1月13日(金)の日記
今日13日の金曜日だ。
在宅勤務。
最近仕事の態度が悪すぎて自分で自分が心配になる。社内で少し特殊な立ち位置にいて、いまスキルアップをしようとするとものすごく大変で孤独な挑戦になってしまうので早々に諦めて低空飛行しつづけている。
だから友達の仕事の話を聞くのは好きなんだけど、分からない感覚が多すぎて焦る。責任感とかガッツとか。そんなものわたしは28才くらいをピークに低下し続けている。
基本的に大人しくて真面目そうな顔なので「やってる感」だけは醸してしまうのが余計にやっかいだ。
今日も上の空で働いた。昼に『コークスが燃えている』を読み終える。
あまりに文章のリズム、ひらがなの具合、主人公のひの子の思考や好むものが好きすぎて、ずっと読んでいたかった。のこり10ページほどになったとき、どんな結果であれこの物語が終わってしまって、ひの子のその先を知ることができないのが寂しかった。わたしもひの子の友達になりたかった。
櫻木みわさんは『カサンドラのティータイム』も読んでいて、タイトルにある通り主要人物がテーブルを挟んでお茶を飲み、そして物語が良い方に動き出したり出さなかったりするシーンが印象的なんだけど、『コークスが燃えている』にもお茶会と言えるシーンがあって、そこがわたしは特に好きだった。
向かい合って友達と話す、って決して派手なアクションではないけども、実際それによって心の澱がザァッと流されて爽快な気持ちになったり、なんかやる気がむくむくわいてきたり、そういうことってあるよね。
それをそのまま小説にする、その誠実さが好き。大げさじゃないドラマチック。
タイトルの「コークス」は日本語だと骸炭。石炭を蒸し焼きにして、色々抜け落ちたあとにできる燃料。
女鉱夫のはなしも出てきました。作中に出てくる「女鉱夫の聞き書き集」というのは、わたしが前に読んでいた『まっくら』とは違うみたい。
『火を産んだ母たち』
これもまたいいタイトル。
でも「女鉱夫」+「聞き書き」という同じ題材で2作品もあるとは思わなかった。九州のあの強い方言でそのまま伝えるべき話なんだろう。その女鉱夫のみなさんももうほとんど亡くなっているだろうから、今はもう誰からも聞けない話だ。こういう本がずっと残ったらいいな。
よい読書でした。
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