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Blogmas(1), Dec 3rd - Black Jacobin Hummingbird Vocalization

突然ですが冬休みなのでBlogmasやります。実は好きなYouTuberさんが12月にVlogMasを始めたので、それに釣られた形です。

何をするかというと、好きな論文、記事を読んでいって感想置いておくだけです。途中でインドネシア行ったりマレーシア行ったりするのでその期間内はストップで、目標は20個コレを投稿すること。一日目は、Current Biology 2018年5月号に掲載された2ページほどの短い記事をざっと読みました。記事が短すぎるような気もするけどまあ一日目だからぼちぼちやっていきましょう、ということで。

記事の題は"Black Jacobin hummingbirds vocalize above the known hearing range of birds"です。Black Jacobinとは日本で言うとクロハチドリ、ブラジルのアマゾンに生息するハチドリの一種です。

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ハチドリにしては体毛は黒と白の二色で地味ですね。オスとメスの区別も体毛からは出来ないようです。

今回の記事はこのクロハチドリがおよそ鳥では考えられないようなFrequencyで音を発している、という内容でした。鳥の可聴域は人間より狭く、ほとんどの鳥は10キロヘルツ以上の音は聞くことができないといわれています。その中でクロハチドリの声は御覧の通り。

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系統学的に選別した48種の鳥を代表として比較してみても、鳥の基本的なコミュニケーション域は0.5~6kHz、メインは2~3kHz。なのでこのクロハチドリの鳴き声は、彼らの聴覚が独自に発達していることを示しているのか。

行動観察の結果からも、これらの高周波数の鳴き声が単に異常事態だけでなく日常的に鳴き交わされていることが判明。実はクロハチドリを含む系統群は2200万年前に一般のハチドリの系統から分離して分岐進化を遂げています。なのでクロハチドリって実はまだ体の仕組みとかがあまり研究されつくされてないんですね~。

一体クロハチドリの可聴域はどうなっているのか、本当に彼らは高周波数の音を聴いているのか、もし聞こえていないのだとすれば高周波数の声は何の役に立っているのか、後続研究が望まれます。

コスタリカで二年間、ハチドリも何十回と見てきましたが、実は彼らが囀る姿というのはほとんど見たことがありません。飛んでいるときは尚更で呼吸の速度が上がりSyntaxの可動域が変わるので更に周波数は高くなります。ハチドリって結構身近にいるようで面白く、歩けなかったり舌が透明だったり色々面白いんですよね。個人的には一番好きなハチドリはSnowcapです。オスは真っ赤なボディに純白の冠羽が映える美しい種です。

高校でも鳥の声でIAやEEをこなした身としては、鳥のvocalizationというのはとても興味のある分野です。Syntax(鳴管)のことであったり、さえずりの強化学習であったり、読めるものは沢山あると思うのでまだまだこれからが楽しみです。

今回の記事の参考文献はこちら↓ 読みたい方はぜひ。短い記事なので5分ほどで読めるかと思います。

Olson, C. R., Fernández-Vargas, M., Portfors, C. V., & Mello, C. V. (2018). Black Jacobin hummingbirds vocalize above the known hearing range of birds. Current Biology, 28(5), R204-R205.

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