いわき3試合ぶり白星、暫定4位へ

明治安田J2リーグ 第16節

 サッカーのいわきFCは18日、正田醬油スタジアム群馬でザスパ群馬に1対0で勝利し、3試合ぶりの白星を挙げた。下田、山下らを先発に起用したいわきは前半、守備を固める群馬を攻めあぐね、得点を取れずに折り返す。後半から西川が途中出場すると攻撃に勢いがつき、山口が61分に待望の先制点をヘディングで奪った。その後は安定した守りで、連敗脱出を目指す群馬の懸命な攻撃を零封。勝ち点3を積み上げ、暫定4位に浮上した。いわきは次節、26日にホームのハワイアンズスタジアムいわきで徳島ヴォルティスと対戦する。

刺激生む選手間競争

 今節は、最近の試合で先発出場が多かった大迫、加瀬、西川らが先発漏れ。大迫と加瀬はベンチからも外れた。いわきサポーター(8歳)は「どうして!?」と驚きを隠さなかったが、一方で大西、下田、山下とボランチタイプが3人そろい、石田、五十嵐らセンターバックのできる選手も4人が同時先発。試合前にフォーメーションをあれこれ夢想する楽しみができるほど、選手層は厚みを増した。

 結果を出さなければ、試合にも出場できないという危機感が、選手たちの闘争本能を解き放ったか。特に後半は、いわきの選手たちが次々と群馬陣内になだれ込み、圧力で押し切った感がある。山口のゴールが外れていても、遅かれ早かれ得点が生まれそうな雰囲気は漂っていた。この日は守備も堅さを取り戻した。佐川の屈強なポストプレーには手を焼いたが、相手のシュートはわずか1本。後半早々、立て続けにFKを与えたことを除けば、ほぼ完ぺきと言えるディフェンスだった。

 ただ、今節は群馬に救われた面もあった。群馬はカウンターに移る際のパスミスで、自ら勢いを削ぐことも。次節で対戦する徳島は開幕当初の不振から完全に脱却しており、J1経験クラブとしての矜持を持って、質の高いサッカーを披露してくるはずだ。

 一方、ベンチ入りしながらなかなか出番を与えられない鏑木、良い動き出しを見せているものの初ゴールが遠い白輪地ら、自らの出来に満足していないであろう選手たちが、いわきにはまだまだ控えている。累積警告による出場停止やケガ人が生まれやすいシーズン中盤の夏場は、クラブ全体の力量が問われる時期。サポーターを含めた総力戦で、J1昇格を目指していきたいところだ。


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