いわき、7位に再浮上

明治安田J2リーグ 第32節

 サッカーのいわきFCは22日、アウェイの鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムで徳島ヴォルティスと対戦し、1対0で勝利した。いわきは鋭い出足で試合を優位に進め、51分に山下のクロスを有馬がヘディングでゴール。この1点を守り切り、2試合ぶりの白星を挙げた。いわきは通算成績を14勝7分11敗の勝ち点49として、第28節以来の7位に浮上。4位のファジアーノ岡山、5位のベガルタ仙台を勝ち点差3で追い、6位ジェフユナイテッド千葉とは勝ち点で並んだ。いわきは次節、29日にホームのハワイアンズスタジアムいわきで18位の栃木SCと対戦する。

しぶとく掴んだ勝ち点3

 雨模様のポカリスエットスタジアムに、いわきの勝利を告げる試合終了のホイッスルが鳴り響くと、いわきサポーター(8歳)は「渋い。渋い試合」と評した。お互いに決定機が少なく、いわきに至ってはシュート数がわずか3本。しかし、内容自体はプレッシングが効いた現代サッカーらしい、密度の濃い一戦だったと言えるだろう。

 V・ファーレン長崎に力負けした前節から、今節は中盤の底に柴田を起用。田村監督のこの采配が奏功し、球離れが早い柴田のパスワークがいわきにリズムをもたらした。先制点もCKのこぼれ球を柴田がダイレクトでつなぎ、さらに相手ディフェンスのチェックを遅らせる頭脳的なプレーで、山下の好クロスを引き出した。これをゴール前で叩き込んだ有馬は、身長190センチの屈強なカイケに前半から果敢に立ち向かっていたが、その姿勢が得点という最高の結果になって実を結んだ。

 終盤は渡を中心とした徳島攻撃陣が猛反撃。しかしいわきは、後半から投入されて攻撃を活性化させていた杉山に代え、第3節以来の出場となった速水を最終ラインに投入。現実的な交代策で無事に逃げ切った。

 今シーズンも残りは6試合を残すのみ。ホームでは下位との対戦が続くが、4失点を喫したロアッソ熊本戦のように、残留争いをしているクラブも必死にゴールを奪いに来る。ようやく下がり始めた気温を追い風にまずはコンディションを整え、攻守に速いサッカーで最終節まで駆け抜けてほしいところだ。

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