コンサル転職ケース対策④セブンカフェの1店舗の年間売上と売上を伸ばす施策は?
セブンカフェの年間売上
基本的な考え方
基本的な考え方としては、以下のようになります。
・売上 = 客数 × セブンカフェ購入率 × 単価
- セブンカフェ購入率 = コーヒー購入 × セブンカフェ選択率
ただし、コーヒーという商材の性質上、店舗の立地によって注文率が大きく変わる可能性がありますし、そもそも立地(オフィス街/商業地/住宅街/郊外)によって客数なども変わってくることが予測されます。
今回はオフィス街にある店舗を想定して、売上を推定してみたいと思います。
この際、客数やコーヒー注文率は時間帯によって変わると思われますので、時間帯でセグメントして考えたいと思います。
セグメント&推定
時間帯ごとに、稼働レジ台数、レジ稼働率から客数を推定し、これにセブンカフェ購入率を掛け合わせると、以下のようになります。
これより、売上個数は126個/日 = 45990個/年、単価を180円とすると、売上金額は22,680円/日 = 827万8200円/年となります。
$$
\begin{array}{|l|l|l|l|l|l|} \hline
時間帯&レジ台数&稼働率&客数&カフェ購入率 ※&販売数\\ \hline
6~9時 &4台(240人/h)&75\%&540人&10\%(25\%×40\%)&54人\\ \hline
9~11時 &2台(120人/h)&20\%&48人&10\%(25\%×40\%)&4.8人\\ \hline
11~13時&4台(240人/h)&75\%&360人&4\%(10\%×40\%)&14.4人\\ \hline
13~18時&2台(120人/h)&20\%&120人&10\%(25\%×40\%)&12人\\ \hline
18~22時&2台(120人/h)&40\%&192人&2\%(5\%×40\%)&38.4人\\ \hline
22~30時&1台(60人/h)&5\%&24人&1\%(2.5\%×40\%)&0.24人\\ \hline
\end{array}
$$
※カフェ注文率 = コーヒー購入率× セブンカフェ選択率
参考データ
食品新聞の記事によれば、セブンカフェの年間売上は約7億4000万杯とのことです。更にセブンイレブンの店舗は21442店舗なので、単純計算では1店舗平均売上は34511個/年となります。
オフィス街店舗のセブンカフェの売上は平均と比べてかなり高いと予想されるため、今回の推定は当たらずとも遠からずといった程度になるかと思います。
売上向上施策
ターゲットの選定
セブンカフェの売上げに関わる要因のうち、どれに注力をするべきか考えてみたいと思います。
時間帯当たりの来客数については、セブンカフェの売上というより、全体売上的な話になるため、今回は、コーヒー購入率 or セブンカフェ選択率のいずれかに着目することになりそうです。
先ほどのセグメントの計算を流用して、どちらに着目すべきか考えてみたいと思います。
コーヒー購入率
例えば、コーヒー購入率が落ちる時間帯の購入率を20%UPさせた場合、セブンカフェの購入人数は、9.24人増えることになります。
セブンカフェ選択率
一方、1日を通してセブンカフェ選択率はあまり変化が見られませんが、これを20%UPさせた場合、セブンカフェの購入人数は、44.64人増えることになります。
最もコーヒーの購入者数が多い、6~9時の時間帯だけに絞っても、20%UPさせると27人増が見込まれます。
以上のことから、推定の誤差があったとしても、セブンカフェの選択率を上げることに集中したほうが、効率的であると考えられます。
$$
\begin{array}{|l|l|l|l|l|} \hline
時間帯&客数&コーヒー購入率&カフェ購入率&販売数\\ \hline
6~9時 &540人&25\%(135人) &40\% &54人 \\ \hline
9~11時 &48人 &25\%(12人) &40\% &4.8人 \\ \hline
11~13時&360人&10\%(36人) &40\% &14.4人 \\ \hline
13~18時&120人&25\%(30人) &40\% &12人 \\ \hline
18~22時&192人&5\%(9.6人) &40\% &38.4人 \\ \hline
22~30時&24人 &2.5\%(0.6人) &40\% &2.4人 \\ \hline
\end{array}
$$
粒度のブラッシュアップ
そうすると、考えるべきこととしては、「なぜセブンカフェではなく、缶/ペットボトルコーヒーを選ぶのか?」ということになります。これに関して、もう少し粒度をあげて考えたいと思います。
コンビニにおけるコーヒーを選ぶときの判断軸で、ニーズとセブンカフェのマッチ率を分析してみたいと思います。
軸としては、持ち歩き時間の短い⇔長い、コーヒー豆重視 ⇔ 他要素重視(甘さ、ミルク感など)の二軸で分解して考えたいと思います。
持ち歩き短い × コーヒー豆重視
このセグメントは、オフィス街なのでニーズも大きく、セブンカフェの淹れたてという特徴が、缶/ペットボトルコーヒーよりも魅力になるため、今のセブンカフェの主戦場であると言えます。
持ち歩き短い × 他要素重視
このセグメントは、コーヒー豆の味や風味よりも、甘さやミルクのリッチ感などを重視するタイプです。若年層や女性を中心にニーズが一定あることが予想されます。コーヒー豆重視よりもペットボトルコーヒーが強いながらも、セブンカフェでもフラペチーノなどの商品ラインナップで対抗している領域であると言えます。
持ち歩き長い × コーヒー豆重視
近くのオフィスで飲むわけではなく、持ち歩き時間は長いが、美味しいコーヒーが飲みたいという層です。オフィスがやや遠い人や、外回りの人など、潜在ニーズはあると考えられるものの、缶/ペットボトルコーヒーで甘んじていると思われます。
持ち歩き長い × 他要素重視
このセグメントは、ニーズとして一定あると思われますが、従来の缶/ペットボトルコーヒーの主戦場です。
以上のセグメントを考えると、持ち歩き長い×コーヒー豆重視セグメントは一定のニーズが見込まれるものの、缶/ペットボトルコーヒーの中では本格派という商品で甘んじてしまっており、ニーズが未充足なセグメントであると考えられます。
このセグメントのニーズが全体の25%であり、現状ほとんどシェアを取れていないとすると、この市場を開拓することで、売上を伸ばすことが出来そうです。
施策の立案
では、なぜ「持ち歩き長い × コーヒー豆重視」セグメントの人はセブンカフェのコーヒーを買わないかというと、セブンカフェの容器が持ち歩きに向いていないからだと思われます。
体感ですが、セブンカフェの容器をもって歩けるのは、せいぜい5~10分以内といった所で、途中で飲み切ったとしても容器をカバンに入れておくということも出来ません。
そのため、考えられる施策としては、セブンカフェをペットボトルや缶に入れて、持ち運べるような形で提供するということが挙げられます。
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