トゥー・キッズ・ア・デイが放送されます

世界のベスト!教育コンテンツ ~第50回日本賞~ | Japan Prize International Contest For Educational Media -日本賞- (nhk.or.jp)

この作品、BS世界のドキュメンタリーでも放送されています。
そのときのタイトルは「狙われる少年たち -イスラエルの「抑止的」治安対策-」(原題:Two Kids a Day)でした。BS世界のドキュメンタリー - NHK

これを見たときの感想を、Twitterに書いていたので、ここにまとめておきます。

録画していたBS世界のドキュメンタリー「狙われる少年たち -イスラエルの「抑止的」治安対策-」を見終わった。

2022年エルサレム・フィルム・フェスティバル「最優秀取材賞」受賞作品
2015年、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人の少年がイスラエル兵に射殺された。葬儀の後、友人の少年たちがイスラエル側に投石。当局に連行された彼らの尋問の記録映像には、手錠をかけられた少年たちが大声で脅されながら詰問されている姿が。そして治安当局関係者へのインタビューからは、少年を狙うことで効率的に抵抗運動を抑え込むという戦略が浮き彫りになる。
原題:two kids a day/イスラエル・2022

番組ホームページより

イスラエルで制作されているからなのか、直接的にイスラエルの行動を批判する言葉はほとんどない。治安当局関係者の語りは冷静で、感情的ではなく、穏やかに語られる。それだけにグロテスクに響く。人権活動家による解説が印象的だった。なぜ子どもを逮捕するのか。
若い世代の心をくじいておけば、イスラエルの入植者たちが安全に暮らせるから。イスラエルの前でパレスチナ人は従順でなければならない。そのために大量に人を殺すことなく、効率的に事を運ぶために、若者を脅すのだ、と。若者っていっても、映像に登場するのは十三歳の子どもです。
十三とか十二とかの子どもが手錠をかけられたまま尋問される映像を見ていると、正直、動悸が止まらなくて、いったんストップして何度も深呼吸したくらいです。そういった映像を流したあと、治安当局の責任者が国連に組織的な虐待を非難されたが、そんなことはしていない、私たちは単に犯罪者を取り締まっただけだ、自分の心を眺めても一切の嘘はない、という「冷静で理知的な語り」が流れる。迷いのない、それこそ嘘をついているという自覚もなくて、本当に自分の言葉を信じているんだろうなと感じられる顔をしていた。子どもたちの多くは投石の罪で刑務所に送られる。
登場した子どもたちは十六歳から十八歳。刑務所で過ごした時間は二年半から四年でした。作品の最後には投石する人々のところに催涙弾が飛んでくる映像が流れ、拡声器から流れるイスラエル兵の声が聞こえてくる。それは、こんな内容だった。

「アイダ難民キャンプの人々に告ぐ」
「我々は占領軍だ」
「投石するなら催涙弾で対応する」
「子ども 若者 高齢者 全員殺す」
「一人残らずだ」
「お前らの仲間を今 拘束してる」
「投石を続ければ目の前で殺す」
「家に帰れ」
「さもなくば催涙弾だ」
「皆殺しにする」
「家族全員 子どもだって容赦しない」
「殺しに行く」
「よく聞け」
「家に帰った方が身のためだ」

治安当局の元責任者は、虐待など行っていない、もっと多くの子どもたちを逮捕だってできたのに、平均すれば一日にたった二人の子どもを捕まえただけだと言っていました。要するに、私たちは手加減していたんだ、我慢してやっていたんだ、人道に配慮して、と言わんばかりだった。 我慢して、このスピーチだったというところを、きちんと映像に収めていた。 なぜこれを地上波で流さないかなと、いつものように見終わってから思いました。
治安当局の元責任者は、イスラエルはパレスチナを支配しているのだから、犯罪者を軍事法廷で裁くのは当然なんだと主張していた。だからイスラエルに住む人と、パレスチナに住む人は違う法律で裁かれて当然なんだと。書くのを忘れていたので追記。

地上波で流してくれるのは、とても嬉しいし、多くのかたに見て欲しいです。

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