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いわき、3対0で4戦ぶり白星

雨中のナイトゲーム制す
明治安田J2リーグ 第8節

 サッカーのいわきFCは3日、ホームのハワイアンズスタジアムで藤枝MYFCに3対0で勝利し、4試合ぶりの白星を挙げた。今季初めてのナイトゲームとなった一戦は激しい雨のなか、いわきが29分にCKから山口のゴールで先制。後半にも66分に山口がカウンターから追加点を挙げると、78分には西川がPKを沈めて加入後初ゴール。照山を中心とした守備陣も安定した守りで、藤枝の攻撃を無得点に抑えた。勝ち点を12に積み上げたいわきは8位へ上昇。得失点差は9と、リーグトップに躍り出た。攻守のバランスを整えたいわきは次節、7日にアウェイのニッパツ三ツ沢球技場で、昨季J1の横浜FCと対戦する。

山口、大迫、西川らが躍動

 観戦したいわきサポーターが「6点ぐらいとれたやろ」と余裕を見せるくらい、いわきの決定機が多い試合となった。開始直後は藤枝に自陣左サイドを突かれる時間が続いたが、2.5列目のポジションで自在な動きを見せる山口を中心に、徐々にボールを奪える展開に。先制点は左サイドバック気味のポジションで先発した大迫の左足から。精度の高いCKがニアサイドへ走り込んだ山口にピタリと合った。ただ、CKを奪ったきっかけは谷村の意表を突いたミドルシュート。ゴールの確率は低い態勢だったが、積極的に得点を狙う意欲が呼び込んだ先制点だったと言える。

 この日は田村監督の選手交代も冴える。今季フル出場が続いていた大西をハーフタイムで下げ、山下を投入。大西は前半で警告を受けており、雨でボールもスパイクも滑りやすい状況では、タックルの際に2枚目のイエローカードで退場につながる危険性が高い。次節以降の戦力も考慮した、リスクマネジメントに長けた判断だった。山下とともに入った有馬も特長を発揮。シュートこそ決まらなかったものの、山口の追加点につながるポストプレー、PKを獲得したドリブル突破と、豊富な運動量とバランスの取れたスキルを随所に披露した。

 待望の移籍後初ゴールを挙げた西川は、質の高いパスで攻撃を彩った。この日は前半からボールタッチの感触が抜群。濡れた芝を苦にせず、的確なトラップでチームのボール保持率を上昇させた。後半に入ると一段とギアを上げ、強烈な無回転シュートや、2点目のカウンターを仕上げる山口へのリターンパスで、期待に違わぬ活躍を見せた。プレスバックからの激しいチャージで相手ボールを奪うシーンもあり、前節の不出場から一転、着実に進化しつつあることを印象付けた。

次節はハマドリも遠征

 J2の昇格同期を相手に会心の勝利を挙げたいわきを見て、40代女性は「いつもこういう試合を見せてほしい」とコメント。ただ、猛者ぞろいのJ2で大型連勝を達成するのは至難の業だ。次節は早速、いわきの真価を試される相手が待ち受ける。かつて三浦カズや中村俊輔といったレジェンドが在籍した大都会のJ1経験チームに、今季のいわきがどこまで通用するのか。雨で濡れた身体を暖め、4日後の横浜に、駆け付けろ。

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