいと思うんだけど…。
お笑い番組のネタの見てもらい方とコンテストでのネタの見てもらい方は違うと思うな…。
そっちが気になってネタに集中が出来なかった。
予選6人目:寺田寛明
フリップ芸の超王道、定番中の定番。
お笑い初心者にお笑いの楽しみ方を知らしめるネタ。
予選7人目:賀屋(かが屋)
演技力がハンパない!
そこから、コーヒーを大切な原稿にこぼしてしまって「ヤバい」という感情の表し方が秀逸。
からのマスクでのオチっていう時代をも反映させてた(笑)。
納得の予選通過。
もう視聴者ポイント無くてもいいと思い始める。
たった1〜5点と最大で4点しか差がつかないのに、あんなにムダに時間を取られるのは…どうなんだろう?
予選8人目:kento fukaya
3面のフリップを、それぞれ計算しながら縦横無尽に使う感じが小気味よい。
ZAZYとはまた違ったフリップ芸へのアプローチで「へぇ〜」と思った。
引いてみると…技術に溺れてる?
予選9人目:高田ぽる子
芸歴2年目で決勝…まさに「新生R-1」っぽい感じが一番した芸人さん。
ただ、この子もフリップ芸…。
それでも、鳥居みゆきを思わせる独特の世界観があってからの、ガチで上手な縦笛w
そういうギャップが面白かったし良かったが、今回は相手と順番が悪かった。
「またフリップ?」と思われる前にやっていたら、点数は違っていたかも。
予選10人目:ゆりやんレトリィバァ
目につく無生物にツッコミ入れていくネタ。
一気にかっさらっていったねぇ…。
結果…トップはZAZY、2位がゆりやんレトリィバァ、3位が賀屋に。
で! その決勝進出者が決まったのが20:30…。
「1人5分の持ち時間として15分…。感想などあって…ギリギリ収まるな!」
と、とりあえずは安心。
決勝1人目:賀屋(かが屋)
おならネタ、演技力は凄いが…。
決勝2人目:ゆりやんレトリィバァ
インタビューを受けると見せてからの自虐&音ネタ。
決勝3人目:ZAZY
クリッ〜プ!!
本人? スタッフ? どっちのミス?
「あーあ…」と笑いの興味から一瞬冷めたけど、実際は点数にどう影響したんだろう?
優勝者:ゆりやんレトリィバァ
賀屋はしゃーないとして、ZAZYとの僅差でゆりやんレトリィバァに軍配!
目についた反省点
『M-1グランプリ』と同じ10人分のネタや感想コメント・敗者の中継を、向こうより24分少ない2時間番組でやろうというのがそもそも間違っていた。
点数が発表されるドキドキ感の演出が全て無駄に!
審査員の評価がまるで聞けず「なんでその点数になったのか?」がまるで不明。
で、その理由をU-NEXTで放送された反省会まで追いかけて聞こうとは思えない。
最後はゆりやんの感動コメントが聞きたいのに、なんで1回戦をプレイバックしたの!?
(噂ではローカルネットの関係らしいが…んなもん大会前に調整してよ!)
贈呈式の進行がグダグダ…有吉さんが「スタッフも10年以下?」ってラジオで言ってたけど、それぐらいちょっと見ていられなかった。。どうしたんだろ?
えっ!? エンディングにダイジェストだって?? 結婚式で出席者の名前を生い立ちVTRで最後に流れるスタッフロールに入れるような余興感を覚える。。
後日のマスコミの報道
まぁ、とにかく「ネタの面白さがどうのこうの以前の問題」が指摘されまくりで。
お笑いに詳しくない俺より、お笑いに精通している専門家の意見のが分かりやすいと思うので、ラリー遠田さんのR-1評を貼っておきますわ。。
ラリーさんは「1年目の大会だと思って(ミスは)大目に見てあげて。これから成長・成熟する大会」というようなことを言っているが、その【1年目】の制作スタッフによる大会に巻き込まれた芸人さんがあまりにも可愛そうすぎると思う。。
そもそも学園祭を運営する大学生じゃなくテレビ番組制作のプロ集団なんだし、過去18回分の見本があるわけで、それを「生まれ変わったばかりだから許して」と評するのは…個人的に解せないっす。
※むしろラリーさんはお笑いに愛があるなぁ。。
カンテレ仕切りととフジテレビ仕切りの差なのかもしれないが、それが如実に視聴率に出ちゃっていた。
結果、東スポにも酷い書かれようしているが、これじゃ仕方ない。。結果論。
コアではなく世帯が6%台というのは…マジで厳しい。
(ってことはコア4%ぐらい? まだ見れないが)
大会をリニューアルしたばかりだからとかじゃない、根本的にいろんなミスが重なった結果がゴールデン6%の視聴率という結果に現れたわけで。
ガチの打ち切りレベルの数字だな…。。
年々視聴率が下がり続けている中で、このまま大会を続けても【ピン芸】の地位向上に繋がらない。
歴史の浅い『THE W』にも負けてる。
『THE W』からは”3時のヒロイン”とか「次世代のスター」が生まれたことで権威もついてきているし。
極論だけど「コンビ組んでいる人がピンで出るの禁止!」や「優勝者はコンテスト卒業!(連覇狙いのエントリーはダメ)」とかにしないと…。
そりゃ粗品さんとか面白いし、昔で言えば博多華丸さんがブレイクのキッカケを掴んだのも『R-1』でのアタックチャンスだったし…。
その線引きは難しいかもしれないけど。
ただ、誰かが何かを大英断しないと『R-1グランプリ』は「テレビで活躍する認知度のある芸人が賞金という名の臨時ボーナスをもらうためのコンテスト」に成り下がってしまい、大会自体の格も落ちる。
「10年以下に絞って出場者が若返り」をしたことで、結果的に高齢者が「誰なの? この芸人さんたち?」となって世帯数字が落ち。
さらにはトラブル連発で「見ていられない」となって興味を失う人が多数。
トドメが「新生」を謳って若手発掘をするはずの大会なのに、すでにお茶の間で大人気のゆりやんレトリィバァさんが優勝してしまい…まぁ、それはそれで感動なんだけど…若干の興ざめ。
昔で言う「剛力彩芽さんが事務所にゴリ押しされて非難されていた」ような状態に陥ってしまった雰囲気になり大会の価値を下げてしまうっていう現象が発生。
グルメコンテストで言うと…【ネクストタピオカ】みたいな新しい味覚の登場を期待していたら【とらやの羊羹】が優勝しちゃったような展開か?
そりゃめちゃくちゃ美味いけど「このタイミングでとらやが優勝って…」って言いたくなる。
個人的には審査員も理論立てて語れる人が欲しい。
サッカーの解説者みたく「ゴーーール!」って叫ぶような感想を述べる場所じゃないよね…お笑いの審査って。
誰もが納得するポイントを押さえて「それが面白かった!」と言わなきゃいけないから、M-1の審査員はあれほどストレスを抱えるのに。
マヂカルラブリーさんをバッサリと斬った上沼恵美子さんを見ればわかる通り、プロがプロを評論するってそういうことだと思うな。
今回は、みんながみんな「仲間(芸人)」に優しすぎる印象。
あと、審査員個人の「お笑いに対する好み」ってのもあるのは分かるが、それはそれ。
舞台に立つプロからみて「あるあるってサムいよね」「あのシャワーのシーンを入れたかったネタだったんだろう」とかじゃなくて。
テレビの前にいる(俺みたいな)お笑い素人を納得させて欲しかった。。
以上が、部外者だから好き勝手に言い放題の【超私見】です。
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