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いわき、奮戦ドローで勝ち点1

今季初の複数失点も、セットプレーから2得点
明治安田J2リーグ 第9節

 サッカーのいわきFCは7日、アウェイのニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦し、2対2で引き分けて勝ち点1を獲得した。いわきは16分にペナルティエリア右からのFKを、大迫が意表を突いて直接ゴール。先制点を奪ったが、直後に自陣右サイドを崩されて同点に追い付かれた。いわき攻撃陣は1対1に強い横浜守備陣に手を焼き、シュートに持ち込めない時間が続く。後半開始間もない49分には、西川のパスを三田にインターセプトされ、豪快なミドルシュートを浴びた。

 しかし、今度はいわきがやり返す。加瀬が西川とのワンツーでペナルティエリア右へ侵入。加瀬のスピードに村田がたまらずファウルを犯し、PKを得た。照山がこれを冷静に沈めて同点。その後はセットプレーで前節3アシストの福森が蹴ってくる精度の高いクロスボールを、大森の奇跡的なクリアなどで凌ぎ、J1経験クラブを相手に貴重な勝ち点を得た。

 9試合を終えて3勝4分2敗の勝ち点13としたいわきは10位に。次節はホームのハワイアンズスタジアムに戻り、13日に試合を迎える。相手は首位の清水エスパルス。昨年は2試合とも完膚なきまでに叩きのめされた、昇格候補の筆頭だ。

三ッ沢に響いたチャント、浜は横浜だけじゃない

 68分に相手ディフェンスラインから抜け出した有馬が山下のロビングを絶妙なトラップでおさめ、左足でゴールネットを揺らした瞬間、多くのゴール裏サポーターが再逆転を夢見たに違いない。結局、惜しくもオフサイドでゴールは認められなかったものの、横浜のような強豪クラブと渡り合えたことは、今後の自信になるだろう。

 サポーターも声を張り上げ、選手を後押しした。初めてゴール裏で観戦したという中学生は、いわきの得点後に周りのサポーターとハイタッチして喜びを分かち合い、「楽しかった」と率直に語った。一方、サッカー以外で三ツ沢を満喫したサポーターも。2年前のY.S.C.C横浜戦でも三ツ沢を訪れたという小学生は今回、かき氷2つと炭酸ジュースを飲み食いし、「今までで一番楽しかったかもしれない」と、花より団子の季節にふさわしいコメントを残した。

 試合後には横浜駅周辺にキングレッドのユニフォームが繰り出し、浜通りの存在をアピール。人口は横浜の10分の1にも満たないが、「復興から成長へ」というクラブコンセプトを着実に実現へと近づけていることを示す一日となった。
 


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