【超短編小説】おぢの逆襲~The Odi Strikes Back~
中村裁判長は冷静な口調で言葉を続けた。
「渡邊被告が販売したマニュアルについて、主体的に犯罪を助長したと言える」
(許さない!絶対にだ!俺は一所懸命勉強したが女にはまったくモテなかった。そりゃそうだ、学生時代から司法試験という崇高な目的の為、合コンにも行かず勉強漬けの日々。それが原因でやがて女性限定のコミュ障になり、20代後半からはハゲが進行。ならば金の力だと思い、裁判長を目指して日々の仕事にすべてを捧げてきた。カップルがセックスしている時間もだ!ある程度金が稼げるようになってからは、金という力の使い方を覚えて、可処分所得のほとんどを女に注ぎ込んできた。俺も先週ちょっと無理してシャンパンタワーやったよ!!!それを「おぢ」だと!?せめて「おじさん」と呼んでくれないのか!!!二文字かよ!!!モノじゃねーんだぞ!!!)
中村裁判長は目を瞑り、しばらく沈黙したあとに判決文を読み上げた。
「意中のホストらの売り上げに貢献するために犯行に及び、刑事責任は相当重い」
(これがおぢを舐めたガキの末路だ。量刑マックス。これがおぢの本気。おぢの逆襲だ。思い知れ。)
「懲役9年・罰金800万円(求刑懲役13年・罰金1200万円)の判決を言い渡す」
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません
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