なぜ中国はこれからも勝ち続けるのか
中国が今後もしばらく勝ち続ける理由は、突き詰めると下記3つだ。コロナは時代を早送りしたに過ぎない。
①どこよりもデータがある
世はビックデータ時代。良いITプロダクトはどれだけデータを保持しているかに依存する。そして、あらゆる製品はITと繋がっていく時代である。
GAFAが強いのは、保有データが多いからだ。
だがしかし、民主主義圏において、このスタイルを維持するのは難しいのではないか。事実、欧州を中心に反GAFAの動きは加速しているように思う。
一方、官民一体の中国スタイルは、中国国内ではデータの保有やその利用に対する雰囲気がまだ緩い気がする。14億人のデータを元にPDCAを回されたITプロダクト。それに太刀打ち出来ますか。
その先鋒は中国SNSや中国アプリゲーム。
SNSはTiktok、ゲームは荒野行動など。
オフラインやロジスティクスを挟まない領域であれば、既に日本や世界を凌駕し始めている。まさか、中華系ITサービスがアメリカでDAU(デイリーアクティブユーザー数)が約5000万人を超える時代がくるなんて。。(Tiktokのことだ)
中国国内にて、外資ITサービスを牽制しながら、圧倒的なデータ量でプロダクト洗練させて、海外に進出させる。このやり方を出来るのは中国だけだ。だから中国は勝ち続ける。
蛇足だが、このような主張は7年ほど前に自分は既にしている。
中国も米国製のネットサービスを牽制しているのでしょう。そのおかげで中国のネットビジネスは後発ながら着実に力をつけてきています。そしていよいよその中国のネットサービスが世界市場に攻め入ろうとしている段階に差し掛かってきているのだと思います。
もはや目を向けるべき対象は西海岸ではないのかもしれません。
膨大な人口と経済可能性を抱える中国。富の集まるところに人や技術が吸い寄せられ、新しいテクノロジーが生み出されていくとするならば、もはやこの国を抜きに世界のネットを語ることは不完全であるとしかいいようがありません。
だから、この①はもともと思っていたことで、ここ最近思うのは、これから書く②と③だ。
②どこよりもエネルギーがある
中国は原発を自由につくれる。
民主主義と原発は相性が悪い。
でも、資本主義と原発の相性は抜群にいい。
様々な意見がある領域だけれど、民主的な説得コストを除けば、エネルギー生成コストが最も安いのが原発だろう。
それを中国はこれからガンガンつくる。既に今もかなりのスピードでつくっている。
倫理観の良し悪しは置いて、これが出来る国が他にあろうか。
電気自動車産業など、安くて安定的な電気網のインフラ構築の恩恵を享受する領域は1つや2つなどではないはずだ。
だから中国は勝ち続ける。
③格差を固定化出来る
経済を成長させ続ける上で必要不可欠な要素は格差なのではないか。
自分は経済学者でもないし、確信がある訳ではないがそんな気がする。つまりは、自国の製品が他国より安くていいものであり続ければ、経済は発展し続けるはず。
国が豊かになると、当然国民の賃金が上がるから、その分製品にコストが加味されて、金額における国際競争力が低下してしまう。その代替案が、移民や中後進国へのオフショアだったと思うのだが、これを自国で維持し続けるのが最強と思う。
その点、中国はある程度まで格差を固定化出来るので、それが出来る。理由は強権国家であることと、広大で肥沃な土地を保有しているからだ。
中国の強権さの説明は割愛するが、よりポイントなのは広大で肥沃な土地であることと思う。つまりは、農業すればなんとか生活出来ちゃう土地を保有しているということだ。
極端な話、デモがあれば強権で潰すことが出来、でも飢えさせることもしない。だから、格差を維持出来るのではないか。
ロシアは強権で土地は広大だけど、肥沃な土地ではない。(国土の約65%が永久凍土だ)
インドは土地は広大で肥沃だけど、強権ではない。(民主主義だ)
自分は地政学原論主義者で、歴史とか見ると、突き詰めると国の強弱は地政の優劣に依存するのでは、と思っている派だ。
イギリス、香港、シンガポールが金融が強い理由。
イスラエルが情報産業が強い理由。
日本が急速な経済発展を遂げた理由。
などはどの場所に国があったかが主要因だと思う。
デジタルな時代だからこそ、どの場所にいてもデジタル情報にアクセス出来るからこそ、物理的で揺るがないコトこそが、重要な時代である。
それゆえ、中国という極めて恵まれた土地を共産党が統治しているからこそ、中国は勝ち続けるのだ。
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