いわき、奮闘及ばず連敗

明治安田J2リーグ 第22節

 サッカーのいわきFCは29日、ホームのハワイアンズスタジアムで横浜FCに0対4で敗れ、今季初の連敗を喫した。中2日での試合に臨んだいわきは31分にCKから失点。後半は62分、66分と立て続けに点を奪われ、アディショナルタイムにもとどめの4点目を許した。いわきは時おりカウンターから惜しいチャンスを作ったが、リーグ最少失点を誇る横浜Fの守備陣に完封された。いわきは8勝7分7敗の勝ち点31で暫定8位のまま。次節は7月6日に、ホームのハワイアンズスタジアムで大分トリニータを迎える。

昇格候補に力負け

 特段悪い出来には見えなかったが、結果的には今季ワーストの4失点。ラストパスも含め、ゴール前の精度は横浜Fの方が一枚も二枚も上手だった。象徴的だったのはカプリ―ニの3点目。左サイドの福森が斜めのスルーパスを出すと、DFとGKがともに触れない絶妙な位置に届き、飛び出したカプリーニがフェイントで石田をかわして決めきった。好機を確実に仕留める力がなければJ2を勝ち抜けないと、高額な授業料であらためて教わる形となった。

 連敗は今シーズン初めてとなったが、前節のV・ファーレン長崎を含めたこの2戦は、いわきにとっては格上の相手。内容的にはそこまで悲観することもないだろう。特に今節は棚田や下田ら、フレッシュな先発陣が期待を抱かせた。約1カ月ぶりのリーグ戦復帰を果たした照山も、鋭い縦パスと的確なカバーリングで、変わらぬ安定感を披露。次節以降の躍進に欠かせないピースが戻ってきた。

 次節も長らくJ1で戦ってきた大分が相手。順位はいわきが上回っているとはいえ、挑戦者としての気概を忘れず、激しいチェイシングを見せてほしいところだ。今はかなわなくとも、経験を積んだ選手たちがやがて勝利の花を咲かせる。そんな成長のドラマを、浜通りは待っている。今節の入場者数は4,796人。少なくとも街の復興には、今日も確実に一歩前進した。

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