有馬記念予想 過去の有馬①

 友達との競馬場の帰り道。府中競馬場と府中本町を結ぶスロープ。中京競馬場から名鉄電車の中京競馬場前までの緩い坂道(わたしはその手前のエリカで珈琲を飲んで帰る)。その道のりを来週のG1の予想を話す。たったいま競馬場で負けてきたのにである。友達とああでもないこうでもないと予想しあい、平日の昼間にわざわざスポーツ新聞のある店に行きランチを食べる。スポーツ新聞を読むためにランチを食べているのだ。乗車中にタクシーの運転手とダービーの話で盛り上がり余分に二駅行ってもらう。馬券は当たりたいが、ハズレても、その過程を楽しんでいるのかもしれない。だから、ダービーと有馬記念の本命だけはしっかり覚えている。いや、買ったG1の本命すべてを覚えているかもしれない。

 有馬記念の予想の話しをするとき、わたしはよく言うことがある。ダービー馬で有馬記念も制覇した馬をあげてみて?

オルフェーヴル

ディープインパクト

ナリタブライアン

シンボリルドルフ

 そう、三冠馬なんですよね。三冠馬くらい力が抜けていないと有馬記念を勝つのは難しい。それくらいトリッキーなコース&距離である。内回りで直線も短く、スタミナも問われる。過去の有馬記念を知ることは今後の有馬記念を知れるとわたしは考える。温故知新。

 2019年有馬記念。スタートしてレイデオロ、キセキは出遅れ。アエロリットは大逃げ単騎。1000m通過58.5。番手スティッフェリオを4~5馬身離した逃げ。番手1000m通過は60.0ジャストあたりか。中団外にアーモンドアイ。その後ろでマークはリスグラシュー。やはり3コーナーからレースが動く。4コーナー先頭はフィエールマン、スティッフェリオ。その外からリスグラシュー(内から五頭分か、直線内を走る馬はいない)。2、3着の三歳馬のサートゥルナーリア、ワールドプレミアはリスグラシューが抜け出してから追い込んできた。4コーナー付近、フィエールマン騎乗の池添ジョッキーはアーモンドアイをマークして馬体を寄せる。しかし、アーモンドアイが手応えがないことがわかり、すぐに外の馬にあわせにいく。これは誤算だっただろう。今日の枠順抽選でルメール騎手は枠が外寄りだがどうか?と司会者に聞かれ、こう答えた。

「後ろからだから問題なしです。」

つまり昨年の池添騎手とは違う位置で競馬をするだろうことを示唆した。わたしはこれは危ないと思った。理由はこの予想の後半で述べる。

 アエロリットはアエロリットのレースをした。それにつられて3コーナーから速い流れのレース。最初の中団勢(アーモンドアイ含む)は追い出すが、ここはリスグラシューが強すぎる。いわゆる掃除された感じ。タイトな流れ、スタミナも問われるレース。掃除という表現は好ましくないかもしれない。例えば、ゴールドシップが捲って勝ったレース。シップが3コーナーから動く、先行馬に並び、そして突き放してゴール。この時、先行馬は全て負けている。これは馬の習性なのかな、一度抜かれたら、抜かれた馬はひれ伏すかたちとなる。現にゴールドシップが捲って勝ったレースは後方から差してきた馬が2.3着にきている。話しを戻すと、2019年有馬記念の総括はスタミナ、タフさ、どれをとってもリスグラシューが他を圧倒したレースだった言える。タイムもそれを物語る。2:30:5。馬場改修した2014年始から6回。一番速いタイムだ。もう一つ、直線、内を通る馬はいなかったと書いた。馬場コンディションも悪かったのだ。リスグラシューが強すぎる。そのため、2.3着馬は後方から差してきた馬。人によっては着狙いしたというかもしれない。近年だと他を圧倒した有馬記念馬もう一つある。それはこの次回に続く。


 

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