Redevelopment

東京の至る所で行われている都市の再開発。
2020年、東京オリンピックの開催も決まり、
その勢いはますます加速しているのが肌で感じられる。
生き物のように形を変えつづける東京は、
破壊と再生を繰り返している。
そこに寄生し、不安定に共生する人間たちを、
私は記録し続ける。

マグナムフォトは1947年、ロバート・キャパ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ジョージ・ロジャー、デビッド・シーモアらが創設した。
それまでは作品が掲載される際、写真家の意向にかかわらず、むやみに写真をトリミングしたり、不正確なキャプションを付けられたりすることが頻繁にあったため、
これを防ぎ、写真家の権利と自由を守り、主張することを目的として、
ニューヨークとパリに事務所が設立された。

マグナムフォトの設立理由は、
不正確な広告、無断のトリミング、不正確なキャプションによって、
撮影者の意図とは違うものとして発表されるのを防ぐこと。

マルセル・デュシャンの言うレディ・メイドは、
「選択」して「アート」とした作品。
意図は視覚的に無関心なオブジェであり、美術の作者は鑑賞者であるということ。

この二つと絡めて、
本来、アートにはなりにくい工事現場をアートとして考える。
工事現場は視覚としてはそこにあるが、日常生活ではほぼ無関心であると思う。
(毎日意識するほど工事現場を気にしていること、見ていること)

本来の意味は「ハッセルで撮りたかった」という軽い気持ちで撮り始めた写真を、
「東京オリンピック」や「豊洲市場」などの大きな事物によって覆い隠し、
不正確なキャプションを付けることによって、鑑賞者が勝手に意味をずらし解釈する。
そうすることによって、鑑賞者に作品の意味を任せ美術化していく。

簡単にまとめると、
本来の意味を「東京オリンピック」や「豊洲市場」などの大きな事物によって覆い隠すことで、鑑賞者に意味を任せそれについて語られることで美術化される』という試み。


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