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SIX powered by Plug and Play Japan APRIL Edition: Startup Introduction

こんにちは、shumpsです。

弊社のマンスリーピッチイベント「SIX」のAPRIL Editionが4月24日に開催されました(イベントレポートはこちら)。今回のテーマは「Entertainment Tech」。XR5GAIクラウド等を含むテクノロジーの進化は、エンタメ業界に大きな影響を与えており、FAANGを筆頭に様々なテクノロジー企業がマーケットシェアの獲得にしのぎを削っています。

個人的な意見となりますが、「Entertainment Tech」の代表格はNetflixだと思っています。1997年に創業した同社は、DVDの郵送レンタルサービスから事業をスタートし、その後、主軸事業をストリーミングサービスオリジナルコンテンツに移行。シリコンバレーのロスガトスとハリウッドの2拠点に本社機能を置いており、まさにエンターテインメントとテクノロジーの融合企業と言えるのではないでしょうか。私が幼少時代によく通っていた当時のレンタルビジネス最大手のブロックバスターは、ネットフリックスとの覇権争いの結果、2013年に倒産しています。直近では、新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限を追い風に、Netflixの4月16日時点の時価総額は1927億ドルとなり、ウォルト・ディズニーの時価総額を上回りました。ウォルト・ディズニーもストリーミングサービスDisney+を展開しているものの、テーマパークの閉鎖が株価に打撃を与えているのです。世界のエンタメ業界で起こるゲーム・チェンジは、今後も注目していきたいと思います。

さて、前置きはこのくらいにして、SIX APRIL Editionにご参加頂いたスタートアップの紹介に入らせて頂きます。

1. CryptoGames株式会社

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ブロックチェーンでゲームをもっと面白くする」をビジョンに、投機的な側面が先行するブロックチェーン技術をエンタメ領域で活用する事を目指しています。同社が開発・運営している日本初のブロックチェーン・トレーディングカードゲームCryptoSpellsでは、ユーザーが自由にオンライン上で対戦カードの売買を行う事ができます。通常のデジタルトレーディングカードゲームと違う点は、売買情報をブロックチェーン上にのせるため、所有権が明確であり、仮にゲームが終了した場合も、OpenSea等のマーケットプレイスを通してカードの売買取引が出来る事です。

ブロックチェーンゲームといえば、2017年に海外でCryptoKittiesがリリースされ、あまりの人気からユーザー数が急増し、イーサリアムの処理スピードが大幅に遅延しましたね。ゲーム内の猫(デジタル資産)が約2,000万円で売買成立された実績もあり、一躍話題となりました。ブロックチェーンゲームを通して、日本のお家芸であるゲーム市場が活気を取り戻す事を期待しています。

2. GRIP Inc.

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技術と遊び心で、日本の文化と商品を世界に」をビジョンに、スマートフォン上で実際のクレーンゲームを遠隔操作できるオンラインクレーンゲーム事業を展開する企業です。同社のTokyo Claw Machineアプリの現在の配信国は台湾・香港・アメリカであり、2020年にはカナダ・東南アジア・日本への事業拡大を予定しています。この事業のコアとなるのは、ゲームの楽しさやユーザーの腕前に訴えかけ、ゲームプレイをきっかけに遊びながら商品購入へと導く販売手法のゲームコマースです。主に景品、ホビー、菓子類、雑貨やアパレル等が取り扱い商品となります。

オンラインクレーンゲームの一つの特徴は、店舗型ゲームセンターとは異なり、風営法の規制の対象とならない事です。従って、営業時間や提供する景品に関しては、通常の店舗型ゲームセンターよりも自由度が高いのです。今後もオンラインだからこそ実現できるビジネスモデルや提供できる付加価値が出てくると面白いですね。

3. WALLSHARE株式会社

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価値の無かった『壁』から新しい価値を創る」をビジョンに、世の中で使われていない壁やシャッター等を有効活用するウォールシェアの企業です。同社のサービスを通して、壁を所有している壁主、創造的な広告を求める企業、スキルを持ち備えたアーティスト、新しい観光地を求めるユーザーを繋ぐ事が可能となります。街全体を美術館とする事で、地域活性や地方都市の観光化も期待出来ます。

