いわき、藤枝にアウェイで引き分け

明治安田J2リーグ 第34節

 サッカーのいわきFCは5日、アウェイの藤枝総合運動公園サッカー場で藤枝MYFCと1対1で引き分け、勝ち点1を分け合った。いわきは前半、藤枝の流動的なサッカーに翻弄され、16分に相手エースの矢村に先制点を許す。雨脚が強まった後半、いわきは次々とFWの選手を投入して反撃に出る。乱れ撃ったシュートが実ったのは88分。有馬がロングスローのこぼれ球を豪快蹴り込み、同点に追いついた。アディショナルタイムにもいわきは勝ち越しのチャンスを迎えたが、試合はそのまま終了。今季の成績を14勝9分11敗としたいわきは8位と、昇格プレーオフ圏内の6位ベガルタ仙台を勝ち点差4で追う。いわきは次節、アウェイのシティライトスタジアムで5位のファジアーノ岡山と対戦する。

実った雨中の猛攻、有馬の渾身ボレー

 真夏のゲリラ豪雨のような大粒の雨が叩きつけた後半、いわきは途中から相手陣内へ狂ったように攻め込んだ。それでもなかなか得点を奪えない試合の流れや、逆転勝ちのない今季のジンクスが、そのまま零封負けする雰囲気を醸し出していたが、No.10に恥じない有馬の技術が、見事にチームを救った。枠外に飛んでいった熊田のヘディングシュートを含め、その後に逃した決定機は悔やまれるものの、前半の劣勢を考えれば、ドローは妥当な結果か。

 一方で昇格レースは厳しいものに。残り4試合で6位との勝ち点差は4。上位と縮められる勝ち点差は残り試合と等しい、というサッカー界の定説に照らし合わせれば、ここが土俵際だろう。まずは岡山との「シックスポイントマッチ」で、プレーオフ圏に再び肉薄したいところだ。アウェイでの連戦とはなるが、J1に見合うチームであれば、この程度の難局は乗り越えて当然。体を張った空中戦と有馬の右足一閃は魂を感じさせたが、そんなシーンを岡山でも再現できれば、勝利の風も自ずと息吹いてくるはずだ。



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