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ベトナム教育スタートアップで「分析できるチーム」作り中の今

前職を1月末に退職し、2月頭から単身ベトナムにやってきてから半年が経過しました。日本で実務を1年しか経験していないため、ワークパーミッションが降りるのか不安でしたが、この度無事取得することができ、さらに2年ほどベトナムですごそうかと思っているところです。この2ヶ月ほど、分析できるチームづくりのために奔走してきました。半年経過したタイミングでもあるので、久々に文章を書いてみようかと思います。

* 私は今Manabieというベトナムを中心にオンライン教育サービス、OMO型の塾を運営しているスタートアップで働いております。

分析できるチームを作る

ユーザーインタビューの体制づくり
お客さまの声を集約できていないという大きな問題がありました。まず、最初に着手したのが、「お客さまを知ること」そのものでした。ベトナムの高校生はどんなペインを持っているのか?日本と同じように受験勉強に多大な労力を投下するのか?保護者様はどのような価値観を持っているのか?提供しているサービスのどこには価値を感じていて、どこには価値を感じられていないのか?それらを細かいレベルで知らなければ、これから出す改善施策も全てが浅いレベルのものになってしまい、大きなグロースを達成できません。

まず、6月頭よりたまたま現地の優秀な学生がインターンとして一人しかいなかった、私のチーム(?)に入ってくれました。そこからイシューを特定する目的でのデプスインタビュー用スクリプトを作成し、スクリプトの読み合わせ、ロールプレイなどを経て、実際にインタビューを開始しました。2ヶ月ほどで40人ほどのお客さまと話すことができ、デモグラフィック情報や、どの部分に価値を感じ、どの部分には価値を感じられておらず、根本的に改善する必要があるのか、などの情報を得ることができました。40人のインタビューノートを読み、そこから共通するイシュー、共通はしないが、リテンションに強く効くであろうイシューなどを優先順位で並べ、改善施策をバックログベースで作り始めました。

これまでの「とりあえずやろう」から「まず分析してイシューにアドレスする形で施策を打とう」という風に方向性を変えることができたかと思っています。まず「お客さまの声を聞こう。話はそれからだ」という文化が形成され始めているので、今後もチームとして分析能力を高めていけるようにしていきたいと思っています。

インタビュー以外のフィードバックループ作り
インタビュー以外には、授業やコンテンツの観察によるフィードバックループ作りにも着手しました。教育サービスはシンプルに授業やコンテンツの質が良いかどうかが継続するか否かに直結してきます。そのため、お客さまからの「なんとなくこの授業よくない」の深堀りだけではなく、プロフェッショナルによる、観察、観察結果による週次での改善が先生やコンテンツ作成側によって実行されている必要があります。

そこで、チームの教育の専門家の方達が授業のアカデミックな部分に対する観察、私とインターン生側では「良いオンライン授業とは何か」を定義し、その定義に沿って、どこは改善すべきかを週次で先生方に伝えるようにしました。観察だけではなく、ユーザーインタビューもユーザーベースだけではなく、先生ベースで、各先生に特有の改善点を引き出し、まとめるようにしています。

実行者の声の吸い上げの仕組み作り
特にOMO型ビジネスにおける現場からの声の吸い上げがかなり弱い状況がありました。そのため、塾長の立場にある人とは週次で1-2時間、多い時は5時間、サービス利用者について話をしまくり、コーチ(日本の予備校でいうチューターのような存在)とも2週間に1回必ず、1時間ずつ塾長を含めて担当学生についての議論をする場を作りました。これにより、徐々に実際にどのような学生と向き合い、学生1人1人はどのようなペインを抱えているのかが少しずつ明らかになってきました。ここで得た情報とインタビューやサーベイなどで得たお客さまからの情報を合わせて、改善施策を作っていきました。

トレーニング・モニタリングシステム作り
実際に改善施策を作った後は、実行者の方々にトレーニングを受けていただく必要があります。トレーニング資料を作り、毎週トレーニング、ケーススタディセッションを行うことで、1人1人の生徒にどう対応していくのかを理解していただく必要がありました。こうして、60-70%ほど理解をしていただいたら、後は実際にやり始める必要があります。実際にやり始めたら、例えば、返信速度がどうであるか、返信クオリティはどうであるかなどアプリで管理できるデータに関しては、SQLを叩いて、モニタリングダッシュボードを作り、塾長に逐一チェックしていただき、定性的なデータに関しては、月次サーベイや、2週に1回のコーチとの面談にて、コーチはどの部分が理解できていないのか、どこがお客さまに価値として伝わっていないのか(もしくはそもそも価値がないことをしているのか)をフィードバックとして集めます。また、実行段階に移った後も、2週間に1回はケーススタディセッションを実施し、問題の共有と解決策の共有を図るようにしています。

結果
結果は、数値の伸びとして現れ始めている他、仕組みとして回していける状態が整いつつある気がしています。まだまだ定性的データが中心ではありますが、お客さまの人数が十分に増えてきたところで、データ基盤をガッチリと整え、定量データの分析もしていける体制を整えていきたいなと思っております。

お願い
偉そうにやっていることを書いてみましたが、若干新卒2年目の若造でしかないので、様々なプロフェッショナルな方々からのフィードバックをいただきたいです。ピープルマネジメントやUXリサーチ、データ分析、その他エキスパートの方々、ぜひ1on1をお願いいたします。逆に、話を聞いてみたい、などがあれば、そちらも喜んでお話しさせていただきたいです。よろしくお願いいたします。

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