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いわき、「オリ10」千葉から勝ち点3

明治安田J2リーグ 第13節

 サッカーのいわきFCは3日、ホームのハワイアンズスタジアムいわきでジェフユナイテッド千葉に1対0で勝利し、リーグ戦3連勝を飾った。いわきはJリーグに創設時から加盟する「オリジナル10」の千葉と一進一退の攻防を繰り広げ、70分にCKから有馬が先制点。下田が77分に退場して数的不利を強いられたが、最後まで集中した守備で1点を守り切った。いわきがオリジナル10のクラブから勝利を収めるのは初めて。6勝4分3敗で勝ち点を22に伸ばしたいわきはJ1昇格プレーオフ圏内の5位をキープし、6日にアウェイのニンジニアスタジアムで、7位の愛媛FCと対戦する。

最高の一体感、挑戦は新たなステージへ

 1人少ない状況で虎の子の1点を守り切れるのか。時計がアディショナルタイムに入ると、いわきを応援していた12歳の少女は、祈るように両手を固く握りしめた。ゴール裏のサポーターが奏でる「Allez Allez」がメインスタンドにもバックスタンドにも自然と伝播し、「キープキープ!」「守り切れ!」と熱い声援が投げかけられる。そして俵主審のホイッスルが試合終了を告げた瞬間、満員の観客は総立ちで両腕を突き上げ、いたるところで抱擁を交わした。心にこみ上げる高揚感と達成感は、選手たちのプレーばかりではなく、浜通りに連なる自分たちのルーツから生まれた感情だったのかもしれない。1993年にJリーグ開幕戦のヴェルディ川崎対横浜マリノスを観戦したといういわき市内の40代男性も「31年前には考えられなかった」と感慨にふけった。

 J2昇格後では初めてとなる3連勝を達成し、昇格レースへ本格的に名乗りを上げたいわき。今後は対戦チームから徹底して研究され、一段と厳しい戦いを強いられるに違いない。しかし、この挑戦過程こそが、浜通りをさらなる成長に導くはずだ。ピッチ上の結果に加えて、プロクラブとしての収益性も確実に上昇を続けており、5,025人が集った今節を含め、ホーム6戦の平均観客動員数は4,175人と、昨季の約3,500人を超えている。「90分間倒れない、止まらない」というブランディングと共鳴しながら、浜通りはなおも未知の領域を前進していく。

 

 




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