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いわき4連勝、プレーオフ圏に肉薄

明治安田J2リーグ 第27節

 サッカーのいわきFCは17日、アウェイのフクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉に3対0で勝利し、4連勝で6位との勝ち点差を1に縮めた。いわきは前半、出足が鈍く、劣勢の展開が続く。しかし後半、途中出場した加藤が攻撃を活性化し、谷村が64分、有馬が72分にゴールを挙げた。74分にはオウンゴールも誘い、3対0で千葉から「シーズンダブル」となる白星。通算成績を12勝7分8敗の勝ち点43として、勝ち点44で並ぶ5位のファジアーノ岡山と6位のレノファ山口FCに迫った。いわきは次節、25日にホームのハワイアンズスタジアムいわきで、17位のロアッソ熊本と対戦する。

後半一気、2トップがアベック弾

 気温30.5度、湿度84%とサッカーには不向きな環境だっただけに、いわきが走り勝って優位に立つことも予想されたが、ふたを開けてみれば、前半はいわきの方が鈍重だった。昇格を命題とする千葉の気合いに押し負け、四倉出身のサポーターからは「出足が鈍い。暑いときだからこそ判断はやく。足が止まってる」と指摘が飛んだ。ゴールポストに救われなければ、試合結果は真逆になっていたかもしれない。

 しかし、前半を無失点に凌いだことで、勝機が生まれた。緩慢なディフェンスが目立った西川に代えて、後半開始から加藤を投入すると、前線に迫力が。徐々にトーンダウンする千葉も選手交代で打開を図るが、先にゴールを奪ったのは支配率を高めつつあったいわきだった。

 谷村の先制点は今季の成長を象徴するような一撃。山口のヘディングパスをワンタッチで自らの後方に流してマークをはがすと、メンデス、小川をかわしてコントロールショット。闇雲なタイミングでのシュートを控え、相手DFの間隙をぬった見事な一撃で、千葉の士気をくじいた。

 有馬の追加点も、谷村の左足が起点に。有馬は谷村が収めたボールを受け取ると、前がかりになった千葉を急襲。山口戦のドリブルシュートを再現するようにセンターサークル前から一気にボールを運び、ペナルティアークからグラウンダーのシュートを流し込んで、カウンターを完成させた。試合後に「おめでとう」コールが飛んだ祝砲で、試合の趨勢はほぼ決した。終盤にはU-20日本代表で「AFC U20アジアカップ2023」の得点王に輝いた熊田が、移籍後初出場。高いジャンプ力でサポーターを沸かせた。

 汗だくになって応援したいわきサポーターも、前半の苦しい展開からは想像できない3点差での快勝に、欣喜雀躍。ゴール裏から声援を送った小学生は試合終盤、興奮のあまり自然と飛び跳ねてしまったという。浜通りに夏の思い出を残したいわきは次節の熊本戦、そして東北の盟主にして昇格を争うベガルタ仙台とのアウェイ戦に向かう。

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