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アンダーシャツはタオルです。


#高校野球の思い出

時は2001年、ノストラダムスの大予言なんてまるで無かったかの様に、世の中は通常運転で回っておりました。

中学に入学した僕は、同じ町内の先輩から誘われて、硬式野球のクラブチームに入りました。

小学校ではサッカークラブあがりの初心者として、いきなり硬式野球を始めた僕は、それはそれは野球に狂っていた。いや、狂わされていたと思う。

土日祝日は練習or試合。休みは水曜日しかなかった。社会人でも週休2日や。・・・休みがあっただけいいか。困難ではプロにはなれないであろうが。

練習もバッキバキにシゴかれていた。練習内容ではない。肉体的にバッキバキに。当時は暴力的指導も辞さない指導方針で、受けた指導は数知れず。

・・・ちょっと思い出してみよう。


暴力的指導たち

・ケツバット

未だにお笑いの罰ゲームとかで見たりするあれ。テレビではプラスチックバットですが、こちとら金属バットだからね。僕をホームランにでもするんすか?

理由
野球の大会に出場するときに、入場行進があるのだけれど、行進が揃ってないと見栄えが悪い。とか強そうに見えない。とか、舐められるなんて理由で行進練習をしていました。
僕の代で4期生という、創部間もない若いチームは行進慣れしていないので、一向に足並みも声も揃わない、掛け声も小さくなりがち。
そこで監督がキレた。
「お前らは覇気がない!全員並べ、今からケツバットだ!」
スクールウォーズの「俺はこれから、お前たちを殴る。」
みたいな宣言だったけれど、状況が違う、全然感動的でない。
ケツバットしたら覇気が出るのかは、謎。

・ビンタ

文字通りビンタというか掌底。手のひらの下の親指の付け根らへんで顔面を強打してくる打法。
追い込まれ距離の最長記録ははホームベースからバックネットまでの10mほどの距離をシバかれました。何発殴られたかは忘れた。

理由
ノックの際にエラーしたり、取れそうにないボールに対して取る素振り(ボールに飛びついたり、ジャンプしたり)しなかった際に監督に呼ばれ喰らう技。
僕はキャッチャーだったのでチームメイトが怠慢プレーをすると、キャッチャーの僕がチームを締めないから悪い。との理由で喰らいました。最長記録は上記のようにホームベースからバックネットまで、一度耳にモロに喰らい、一時耳が聞こえなくなったことも。
チームメイトの気分まで気を配らなくてはいけないなんて、大変ねキャッチャーって。

・近距離ノック

練習でもそういう練習がありそうだが、5m無いぐらいの距離でノック。完全にぶつけに来るような速度とコースを狙ってくる。あれは怖そうだった。

理由
これは僕が受けたことはないのだけれど、こちらもノックの際の怠慢プレーが原因。
監督のもとへ呼びつけられ、ちょっと離れた所に立たせての足元にノック。もし打ち損じで頭や体に当たったらどうなっていたのだろう。
この近距離ノック、守備自体は上手いのだけれど、怠慢プレーをする人によくやっていた。
ほぼ受ける人は決まっており、僕はいつもその人のプレーに冷や冷やしていた。キャッチャーの僕はとばっちりをかなり受けたから。正直、今でもその人のことは嫌いまである。

・砂利の上で正座

砂利というか砕石ぐらいデカかったような気がする。練習試合の近くにあったのでそこで正座。足はもちろん痛い。あと周りからの目も痛い。

理由
試合での出来事。こちらが守備で相手ランナーは3塁。
ピッチャーを交代したばかりで、スクイズ警戒のような状況だったと思う。ピッチャーは監督の趣味でサイドスローに改造させられた選手。正直コントロールにまだ難がある。
僕はスクイズをそれなりに警戒していたけど、まあ外すほどではなくストライクゾーンに構える。
対するバッターへの1球目。
暴投。
ボールはバッターの反対の打席の高めへ。見る人が見れば、スクイズ警戒のウエスト。でも真相はただの暴投。

それを見た監督は、選手交代、しかも僕を。キャッチャーをだ。
お説教タイムの始まり。
監督:「どっちのミスだ?」
ここで僕の脳内CPUが高速で処理しだす。
ここで正直にピッチャーの暴投です。って言ったら、人のせいにしやがってとなるだろうし、キャッチャーの責任だと思っているから代えられたのだ。
キャッチャー交代の意図を汲んだほうが、監督も都合が良かろう、どうせ試合出れないのだから、と思い。
「僕のサインミスです」と言ってしまった。
その結果が試合終了まで、砂利の上で正座。
まさか審判じゃなく、身内から退場させられるなんて思ってもみなかった。

・ノックバットのグリップで脳天をノック

これはいろんな人がされているのを目撃したし、自分も受けた。
ノックバットのクリップエンドで頭をノックする技。帽子の頂点(凸部)にクリーンヒットすると痛ぇんだ。
バックトゥザフューチャーで未来のビフがやるアレ。
「コンコン、入ってますか?」ってやつ。でも現実は、一撃のゴフッってやつ。

理由
この技は割と目撃したことも相まって、グローブ忘れたとかスパイク忘れたとかのツッコミ感覚で披露されていたように思う。なんでやねん。


・・・いろいろ受けてきたなぁ。も一昔前の『水飲むな世代』じゃなかったから、まだまだぬるいのだと思いますが。今では考えられないよね。

それでも野球嫌いにはならなかった

そんな熱血指導を受けた僕は、高校で野球なんてするもんか。と心に決めていた。
その後、とある物好きな高校1校からスカウトをしていただいたが、お断りした。そしたら翌年甲子園に出場した。わぁお。

何が何でも野球をしたくなかった僕はとある私立の特進科に進み、部活動NGをつかみ取ったのである。ちなみに公立高校には落ちた。

しかし、野球が嫌いになったわけではなく、高校では体育のソフトボールの授業や、高校の友達とやったゴムボールでの野球はしっかり楽しめた。

大学受験を控えていても、贔屓のチームで日本一を目指したり、冥球島という島に行き、強豪チームを倒しては仲間に引き入れてチームを強くしていったりした。
あっ、パワプロの話ね(実況!パワフルプロ野球99開幕版)

高校野球との思い出

長い前書きでしたが、ここからが本題。
第88回全国高校野球選手権大会を見ていた時のこと。
ある選手が、汗を拭いた。青いハンカチで。その時思わず発した言葉が「こいつハンカチで汗拭きやがった!」である。

野球をやっていた時代、こちとら濃紺のアンダーシャツの袖や首元、いろんなところで汗を拭いてたよ。僕は「ズボンのポケットはなんであるの?」って感じで何も入れてなかったけど、あそこにはハンカチを入れるのが正解だと分かった日でした。

※アンダーシャツとは、こんなの↓

いっそのことタオル地のアンダーシャツが出てくれればなぁ。なんて思ったり。

そんなハンカチの彼は甲子園で優勝し、早稲田大学を卒業し、プロ野球選手になり、どこかで頑張っているのであります。

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