日本ではウォールアートを目にする事は少ないものの、インスタグラムの普及を背景に、海外ではかなり導入が進んでいます。例えばロサンゼルスのメルローズ・アベニューアボットキニーでは、立ち並ぶ店舗の壁に無数のウォールアートが存在し、街は平日でも壁の前で写真撮影をする観光客で賑わいます。Paul Smithのピンクウォールで写真撮影をした後に買い物をしたり、天使の翼を背景に写真撮影をした後にアイスクリームを食べたりと、ウォールアートを目的に足を運んだ観光客が地域経済に貢献しているのです。

4. 株式会社わたしは

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人工知能を活用したチャットボットを開発し、(1)人間と人間、(2)人間とコンピュータ、(3)人withコンピュータと人withコンピュータのコミュニケーションを拡張する事を目指す企業です。コアプロダクトとして「大喜利AI」を有しており、今後もAIとお笑いを軸に様々なプロダクトの展開を予定しています。文化庁メディア芸術祭では、エンタメ部門優秀賞を受賞しています。

今年2月には吉本興業がカリフォルニアのAI企業ObENとのコラボレーションを発表しています。その内容は、吉本興業の有するエンターテインメントとセレブのIPを、ObeNのアバター技術と組み合わせ、デジタル空間におけるコミュニケーションに革命をもたらすというものです。ウォルトディズニーの最大のアセットは、気分や体調に左右されないミッキーマウスと言われますが、AI技術を駆使する事で、今後は芸能界でもIPの永続的な活用が進みそうですね。

5. 株式会社ストリーアイランド

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音声で人々を幸せに、世界を幸せに」をビジョンに、人々の個性や経験を音声を通じて共有できるサービスを提供する企業です。APISOでは、日々の生活に必要な情報や知識を、ユーザーの投稿する2分音声4枚画像を通して、無料で取得する事が出来ます。また、SoundsBookでは、10分程度の音声を通して、興味のある本の内容を知る事が可能です。配信者の意見感想も聞けるたため、容易に最適な本を見つける事が出来ます。

各媒体の情報量で比較すると「動画 > 静止画 > 音声 > テキスト」となりますが、音声コンテンツは今最も注目される市場の一つとなっています。海外だとデジタル音楽配信サービスのSpotify、国内だとボイスメディアのVoicy等が人気です。動画や画像と比較して情報量は劣後するものの、デジタルネイティブにとってありとあらゆる情報を「ながら作業」で取得出来る音声コンテンツは大変魅力的なのです。

6. 合同会社BOOKPORT

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誰もが最高の物語を造り、出会える世界を実現する」をビジョンに、誰でも自作の小説や漫画を掲載し、販売する事のできる出版プラットフォームBookBaseを提供している企業です。日本における出版物の販売金額は書籍・月刊誌・週刊誌の全てにおいて年々冷え込んでいます。BookBaseは掲載作品をすべて有料作品とする事で、小説家、漫画家、イラストレーターや翻訳家が創作で稼ぐ事の出来る環境を構築しています。読者視点では、自動レコメンド機能運営ピックアップレビューコンテスト等を通して、「最高の物語に出会い続けるサイト」を約束しています。

電子出版市場は年々伸びており、既存の小説投稿サイトは国内だけでも数十社にのぼります。一方で、電子出版自体が業界の一部の人々から軽視されていたり、実際に電子出版で稼ぐ事が難しかったりと、様々な課題を抱えています。BookBaseの様なプラットフォームは、創作に関わるクリエイターに焦点を当てる事で、出版業界の未来を明るくしてくれるかもしれません。

以上、SIX APRIL Editionにご参加頂いたスタートアップの紹介となります。

次回のSIXのテーマはDX / Digital Transformationです。日程等の詳細は後日公開されますが、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

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