コンサル転職ケース対策③スマートウォッチの市場規模と売上向上施策

市場規模推定

方針

・市場規模 = 日本に存在する台数 / 買い替え頻度 × 単価
 - 日本に存在する台数 = 人口 × 所有率
 -買い替え頻度:4年
 -単価:5000円~10万円までレンジあり

所有率に関しては、年齢と緩やかな相関があると考えられるため、世代別にセグメントして考える方針で行きたいと思います。

具体的には、以下の5つのセグメントに分けて考えたいと思います。

1,~18歳 :ほとんど持っていない(推定からは除外)
2,18~30歳 :所有率は高く、安価な製品がメイン
3,30~50歳 :所有率は高く、中~高価格帯製品がメイン
4,50~70歳 :所有率は低く、中~高価格帯製品がメイン
5,70歳~  :ほとんど持っていない(推定からは除外)

セグメントごとの推定

$$
\begin{array}{|l|l|l|l|l|l|l|} \hline
セグメント&人数&SW所有率&台数&販売数&単価&セグメント市場\\ \hline
18~30歳&1800万人&40\%(60\%×60\%)&720万個&180万個&1.4万円&252億円\\ \hline
30~50歳&3000万人&20\%(80\%×30\%)&600万個&150万個&2.1万円&315億円\\ \hline
50~70歳&3000万人&10\%(80\%×10\%)&300万個&75万個&2.8万円&210億円\\ \hline
\end{array}
$$

※SW所有率は腕時計所有率×SW選択率より概算。

以上を足し合わせると、市場規模は777億円(405万台)となる。

※単価ロジック
低価格(8000円)、中価格(2万円)、高価格(5万円)の3つの価格帯があり、各年代が所有するスマートウォッチの価格帯構成比から、加重平均を計算。

$$
\begin{array}{|l|l|l|l|l|l|l|} \hline
セグメント&人数&低&中&高&加重平均&近似値\\ \hline
18~30歳&1800万人&60\%&20\%&10\%&13800円&14000円\\ \hline
30~50歳&3000万人&30\%&50\%&20\%&22400円&21000円\\ \hline
50~70歳&3000万人&10\%&60\%&30\%&27800円&28000円\\ \hline
\end{array}
$$

売上向上施策

ターゲットセグメント

まず、ターゲットとするセグメントに関しては、先ほどの推定が正しいと考えると、以下の2点から30~50代、特にこの世代のスマートウォッチ選択率を向上することに注力するのが良いと考えられます。

1,SW選択率の伸びしろが大きい
・18~30歳では既に多くの人がSWを選択しており伸びしろが少ない
・50~70歳よりも、SWへの親和性が高く、効率的伸長が見込まれる。

2,単価を下げずに所有率を伸ばすことが出来る可能性がある
・この世代は18~30歳よりも所得が高いと考えられる。
・そのため、中~高単価製品を中心に販売できると考えられる。

課題の特定

30~50代の人は腕時計を所有しているにもかかわらず、スマートウォッチの所有率は低く、スマートウォッチを選択していない状況であると考えられるため、「30~50歳の人は、なぜスマートウォッチではなく、機械式時計を選択するのか」が問いになります。

時計を選択する際の軸としては、使用シーン(プライベート/ビジネス/兼用)、期待するもの(機能性/見栄え)の2つがあると考えられます。

この2つの軸でニーズをセグメントし、ニーズの大きさと、スマートウォッチでカバーできるかをまとめると以下のようになります。

$$
\begin{array}{|l|l|l|} \hline
&機能性重視&見栄え重視\\ \hline
プライベート&ニーズ〇、SW優勢&ニーズ〇、SWやや劣勢\\ \hline
兼用&ニーズ△~〇、SW優勢&ニーズ△~〇、SWやや劣勢\\ \hline
ビジネス&ニーズ△、SW優勢&ニーズ◎、SW劣勢\\ \hline
\end{array}
$$

この世代のニーズとしてビジネス(フォーマル)シーンで見栄えのする腕時計が最も大きいと思われる一方、スマートウォッチがそのニーズにマッチしていないのではという課題仮説が立てられます。

そのため、粒度をあげた問いとしては「ビジネスシーンでもスマートウォッチを使ってもらうためには?」となります。

施策の立案

この課題仮説に対して、マーケティングの4Pを使って、施策を考えていきたいと思います。

Product
ビジネスシーンになじむ製品、具体的には、高性能の液晶で文字盤を表現するなどして、一見では機械式時計と変わらないようなスマートウォッチを開発するという手が考えられます。

もしくは、スマートウォッチ機能を持った付け替えバンドを開発するという手も考えられます。既存のプライベート向きのスマートウォッチとセットで販売し、同じiphoneなどと紐づけることで、ビジネスシーンでも消費カロリーなどの情報収集やSuica機能は使うことが出来るというイメージです。

Price
価格に関しては、むしろ高めに設定することで、ビジネスというフォーマルな場に見合う価値があるというイメージを植え付けるという手段はあるかもしれません。

Place
スマートウォッチの販売場所としては、家電量販店などのイメージが強く、機械式時計を取り扱う時計店では取り扱いがないイメージがあります。

しかし、ビジネス用途の層を取り込むのであれば、機械式時計をメインで販売する店舗の開拓を強化するのが良いと思われます。

Promotion
プロモーションに関しても、従来は消費カロリーやプライベートにおけるライフスタイルにスマートウォッチを融合させるようなイメージが多いですが、ビジネスシーンに使われているイメージを打ち出すという手もあると思います。

また、既存のブランドとは別のブランドラインを立ち上げることで、ビジネスに特化した印象を強めるという手段もあります。

施策のまとめ

以上を踏まえると、「機械式と近い形状のモデル、もしくは機械式時計のに着けるスマートバンドを新しいビジネスパーソン向けブランドから発売し、既存の機械式時計を扱うチャネルでの販売を強化すると共に、ビジネスパーソン向けのプロモーションを行う」という施策が考えられます。

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